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産休・育休の取得時にはどのような実務対応が必要ですか?

新しく人事担当者となり、産前産後休業・育児休業を取る社員が出ました。
各休業の制度は理解しましたが、給与計算や社会保険手続きなどの実務ではどのような対応が必要ですか?

産前産後休業や育児休業を取得しようとする社員にとって、休業中の収入面は大きな不安材料です。
手当金や給付金を適切に受給することができるよう、人事担当者は正しい給与計算処理と、社会保険手続きを漏れなく行うことが求められます。

給与計算で必要な処理と注意点

休業開始前後の月の給与では、次の3つのポイントに注意して計算を進めましょう。

  • 給与の日割り計算の方法はどのように計算するか。

    月の途中で休業が開始となる場合は日割り計算を行うことがあります。
    社内規定にて自社の取り扱いを確認しましょう。

  • 社会保険料の徴収を免除する月はいつからか。

    免除期間は、休業の開始月から終了日の翌日が属する月の前月までです。

  • 休業中の住民税の徴収方法はどうするか。

    休業中は給与の支払いがなく控除することができないため、休業開始前の給与から一括徴収、もしくは、普通徴収へ切り替えることが可能です。

社会保険手続き

以下の手続きを行うことで、休業中の経済的なサポートが受けられます。
長期にわたって各種手続きを漏れなく行う必要があるため、計画的に申請を行いましょう。

  • (1)
    産前産後休業取得者申出書(社会保険料の免除)
  • (2)
    出産育児一時金支給申請書(出産費用の補助)
  • (3)
    出産手当金支給申請書(産休中の収入補填)
  • (4)
    育児休業取得者申出書(社会保険料の免除)
  • (5)
    育児休業給付金支給申請書(育児休業中の収入補填)
  • (6)
    出生時育児休業給付金支給申請書(出生時育児休業中の収入補填)
  • (7)
    出生後休業支援給付金(両親共に育児休業を取得した場合の上乗せ給付)

2025年10月からは妊娠・出産の申し出があった社員に対し、個別に働き方に関する意向を聴取し、その意向に配慮することが義務化されます。人事担当者は、社員に分かりやすく説明することや適切に配慮できるよう、法改正を含めた出産・育児についての理解を深め、安心して利用してもらえるよう準備を進めましょう。

参考:

著者プロフィール

アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。
アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング(株)、アクタスITコンサルティング(株)と連携し、中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム構築支援の各サービスを提供しています。

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