防犯カメラの選び方を徹底解説!屋外や屋内設置の注意点もご紹介
施設や店舗などで見かけることの多い防犯カメラ。最近では家庭用に導入するケースも増えています。また防犯だけでなく遠隔監視の機能を生かし、コロナ禍での密回避のために活用されることも。ニーズの高まる防犯カメラですが、専門用語が多く選びにくいといった声も耳にします。そこで本記事では、防犯カメラの機能やスペックの見方、目的に合わせた防犯カメラの選び方について、くわしく解説します。
防犯カメラの抑止効果
街かどをはじめ、カフェやオフィスなど至るところで防犯カメラを目にします。防犯カメラに期待される効果は大きく分けてふたつ。「犯罪の記録」と「犯罪の抑止」です。警視庁では繁華街での防犯対策として、平成14年から街頭防犯カメラシステムを導入しています。発表資料によると、防犯カメラシステムの導入以降、犯罪認知件数(警察などによって犯罪の発生が確認できた件数。発生件数ともいう)は顕著に下がっています。
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警視庁発表資料のデータを元にキヤノンマーケティングジャパンにてグラフを作成
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、時短営業や休業をする店舗が増え、そうした休業店舗を狙った空き巣も問題となりました。
ネット通販などで安価に防犯カメラを購入できることから自治体や企業、店舗に限らず個人でも防犯カメラを設置するケースは増えつつあります。
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知っておくと役立つ防犯カメラ用語7選
防犯カメラの導入、設置を検討する際によく耳にするのが、カタログなどの見方がわからないという声。そこで知っておくと役に立つ、防犯カメラ用語を7つ解説します。
①画素数
画素数とは一言でいうとコンピューターの画面上に並んだ点(画素)の数のこと。解像度とも呼ばれます。聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?画素数は画面の横に並んだ画素の数と、縦に並んだ画素の数を掛け合わせることで計算できます。パソコンのディスプレイ設定では「1,920×1,080」や「1,280×720」といった数字で表現されるのですが、「1,920×1,080」を計算すると2,073,600となり、約200万画素だとわかります。
フルハイビジョン(FHD)は約200万画素、ハイビジョン(HD)は100万画素でこれらが現在のディスプレイの主流です。画素数が大きければ大きいほど理論的には精密な映像を撮影できますが、映像を出力するディスプレイ側の画素数も考慮しておかないと、高解像度を生かし切れず宝の持ち腐れとなってしまいますので注意が必要です。
②画角
画角とはカメラで一度に撮影できる範囲を指し、一般的に画角が大きいほどより広い範囲を映せます。画角には垂直と水平があり、カタログなどでは水平画角がよく使われます。ズーム機能があるカメラでは最大水平画角と記載されることも。たとえば水平画角が「62.6°~2.2°」となっていた場合、最大で62.6°の範囲を撮影できます。
画角が60°以上のレンズを広角レンズ、30°以下のレンズを望遠レンズと呼びます。最近では画角が100°超えの超広角レンズを搭載している機種も珍しくありません。
③F値
F値はカメラに入り込む光の量を調節する「絞り」の度合いのことです。F値のFは焦点を意味するfocalが由来です。このF値が小さいほど、絞りが大きく開き一度にたくさんの光を採り入れられます。光を多く採り入れられることで、照明が暗い場所でも鮮明な映像が撮影可能です。日光の影響を受けやすい屋外や、照明が暗い場所などを鮮明に撮影したい場合は、F値の小さい防犯カメラが適しているでしょう。
④IP66
IP○○とは防犯カメラの防塵性能と防水性能を表すJIS規格です。ふたつの数字で表現され、左側の数字を第1記号といい、0から6までの等級で防塵性能を示します。右側の数字は第2記号と呼び、0から8までの等級で防水性能を表します。防水性能の等級7と8は、水中での機能性を評価するものなので、防犯カメラの場合はIP66が最高等級です。
この項目が重要になるのは、駐車場や出入り口など屋外に設置するケースです。屋外に設置する防犯カメラは風雨にさらされますので、この数値が高いものを選びましょう。
⑤PTZ
PTZは防犯カメラの首振りや拡大縮小機能の有無を指します。PTZはPanoramac(パン)、Tilt(チルト)、Zoom(ズーム)の頭文字です。それぞれパンは水平方向、チルトは垂直方向の首振り、ズームは拡大縮小の機能です。防犯カメラのなかでもPTZ対応と記載されているものは、スマホやパソコンから遠隔でカメラの向きを操作し、撮影範囲を変更できます。PTZ対応防犯カメラには、360°旋回が可能な機種もあり、広い範囲を自在に撮影可能です。
⑥PoE
PoEはPower over Ethernetの略で、LANケーブルを経由した電源供給のことです。後述するネットワークカメラの特徴的な機能です。通常、防犯カメラの設置にはコンセントなどの電源が必要になります。PoE対応の場合はLANケーブルを通して電源が供給されるため、コンセントが不要です。電源の位置を気にする必要がないため、防犯カメラの設置場所を柔軟に選べ、配線もシンプルで場所を取りません。
⑦光学ズーム
カメラのズームには光学ズームとデジタルズームの2種類があります。カタログなどで見かけたこともあるかもしれません。デジタルズームでは映像の一部を切り取って拡大しているため、画質が粗くなります。光学ズームは映像を切り取るのではなく、レンズを動かすことで映像を拡大しているため、劣化はありません。
ズーム機能を比較する際には、倍率だけでなく光学かデジタルかも意識しておくとよいでしょう。ズームで遠くの被写体をきれいに撮影したい場合は、光学ズームの倍率も比較の材料になります。
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防犯カメラのタイプ
防犯カメラは複数のタイプがあります。近年人気を集めているのは、インターネットに接続可能なネットワークカメラでしょう。ここでは防犯カメラのタイプについて解説します。
注目を集めるネットワークカメラとは?
ネットワークカメラはインターネットに接続できるカメラです。テレビ会議などで使われるWebカメラと違い、ネットワークカメラはカメラ本体にコンピューターが内蔵されており、カメラ単体でインターネット接続が可能です。IPアドレスが個別に振られるため、IPカメラと呼ばれることもあります。大きな特徴はインターネットに接続できることで、遠隔地などカメラから離れた場所でも、スマホなどで映像を確認できます。
また先ほど述べたPoEをはじめ、従来のアナログ防犯カメラよりもケーブルが少ないため、配線が複雑にならず場所も取りません。店舗などの業務用から、家庭用まで幅広い用途で利用されています。
次に、ネットワークカメラをはじめとした、防犯カメラの代表的な3つのタイプについてご紹介します。
①ボックス型
ボックス型はドーム型よりも大きいことが多く、その存在感を活かした犯罪抑止効果が期待できます。犯罪を未然に防止する必要がある、金融機関やショッピングモール、駐車場などに設置されます。
IK09とは?
IK○○とは外部からの衝撃を加えられた際の耐久力で、IEC(国際電気標準化会議)によって規格化されています。0から10までの等級で示され、IK10は高さ40cmから落ちる5kgの衝撃にも耐えられる性能です。IK09は高さ20cmから落ちる5kgの衝撃にも耐えられることを表しています。
②ドーム型
ドーム型は天井や壁にとりつけられるため、他のカメラより目立ちにくいという特徴があります。威圧感が少ないためショップや飲食店などの屋内設置に向いています。
③その他
ドーム型、ボックス型以外にも機器に組み込むモジュラー型カメラや360度撮影可能な全方位カメラ、温度監視が可能なサーマルカメラなどがあります。
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防犯カメラの機能・スペック
防犯カメラの機能やスペックを比べる際、どのような点を意識すればよいでしょうか?5つの項目について解説します。
①基本スペック
防犯カメラの性能として重要なのは画質と耐久性です。すでにいくつか解説しているものもありますが、あらためて整理します。
(1)画質
防犯カメラの画質は画素数や画角、F値などによって決まります。画素数や画角は大きいほど、F値は小さいほどカメラの性能としてはよくなりますが、その分コストも高くなります。撮影する場所や目的にあわせて、必要とする性能を見極める必要があるでしょう。たとえばスマホで映像をチェックするのに、4Kクラスの解像度は必要ないですし、屋内など明るい場所を撮影するのにF値が低いカメラを選ぶ必要はないかもしれません。
また屋外に設置する防犯カメラは天候や時間など、日光の影響を必ず受けますので、それを低減させる機能がある機種を選ぶことで、一定の映像品質を確保できます。
(2)耐久性
②夜間撮影
駐車場や建設現場など、夜間の不審者侵入が想定される場合は、ナイトモードなど夜間撮影に適した防犯カメラを選ぶ必要があるでしょう。照明のない夜間でも撮影可能な防犯カメラには赤外線照射機能が搭載され、暗闇でも鮮明な映像を撮影できます。ちなみに赤外線照射の項目には照射距離が記載されていることもあるのですが、赤外線照射距離が長いほど、遠くの暗闇で被写体を撮影できます。
③遠隔監視
防犯カメラには、遠隔地からスマホなどでリアルタイムに映像を確認できるタイプもあります。とくに新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、複数の店舗や拠点の遠隔監視用にネットワークカメラを活用するケースは増加しています。ネットワークカメラを導入することで、現地に直接足を運ぶ必要がなく、密を避けられ、移動の時間や費用も抑えられるのです。専用ソフトやアプリを使えば、スマホからPTZ操作でカメラの遠隔操作も可能です。
④検知機能
防犯カメラにはさまざまな検知機能が搭載されています。たとえば動体検知機能は動くものを検知する機能。この機能を使えば、建物などへの不審者の侵入を検知し自動的にスマホに通知、スピーカーから警告を出すことも可能です。また防犯カメラにはマイク内蔵の機種もあり、不審な音声や悲鳴を検知できます。
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⑤ワイヤレス(Wi-Fi)
LANケーブルなどを必要とせず、Wi-Fiなどを使ってワイヤレスにインターネットへ接続できるネットワークカメラもあります。配線を必要としないため、設置がしやすくカメラの移動もしやすいというメリットがあり、家庭用として使われることも多い防犯カメラです。
ただしワイヤレス接続は通信速度の影響を受けやすい点に注意が必要です。十分な通信速度を確保できないと、映像にタイムラグが生じたり、映像が途絶えるなどのトラブルが起きる可能性もあります。24時間365日の稼働が必要な業務用防犯カメラの場合は、ワイヤレスタイプだと要件を満たせないケースの方が多いでしょう。
防犯カメラを比較する際の選び方
防犯カメラを比較検討する際に、押さえておくべきポイントについて解説します。目的や設置箇所によって見るべきポイントなどが異なりますので、参考にしてください。
①目的別
まずは防犯カメラを目的別に選ぶ際のポイントです。大きく業務用と家庭用のふたつに分けられます。
(1)業務用
最近は家庭用で防犯カメラを導入することも増えてはいるものの、主な用途は企業や店舗などの業務用です。
利用用途としては下記のようなものがあげられるでしょう。
- 店舗の万引き、内引き対策
- 商業施設や人の集まる場所での防犯
- 建設現場などの夜間侵入対策
- 工場などでの作業管理、機器監視
- 福祉施設などでの遠隔見守り
防犯カメラの映像には証拠機能も求められます。そのため暗所においても一定の映像品質が必要になります。また業務用として防犯カメラを導入する際は、1台ではなく複数台導入することが一般的です。複数のネットワークカメラを効率よく一元管理できるソリューションやシステムなども提供されており、防犯カメラの性能はもちろんですが、ソリューションとしての評価も重要になるでしょう。
防犯カメラを導入する際には、NVR(ネットワーク・ビデオ・レコーダー)という専用の録画機器が必要になることもありますが、クラウドサービスを活用すれば機器購入などの導入費用を抑えられます。
(2)家庭用
家庭用の防犯カメラには下記のような用途があります。
- 玄関などへの設置による空き巣対策
- 乳幼児や高齢者の見守り
- 外出時のペットなどの見守り
家庭用防犯カメラには数千円台で購入できる低価格な商品も市販されており、ワイヤレスタイプなら配線が不要で設置も比較的簡単です。ただし屋外へ防犯カメラを設置する際は、専門業者に依頼した方が安全です。個人で取り付けることもできますが、設置したもののカメラ位置がよくなかった、配線がむき出しで見栄えが悪くなってしまったといったトラブルも。また安いワイヤレス防犯カメラは接続不良などのトラブルが起きることもあるので注意が必要です。
②設置箇所別
続いて設置箇所別の防犯カメラの選び方について解説します。大きく分けて屋外と屋内のふたつです。
(1)屋内
屋内や室内に設置する場合は、スペースも限られているためボックス型よりもコンパクトなドーム型や小型などが適しているでしょう。またカフェやクリニックなど来客者に余計な威圧感を与えたくない場合も、同様にドーム型または小型が向いています。画角が広い機種や、PTZの可動領域が広いタイプなら、少ない台数でも撮影場所をくまなく監視できます。見守り用途で利用する場合は、音声も記録できるマイク内蔵型や、夜間撮影も可能なモデルがオススメ。
(2)屋外
屋外に設置する場合はIK10やIP66などの耐久性が重要になります。また西日など日光の影響も受けやすいため、逆光補正機能があるタイプをオススメします。雨天に備えハウジングと呼ばれる専用カバーを装着したり、レンズ部分に防水コーティングを施す場合も。屋外に設置する場合は、耐久性や犯罪抑止効果を重視し、頑丈で目立ちやすいボックス型の防犯カメラを選ぶことが多いようです。
③録画データの保存方法
録画データの保存方法はふたつです。最近は初期費用などがかからないクラウド型も増えています。
(1)記録媒体に保存する
一般的に、防犯カメラの録画データはHDDをはじめとした記録媒体に保存されます。NVRと呼ばれる専用装置に保存することもあります。SDカードなどに保存するタイプの防犯カメラもありますが、HDDに比べると容量は限られます。防犯カメラの映像を記録する際にどれぐらいのHDD容量が必要になるかは、映像のクオリティなどによっても変わるためいちがいにいえませんが、100万画素(HD)の映像を30日分保存するには、2TB以上の容量がひとつの目安となります。
(2)クラウドに保存する
最近は防犯カメラの映像をクラウドに保存するサービスも提供されています。クラウドサービスを利用するメリットは、HDDの容量や機器の増設などの手間を意識する必要がないことです。録画機器などの導入費用を抑えられる点もメリットです。またクラウド上に映像があることで、外出先からでも録画映像をチェックできます。ただし多くのクラウドサービスは月額制となっており、一定のランニングコストが発生します。
④価格や設置費用
防犯カメラの価格や設置費用も気になるところです。防犯カメラを自分で購入し、設置する場合には機器にかかる費用のみで済みます。防犯カメラの価格にはかなりの幅があり、数万円から数十万円が一般的です。家庭用の防犯カメラには数千円台で販売されているものもあります。
設置を専門業者に依頼する場合には、工事費用などが必要です。これも条件によって変わりますが、相場としては数十万円程度です。実際にはカメラの台数や設置場所などによっても料金は異なりますので、詳細な見積もりの取得をオススメします。
キヤノンがおすすめする2つのネットワークカメラ(クラウド型防犯カメラ)
キヤノンがおすすめする2つのネットワークカメラ(クラウド型防犯カメラ)の機能や特長、価格を紹介している資料です。「カメラの導入規模」や「新規導入か既存カメラの再活用・リプレイス」といった観点でおすすめカメラをご紹介。
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防犯カメラの導入効果、口コミ
実際に防犯カメラを導入した企業の声をご紹介します。
①コンパクトで目立たないながらも圧倒的なレンズ力│仙台ターミナルビル株式会社さま
導入した防犯カメラ:キヤノン ネットワークカメラVB-S30D Mk II
「コンパクトで目立たないのが気に入っています。防犯目的とはいえいかにも見張っていますというのは、お客さまに威圧感を与えるためよくないというのが社内の共通意見でした。暗いところにも強く画像が鮮明で、ズームが効くため、施設内の防犯効果を高められました。」
②カメラの品質や施工、サポートの面でも信頼│株式会社アンテリオさま
導入した防犯カメラ:キヤノン ネットワークカメラVB-S805D Mk II
「レンズの性能やサイズ、コストパフォーマンスはもちろん、手厚いサポートも高く評価しています。カメラの設置位置と画角を決める際、モバイルバッテリーを担いで実機とPoE接続し、タブレット画面で次々と撮影映像をチェックしていく、カメラのプロフェッショナルとしての仕事ぶりに感銘を受けました。依頼してよかったです。」
ダミーカメラを設置する際の注意点
防犯カメラの導入を検討する際、コストを抑えるためにダミーカメラ(偽物の防犯カメラ)を設置するケースもありますが、安価なダミーカメラはその見た目で犯罪者に見破られることもあるので、注意しましょう。屋外に設置しているにもかかわらず、配線がないといったところも見破られやすいポイントです。ダミーカメラを導入する際は、見た目などで見破られないよう配慮することはもちろんですが、見破られるリスクがあるという前提に立って、その効果を過信しないようにしましょう。
まとめ
防犯カメラを設置することで犯罪の記録や、抑止の効果が期待できます。それだけでなく最近では遠隔監視機能を活用し、複数拠点の一元管理や新型コロナウイルスの感染対策の一環として導入されるなど、利用シーンは広がっています。多彩な機能を搭載する防犯カメラですが、目的にあわせて適切なものを選ぶことが何より重要になるでしょう。
キヤノンマーケティングジャパンではカメラメーカーとして長年培った確かな技術と実績で、お客さまにあった最適な防犯カメラソリューションをご提案しています。防犯カメラの導入をご検討の際には、ぜひご相談ください。
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