出張中の災害による労災保険の適用について
出張中の災害における労災保険の適用について教えてください。
出張中の災害に対する労災保険適用のポイントは大きく2つあり、どちらも満たす必要があります。
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事業主の支配下にあること(業務遂行性)
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業務が原因となって発生した災害であること(業務起因性)
出張は事業主の命令を受けた業務となりますので、その過程全般において事業主の支配下にあると言えます。
また、出張中の飲食や宿泊等も出張に伴う一連の業務行為とみなすことができますが、出張の経路を離れて観光地を訪れている間の事故など、積極的な私的行為によって自ら招いた災害は、保険適用の対象外となりますので注意が必要です。
なお、海外出張先で事故等に遭った場合でも労災保険が適用されますが、注意いただきたいのが、「海外出張」と「海外派遣」の違いになります。
国内の事業からの「出張」の場合には事前の手続きは不要ですが、海外の事業に「派遣」され、その事業で使用される場合は、海外派遣者として事前に特別加入の手続きを行わなければ、労災保険の適用を受けることができません。
「海外出張」は労働の場が海外に移るものの、国内の事業に所属し、使用者の指揮に従って勤務する実態は、国内勤務と変わりません。
一方、「海外派遣」では海外の事業に所属し、海外事業の使用者の指揮に従って勤務を行います。
どちらに当たるかは、勤務の実態によって総合的に判断されますので、判断に迷った場合は事前に労働基準監督署に確認しておくと良いでしょう。
著者プロフィール
アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。
アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング(株)、アクタスITコンサルティング(株)と連携し、中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム構築支援の各サービスを提供しています。