IT管理者にとっての仮想化
サーバーの仮想化は、経営者にとってはコスト削減という大きなメリットをもたらしますが、IT管理者にとってもたいへん有意義な仕組みです。
メンテナンス作業の効率化
スナップショットの活用
仮想環境では、ある時点でのサーバーの状態をそっくりそのまま保存しておいて、いつでもその状態に戻すことが可能です。これをスナップショットと呼びます。
例えば「OSのパッチ当てに失敗してしまった」「設定を間違えて変更したらサーバーが動かなくなった」という場合でも元に戻すことが可能です。(ただしディスクの中身もスナップショットを保存した時点に戻ってしまうので、データはバックアップから戻す必要があります) 作業も驚くほど簡単に行えます。
これまで休日にサーバーを止めて作業していたバージョンアップも業務時間内に行うことも可能です。
バージョンアップ作業/リカバリー作業シミュレーション
<バージョンアップ作業例>
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本番仮想マシンをコピー(平日業務時間)
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コピーした仮想マシンで作業(平日業務時間)
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コピーした仮想マシンで動作検証(平日業務時間)
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本番仮想マシンとコピーした仮想マシンを入替(業務時間外)
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差分データを戻す(業務時間外)
<リカバリー作業例>
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本番仮想マシンをコピー(平日業務時間)
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コピーした仮想マシンでリカバリー作業(平日業務時間)
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コピーした仮想マシンで動作検証(平日業務時間)
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本番仮想マシンとコピーした仮想マシンを入替(業務時間外)
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コピー後の差分データをコピーした仮想マシン側に戻す(業務時間外)
上記のように主な作業は業務時間内に行い、最後の部分だけ時間外に行うという運用が可能です。
サーバーの増設も思いのまま
何かの事情で急にサーバーが必要になった。こういった場合でも、仮想環境であればすぐに構築が可能です。
Hyper-Vなどではウィザードに従って設定するだけです。
テスト環境が必要な場合も簡単にコピー環境を作ることが可能です。
例えばメンテナンス時間の効率化を図る
サーバーをメンテナンスするために稼働中のシステムを停止させる必要になることがあります。この時、同じ時間帯に停止できるシステムをサーバーごとにまとめられると便利です。
サーバー構築の容易な仮想環境であれば、用途に応じたサーバー追加も可能です。