ポイントは【4つのステップ】:DXの始め方
2024年7月12日
近年取り組みが加速しているDX(デジタルトランスフォーメーション)。
デジタル技術を活用し、製品やサービス、ビジネスモデル、業務や企業文化を変革し、競争力を高めていくのが、DXだと言われています。
2018年に経済産業省が「DX」を定義してから、現在では多くの企業にとって重要なキーワードとなっています。
一方で、DXに向けて取り組みたいという気持ちはあるものの、進め方が分からずほとんど取り組めていない、という方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、これからDXへ取り組みたいという方のために、そのポイントを解説します。
DXに取り組むための重要なポイント
DXに取り組むために重要なポイント、それは「計画を立てて実行する」ことです。
しかし、DXというキーワードを前にすると、どこから何を始めればよいか分からないというケースや、ツールやソフトウエアの導入が優先され、何のためにDXに取り組むのかが曖昧になってしまうケースも少なくありません。
「DXに取り組むこと」は目的にはなりません。「デジタル技術を活用して、DXに取り組み、経営目標を達成する」ことが目的です。目的の達成のため、しっかりと計画を立てて実行することが重要となります。
それでは、計画の立て方を4つのステップでご説明します。
計画の4つのステップ
【4つのステップ】というのは以下の通りです。
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課題の洗い出し
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目的と目標の確認
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現状把握
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課題の優先度設定
この順番で計画を立て、その後実行に移します。
4つのステップはどれも重要で、省くことはできません。
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目的と目標の確認
最初のステップは、目的と目標を明確にすることです。それは、企業にとって「経営ビジョン」にあたります。
経営者が考える自社の目指す先やあるべき姿を明確にし、計画のゴールを従業員の皆さまに共有する必要があります。
「デジタル技術で何をするのか」ではなく、デジタル技術の活用を通じ、「何を達成したいのか」という経営上の指針を明確にし、見失わないようにしておくことが大切です。
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現状把握
現状把握のポイントは次の2つです。
- 業務フロー:社内のどの部署でどのようなツールを使っているのか、そして他の部署や社外の関係者とどのように関わっているのか。
- IT資産の利用状況:ソフトウエアやハードウエア等がどのように使用されているのか。
この2つを中心に現状を把握することが必要となります。
「これから何をやるのか」と先のことに目が向きがちになるかもしれませんが、「現状把握」を入念にし、スタート地点を確認しておくことも重要です。
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課題の洗い出し
現状把握をすると目的とのギャップ、つまり「課題」が見えてきます。
この課題を解決しながら経営ビジョンに近づいていくことが、進むべき道筋となります。
例えば、経営ビジョンを実現するためのプロセスの一つに「ESの向上を目指す」という課題があったとします。
その課題を細分化し、洗い出すイメージが下記のイラストとなります。
「この課題を達成するためには何が必要か?」と考え、やるべきことを具体的にしていきましょう。
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課題の優先度設定
洗い出された課題に優先度を設定することが、最後のステップです。
優先度を決める際に、重要度と緊急度に分類する方法があります。
下図のような4つのボックスに当てはめて、「重要度」「緊急度」の高低で分類していく方法です。
しかし、重要度と緊急度が高いからといって、必ずそこから着手しなければならないということではありません。
重要度と緊急度の他にも「コスト」という観点が必要です。
コストは、費用のことだけではなく、人がかける手間と時間も含まれます。
おすすめの考え方は、費用や従業員の負担を考慮し、成功や変化を感じやすい課題から解決を目指す方法です。小さな成功体験を積み重ねることが、大きな課題解決に結び付いていきます。
この【4つのステップ】で、最初に確認した目的と目標への道筋が明確になっていきます。
中小企業がDXに取り組むためには
しかし、多くの企業でDXの取り組みが進展していないという状況が明らかになっています。中小企業白書によると従業員の人数に関わらず、「デジタル化が進展しない要因」として以下の理由が挙げられています。
第1位:費用の負担が大きい
第2位:デジタル化を推進できる人材がいない
その他:時間がない/推進方法が分からない
人材とノウハウの問題が大きな要因になっています。
第1位の「費用の負担が大きい」に関しては、国もIT導入補助金等で中小企業を支援しています。ですが、人材やノウハウの不足について根本的な解決は簡単ではありません。
人材やノウハウの不足
現在の日本では、労働人口の減少と急速な技術の進歩と普及の結果、IT人材の供給が追い付いていない状態にあります。特に中小企業ではIT人材が不足し、お困りのことが多いと思います。
社内にIT人材が不足している中でITに取り組むとなると、高いハードルを感じ、なかなか進められないという状態を生んでしまいます。
外部のリソースの活用とそのメリット
計画や実行のステップを進める際に、業務を把握している自社人材とリソースで進めることができれば、最適だと私たちも考えています。ですが、人材やリソースが不足していると感じられる場合には、外部の視点とノウハウの活用もぜひご検討ください。
私たちが考える外部のリソースを活用するメリットは以下の通りです。
- 客観的な視点と豊富なノウハウが得られる
- 多様な情報が短時間で収集できる
- IT人材育成の時間とコストを削減することができる
まかせてITコーディネートサービスのご紹介
最後に、キヤノンシステムアンドサポートの「まかせてITコーディネートサービス」をご紹介致します。先ほどご説明をしました【4つのステップ】をお客さまと共に進め、経営ビジョン実現に向けデジタル技術の活用をご支援するサービスです。
以下6つの内容を一体としてご提供することで、ITの計画にまつわる負担の軽減を目指しています。
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IT投資計画:経営ビジョン・業務フローをヒアリングし、課題と解決案をご提示
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IT健康診断:IT資産の現状を調査し、従業員のITリテラシーを確認
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ITガバナンス策定:情報セキュリティのルール策定と教育で、IT利活用環境の基礎作り
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ITシステム評価選定支援:優先課題の洗い出しから、計画に沿ってシステムをご案内
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IT導入補助金活用支援:皆さまに適した補助金をご案内し、投資対効果の最大化を支援
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経営者専用ヘルプデスク:経営者向けのご相談窓口
今まで多くのお客さまのITの課題解決を実現してきたキヤノンシステムアンドサポートが、外部のリソースとしてこの【4つのステップ】に沿ってご支援します。
まとめ
そのプロセスをお客さまご自身で推進し、経営ビジョンを達成できることが理想です。
【4つのステップ】を進めて達成を目指していただきたいと思います。
DXに取り組むには、「目的と目標を明確にし、計画を立てて実行する」という手順で進めば着実にゴールに近づいていきます。
しかし、自社のリソースだけで取り組む不安や負担を感じる場合には、外部の支援者を活用することもご検討ください。
私たちが持つITのノウハウ、プロフェッショナルスキルを保有する人材を生かして外部の支援者となり、経営者の皆さまの経営ビジョン実現へ向けたDXの取り組みをご支援します。
著者プロフィール
キヤノンシステムアンドサポート株式会社
営業統括推進部 ITコーディネート推進課
田崎 恵理子
【ITコーディネート推進課の業務内容】
「まかせてITコーディネートサービス」事務局。
「まかせてITコーディネートサービス」は、皆さまのIT導入・活用に関するお悩みの解決と計画や検討に要する時間の削減を目指しています。
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