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残業割増率変更に伴う社会保険標準報酬月額の随時改定について

月60時間を超える残業の割増賃金率改正(25%→50%)について、支給割合の上昇となるため、社会保険の随時改定の要件に該当すると思います。改正後の報酬月額が、3カ月平均で2等級以上上がった人については、全員月額変更届の提出対象となりますか。

月60時間を超える残業の割増賃金率改正は、支給割合の変更に該当するため随時改定の契機となります。
しかし起算月から3カ月の間に、改正による「割増賃金率が変更となった残業手当」の支給実績が無かった人については、そもそも報酬の変動があったことにはならないため、報酬月額の平均が2等級以上上がった場合でも随時改定には該当しません。

起算月は「改正による割増賃金率の適用された残業手当の支給開始月」です。
例えば残業手当が「月末締め翌月25日払い」の場合、改正後の割増賃金率で支払われる初月は5月となるため、起算月は5月となります。

つまり、5月、6月、7月のいずれかに月60時間を超える残業の支払いがあった人で、かつ5月からの3カ月平均報酬月額が2等級以上上がった人は、改定月を8月とする随時改定に該当し、月額変更届を提出します。
実際に月60時間を超える残業手当の初回の支給実績が7月であったとしても、7月起算とはならず5月が起算月となりますので注意が必要です。

著者プロフィール

アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。
アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング(株)、アクタスITソリューションズ(株)と連携し、中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム構築支援の各サービスを提供しています。

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