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バックアップ先の選択について

バックアップの保存先を決める場合、導入時点の容量ではなく、運用後の増加を見越したサイジングがポイントになります。
またファイル数が多い場合には想定以上の時間と格納領域が必要になるケースがあります。
多少コストがかかっても余裕を持った設計を行う方が結果的に運用後のメリットが大きくなります。

同一筐体内蔵ハードディスクの活用

同じサーバー内の別ディスクにバックアップを行う方法です。

①同一筐体内蔵ハードディスクの活用

メリット

  • すぐに始められる。
  • 追加費用を抑えることができる。

デメリット

  • 筐体の障害に対して保護されない。
  • 遠隔地でのデータ保管ができない。
  • 世代管理を行う場合、大容量の内蔵ディスクを準備する必要がある。
  • 内蔵できるディスク容量に限界がある。

外部ハードディスク(USB HDDなど)の活用

USBなどで接続した外部ハードディスクにバックアップを行う方法です。

②外部ハードディスク(USB HDDなど)の活用

メリット

  • 追加費用を抑えることができる。
  • 筐体障害の影響を受けない

デメリット

  • 盗難のリスクがある。
  • コンピューターメーカーのサポートが受けられないケースがある。
  • 世代管理を行う場合、大容量の外部ディスクを準備する必要がある。

簡易サーバー(NAS)の活用

ネットワーク上のNAS(Network Attached Storage)にバックアップデータを保存する方法です。
少数のPCのバックアップに適しています。

③簡易サーバー(NAS)の活用

メリット

  • 追加費用を抑えることができる。
  • 導入がしやすい。
  • 複数のコンピューターをバックアップできる。

デメリット

  • 大容量のバックアップには不向き。
  • データ書き込み速度が遅いケースがある。
  • ネットワークに負荷がかかる。
  • 長期保存には不向きである。
  • 遠隔地でのデータ保管ができない。

クラウドサービスの活用

データセンターのクラウドサービスを利用したバックアップです。
少数のPCのバックアップに適しています。

④クラウドサービスの活用

メリット

  • 導入がしやすい。
  • 複数のコンピューターをバックアップできる。
  • 確実に遠隔地でデータ保管ができる。
  • コンピューター数の増減に合わせてサービスも追加・解約ができる。

デメリット

  • 大容量のバックアップには不向きである。
  • データ書き込み速度が遅い。
  • ネットーワークに負荷がかかる。

アプライアンスの活用

専用のアプライアンスを利用する形式です。バックアップ専用に設計されているため、導入~運用が簡単・確実に行えます。
またBarracuda Backupのような製品では、クラウドサービスへのバックアップや遠隔地に設置した同製品への連携も行うことができます。

メリット

  • 導入がしやすい。
  • 比較的安価である。
  • 運用負荷が軽減できる。
  • 製品によっては遠隔地バックアップも併用できる。

デメリット

  • ネットワークに負荷がかかる。
  • ハードの他への流用はできない。

テープドライブの活用

テープドライブはシンプルな構造ゆえに信頼性の高いバックアップシステムです。
単体テープでのバックアップの他、複数のテープを自動で交換記録できるテープライブラリやオートローダーを利用すれば大容量データのバックアップでも手間がかかりません。

⑤テープドライブの活用

メリット

  • 運用負荷が軽減できる。
  • 細かな設計、世代管理が可能である。
  • メディアの長期保存に向いている。
  • コンピューターメーカーのサポートを受けることができる。

デメリット

  • 比較的費用がかかる。
  • テープライブラリーやオートローダーの使用時は設置場所を確保する必要がある。

ユニファイド・ストレージの活用

iSCSI、CIFS、NFSなどさまざまなプロトコルに対応したストレージシステムをユニファイド・ストレージと呼びます。
物理サーバーを仮想技術で集約する際に複雑化しがちなバックアップシステムもユニファイドストレージを利用することで別の領域に複製する、あるいはまるごともう一つの筐体に複製することが比較的、安価に導入することができます。

⑥ユニファイド・ストレージの活用

メリット

  • 運用負荷が軽減できる。
  • 細かな設計、世代管理が可能である。
  • 書き込みスピードが速い。(復旧の時間も短縮できる)
  • コンピューターメーカーのサポートを受けることができる。

デメリット

  • 比較的費用がかかる。
  • 設置場所を確保する必要がある。

まとめ

バックアップ先は目的や環境によって適するシステムが異なります。
まずバックアップの目的を明確にし、理想に近い仕組みをご検討ください。
データは今後増加していく分量も想定します。データが増えて夜間バックアップのはずが始業時間を過ぎても処理が終わらないということがないようにしましょう。
また復旧作業時の手間や時間も考慮してください。

同一
筐体内
USB HDD NAS クラウド アプライアンス 単体
テープ
テープ
ライブラリ
専用
ストレージ
バックアップ速度 ×
大容量
長期保存 ×
遠隔地保管 × × ×
管理負荷
費用

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