名刺管理ツール導入の落とし穴?企業が最優先すべき「セキュリティ」の重要性
2026年1月27日
前回のコラムでは、営業活動の基盤となる「顧客情報の管理」として「名刺管理ツール」を紹介しました。
このコラムでは、名刺管理ツール導入に潜むリスクと、それを回避するために押さえておくべきセキュリティの考え方について解説します。
企業の信頼を左右する「名刺データ」の持つ意味
近年、企業のコンプライアンス意識の高まりにより、顧客情報の取り扱いに対する管理体制への要求はますます高まっています。名刺には、氏名、携帯電話番号、メールアドレス、所属部署といった個人情報が凝縮されています。これらは単なる連絡先ではなく、企業が積み重ねてきた信頼そのものです。万が一これらの情報が漏出した場合、社会的信用の失墜や損害賠償など、企業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。したがって、名刺管理ツールの導入において利便性以上に「いかに安全に管理できるか」が最優先で考えるべきポイントです。
見過ごされがちな顧客情報の安全を脅かす3大リスク
企業として名刺情報を管理・運用していく上で、注意すべきセキュリティリスク(課題)が主に3つ存在します。
リスク1:アナログ管理や個人のスマホ利用による紛失・盗難
紙の名刺をファイルで持ち歩いたり、個人のスマートフォンの電話帳に登録したりしているケースは少なくありません。しかし、物理的な名刺ファイルの紛失や、スマートフォンの置き忘れ、盗難といった事故は後を絶ちません。端末内にデータが残っている状態での紛失は情報漏えいのリスクを高めます。個人の管理能力に依存していることは、企業にとって大きなリスクとなります。
リスク2:シャドーIT(個人向け無料アプリ)の利用
会社が正式なツールを用意していない場合、社員が利便性を求めて個人の無料名刺管理アプリを使用することがあります。いわゆる企業の許可を得ていない端末やシステムなどを使用する「シャドーIT」の問題です。個人向けアプリは、利用規約によってデータが運営会社所有となったり、社員が退職した際にデータが持ち出されたりするリスクが生じます。企業が関知しない場所で顧客情報が管理されていることは、ガバナンス上のリスクとなります。
リスク3:アクセス権限の不備による内部不正
デジタル化したとしても誰もがすべての顧客情報にアクセスできる状態では、内部からの情報持ち出しのリスクが高まります。「誰が」「いつ」「どの情報に」アクセスしたかのログが残らない、あるいは閲覧制限がかけられないシステムでは、悪意のある持ち出しやうっかりミスによる漏えいを防ぐのが困難です。
情報漏えいを防ぎ、組織を守り抜く「堅固なセキュリティ基盤」
これらのリスクを低減し、安心して顧客情報を共有・活用するためには、以下のようなセキュリティ機能を備えた仕組みづくりが欠かせません。
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端末にデータを残さない仕組み
万が一の紛失・盗難に備え、PCやスマートフォンの端末自体にはデータを保存せず、クラウドサーバー上のデータを閲覧するだけの仕組みが推奨される方法です。また、アプリの起動にパスコードロックをかけたり、特定のIPアドレス以外からのアクセスを制限したりすることで、物理的なリスクと不正アクセスの両方のリスクを低減できます。
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詳細なアクセス権限の設定
組織の規模や役割に応じて、「誰にどこまでの情報を公開するか」を細かく設定できる機能が重要です。例えば、経営層や管理職は全社の情報を閲覧できても、一般社員は自部署の情報のみ閲覧可能にするといった制御です。また、CSVデータでのダウンロード権限を適切に管理することで、大量の顧客リストが外部に持ち出されるリスクを防ぐことに役立ちます。
これらの対策を組み合わせることで、名刺情報が外部に流出する可能性は格段に下がり、組織全体のセキュリティレベルが向上します。
セキュアな環境が実現するビジネス価値と競争力
セキュリティ対策は「守り」だけではありません。しっかりしたセキュリティ基盤があってこそ、場所や時間にとらわれない「攻め」の営業活動が可能になります。
安心してリモートワークや外出先で活用できる
「セキュリティが不安だから、社外からのアクセスを禁止する」という安全性のみを考慮した運用では、営業DXは進みません。端末にデータを残さず、通信が暗号化され、セキュリティが確保されたツールであれば、外出先や自宅からでも安心して顧客情報にアクセスできます。商談直前の情報確認や、移動中のネクストアクションの検討など隙間時間を有効活用することで、営業生産性は大きく向上します。
退職時の引き継ぎと資産保全
社員の退職時に発生しやすい「名刺の持ち出し」や「情報の属人化」も、セキュリティのしっかりした管理ツールであれば防ぐことが可能です。退職者のアカウントを停止すれば、その社員はすぐに情報へアクセスできなくなりますが、会社側にはデータが確実に残ります。これにより、スムーズな引き継ぎが可能となり、顧客との関係性を途切れさせることなく維持できます。
安心して名刺情報を扱える環境構築は、企業の競争力を高め、新たなビジネスチャンスを生み出します。セキュリティの行き届いた名刺管理環境を築くことで、社内の情報共有がスムーズになり、取引先に対しても安心感を与えることができます。名刺交換はビジネスの入り口となる場面が多いだけに、「自社の顧客情報を厳重に管理している」という信頼は、パートナー企業との関係をより強固にするための大きなアドバンテージです。
まとめ
本コラムでは「セキュリティ」を軸とした名刺管理ツールの重要性について解説しました。名刺管理ツールの導入は、顧客情報をデジタル化して便利にするだけでなく、企業のリスクマネジメントそのものです。「無料だから」「有名だから」という理由だけで選ぶのではなく、自社のセキュリティポリシーに合致し、大切な情報をしっかり守れるツールであるかを慎重に選ぶことが大切です。
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