ダブルワークで働く従業員の雇用保険・社会保険の取り扱い
別の会社で雇用保険・社会保険に加入している従業員を新たに雇用することになりました。
手続きは、どのように進めればよいでしょうか。
対象従業員の労働条件(勤務時間や給与額等)から、加入要件を満たしているか確認をします。
要件を満たしている場合は加入手続きが必要となりますが、雇用保険と社会保険で取り扱いが異なります。以下、順を追ってご説明します。
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雇用保険
複数の会社で同時に加入することはできません。
どちらの会社でも加入要件を満たす場合は、「主たる賃金を受ける会社」でのみ加入することになります。
入社時にもう一方の就業先の賃金状況を確認し、「主たる賃金を受ける会社」となる場合は、加入手続きを進めましょう。
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社会保険
どちらの会社でも加入要件を満たす場合は両方の会社で加入することになりますが、「二以上事業所勤務者」の扱いとなり、被保険者本人がいずれか一方の会社を「選択事業所」として、その会社の管轄の年金事務所および健康保険組合にて手続きを行います。
選択された会社の管轄にて資格情報が登録され、資格確認書の発行やマイナ保険証の利用が可能になります。なお、資格取得手続きは「選択事業所」「非選択事業所」にかかわらず、他の従業員と同様に行う必要があります。
雇用保険や社会保険は従業員が安心して働ける環境を整えるために欠かせない制度ですが、近年は働き方の柔軟化に伴い、雇用形態が多様化し、手続きも複雑になっています。特に、パートやアルバイトとして複数の会社で働く従業員をどの会社で雇用保険・社会保険に加入すべきかを判断するのは難しい問題です。人事担当者は、制度について正しく理解すると共に、従業員の他社での勤務状況や社会保険の加入情報を収集するなど、管理体制を整備することが望ましいでしょう。
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著者プロフィール
アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。
アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング(株)、アクタスITコンサルティング(株)と連携し、中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム構築支援の各サービスを提供しています。