防犯カメラを設置する際のポイントや注意点を解説! 費用や補助金も
ボックス型やドーム型、ネットワークカメラなど防犯カメラにはさまざまなタイプがあります。また最近ではワイヤレスで接続できる安価なモデルも市販されており、業務用にとどまらず家庭用として導入、設置することも増えています。幅広い用途で活用できる防犯カメラですが、設置場所や設置方法などで迷うことも。そこで本記事では、防犯カメラの効果的な設置場所や、設置費用、設置に関する注意点などについて解説します。
防犯カメラを設置する際に迷うポイント
店舗やオフィス、または自宅に防犯カメラを設置する際、迷うポイントは「選び方」「設置場所」「設置方法や費用」の3つに分けられます。
①防犯カメラの選び方
防犯カメラを設置する際にまず突き当たる壁が、カメラ選びです。防犯カメラには形状や機能、スペックなどさまざまなタイプが存在し、またカタログには画角やF値といった専門用語が並ぶため、初心者にとっては選びにくいもの。
設置目的や場所に適した防犯カメラを選ばないとオーバースペックになったり、反対に機能不足になったりというトラブルも起こり、十分な防犯効果が得られないので注意が必要です。防犯カメラの選び方については、下記でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
②防犯カメラの設置場所
次なる壁は防犯カメラの設置場所です。屋外用の防犯カメラを購入したものの、屋外のどこに設置すればより効果的なのか、という点に悩む人も少なくありません。一戸建てなら玄関、小売店舗ならレジまわりなど、防犯に効果的な場所はそれぞれ異なります。防犯カメラを設置する際には屋内や屋外という分け方だけでなく、そのなかでどこに設置するかを見極める必要があります。
③防犯カメラの設置方法や費用
防犯カメラを設置する方法や設置業者に依頼する際の費用についても、はじめての場合は難しいものでしょう。最近は個人で簡単に設置できる防犯カメラも増えていますが、玄関やベランダなど屋外に設置する場合は配線工事などが必要になり、一定の技術も必要ですし配線などの資材費用がかかります。
自分で取り付けたもののカメラ位置がおかしくなってしまった、配線トラブルが生じた、など失敗するケースもありますので、専門業者への依頼も含めて慎重に検討する方が得策でしょう。
防犯・監視カメラの設置レイアウト図の見本とエクセルフォーマット
防犯カメラの設置レイアウトを作成するエクセルフォーマット(介護施設・幼稚園・保育園・工場・学習塾の見本付き)をダウンロードできます。どこにどのように設置すればよいのか?を検討する際にご活用ください。
その他の防犯カメラ検討用資料
ここが効果的!ケース別の防犯カメラ設置場所
防犯カメラに適した場所にはどのようなものがあるでしょうか?戸建て住宅やコンビニなどケース別に効果的な場所をご紹介します。
①戸建て住宅やマンション
戸建て住宅やマンションへ防犯カメラを導入する際に効果的なのは下記の4つです。
(1)玄関
防犯カメラを設置する際、戸建て住宅の場合は玄関、マンションの場合はエントランスなど人の出入りがある場所は押さえておくべきポイントです。目立つように設置することで、空き巣の抑制にもつながります。玄関やマンションのエントランスに防犯カメラを設置する場合は、簡単に手が届かないよう3メートル前後の高さに設置するのが一般的です。
(2)ベランダや勝手口
戸建て住宅の場合、勝手口や2階のベランダも進入口になる可能性が高いため、防犯カメラを設置することが多い場所です。裏口や勝手口は人目につきにくいため、狙われやすい場所です。防犯カメラを設置する場合は、不審者の顔がしっかり撮影できるよう、高さや角度にも配慮する必要があります。
(3)マンションのポスト投函口
マンションの場合は、人が出入りする場所だけでなくポストの投函口も効果的です。不必要なチラシの投函やポストいたずら、郵便物の盗難などの犯罪を抑制し、不審者を記録できます。防犯カメラの設置を看板などで目立つように告知するのも効果的です。
(4)マンションのごみ収集場所
マンションのごみ収集場所が敷地内にある場合は、防犯カメラを設置することで、決められた曜日に正しく分別廃棄されているかなどをチェックできます。映像が記録されることで、トラブルが起きた場合の原因追及にも生かせます。
②小売店舗、コンビニ
小売店舗やコンビニで多いのは万引きや内引きなどの防犯です。ポイントを押さえて防犯カメラを設置することで、犯罪を抑制できます。
(1)レジまわり
レジ付近に防犯カメラを設置することで、万引きや内引きを抑制できます。小売店やコンビニなどはレジを締めた際に金額が合わないことも多いのですが、映像として残しておけば後でチェックが可能です。客とのトラブルが発生した場合も、事実確認や原因究明に使えます。店員の接客状況をモニタリングすることで、接客品質の向上にも役立てられます。
(2)バックヤード
店舗内だけでなく、裏側のバックヤードにも防犯カメラを設置します。不審者の侵入はもちろん、スタッフによる内引きの予防や監視ができます。また商品棚を映すことで、在庫状況をシステム側の数字だけでなく、目で見ながらチェックが可能です。
(3)出入り口
人の行き来が多い出入り口に防犯カメラを設置することで、来店者の顔や背格好などをしっかりと撮影できます。万引きなどの被害にあった場合には、証拠として活用できるでしょう。出入り口は人目につきやすく、犯罪の抑止効果が期待できるので、大きさや形などなるべく存在感のある防犯カメラをオススメします。
(4)駐車場
店舗の駐車場も防犯カメラを設置するポイントです。違法駐車や長時間駐車を防げるからです。また郊外型の大型店舗などに多いのですが、駐車場の見えにくい場所にごみを不法投棄するケースもあります。防犯カメラと看板を設置することで、ごみの不法投棄を抑制できます。
③工場、倉庫
工場や倉庫に防犯カメラを設置することによって、防犯はもちろん作業員や来場者の安全の確保にもつなげられます。
(1)入出荷エリア
工場や倉庫、配送センターなどでは、入出荷エリアへの防犯カメラの設置は必須といえます。入出荷エリアは運送業者など不特定多数の人間が出入りするため、トラブルが起きがちです。夜間の侵入も十分考えられるため、夜間撮影機能がある防犯カメラを選ぶとよいでしょう。最近は新型コロナウイルス感染症対策の一環として、体温の検知ができる防犯カメラを設置するケースもあります。
(2)立ち入り禁止エリア
工場施設内の立ち入り禁止エリアに防犯カメラを設置するのも重要です。工場などには危険な機材や薬品が置かれているといった理由で、関係者以外が立ち入るべきでない場所もあります。もしも危険区域や立ち入り禁止区域に人が入った場合、重大な事故につながる可能性もあります。防犯カメラで立ち入りを検知、アラートを発するといった仕組みを構築すれば、このような事故も未然に防ぐことが可能です。
(3)重要な設備機器まわり
電気設備や精密機器など、施設において重要な設備機器のまわりに防犯カメラを設置すれば、機器のトラブルにまつわる事故などを未然に防ぐことも可能です。工場の設備は一般的に制御装置でシステム監視されていますが、すべての異常が検知できるとは限りません。不審者の侵入や機器の不自然な温度上昇など、防犯カメラの検知機能と併用することで、より監視体制を万全にできます。
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防犯カメラの設置方法
防犯カメラの設置方法は、設置業者に依頼する方法と自分で設置する方法のふたつ。それぞれメリットとデメリットを紹介します。
①設置業者に依頼する
防犯カメラを設置する方法としてスタンダードなのは設置業者に依頼することです。最近はインターネットなどから簡単に見積もり依頼もできます。
(1)メリット
設置業者は防犯カメラの専門家です。壁面や天井など個人では設置が難しい場所への防犯カメラ設置も適切に行えます。防犯カメラを設置する壁面や天井の材質、状態によって必要となる資材は異なりますし、設置する高さやカメラの確度によって、撮影範囲は大きく変わります。設置業者に依頼すれば、目的に合わせて適切な設置場所、設置方法を教えてくれるので、防犯効果を高められるでしょう。
(2)デメリット
設置業者に依頼する際のデメリットとしては設置費用が発生する点です。一般的には数十万円程度かかります。また工事の日程調整が必要なので、いつでもすぐに取り付けられるわけではありません。設置業者によってサービス内容やアフターフォローなどの対応に違いがありますので、慎重に選ぶ必要もあるでしょう。
②個人で設置する
最近は室内に簡単に設置できる、工事不要な防犯カメラも多く市販されています。簡単に設置できる反面、注意点もあります。
(1)メリット
個人で設置するメリットは防犯カメラさえあればすぐに設置でき、とくに設置費用もかからない点です。価格も数千円から数万円程度で、配線工事が不要なワイヤレス防犯カメラも販売されています。屋内でペットなどの見守り用として防犯カメラを導入する際には、個人向けの防犯カメラを購入し、自分で設置するというケースも珍しくありません。
(2)デメリット
個人で設置する際、屋外など配線工事が必要になる場合には、対応しきれないこともあります。屋外の設置には専門知識が必要で、設置方法や設置する角度を見誤ってしまうと、十分な防犯効果が得られないといったことも。犯罪を防ぐ、監視するという目的で屋外に防犯カメラを設置するなら、プロに設置を依頼した方がよいでしょう。メーカーや設置業者によって、修理やサポートなどの保証範囲が異なるので、事前に確認しておくことをオススメします。
個人でも設置しやすい防犯カメラ
まずは防犯カメラを目的別に選ぶ際のポイントです。大きく業務用と家庭用のふたつに分けられます。
①ワイヤレスカメラ
最近、Wi-Fiなどに接続することで、ワイヤレスにインターネット接続可能なネットワークカメラが人気を集めています。ワイヤレスかつバッテリーで駆動するタイプもあるので、電源と配線が不要、簡単に導入できるというメリットがあります。ネット通販で購入できる商品には低価格なものもあり、数千円から数万円で購入が可能です。
(1)ワイヤレスカメラの注意点
ワイヤレスカメラは導入も簡単ですが、ワイヤレスならではの注意点があります。Wi-Fiは通信速度の影響を受けやすいため、速度が十分確保できないと映像が見られなくなったり、接続できなくなったりとトラブルの原因になる可能性があります。
またWi-Fiの電波を妨害する装置というものも市販されているため、悪用されると防犯カメラの映像が遮断されてしまうことも。屋外にワイヤレス防犯カメラを設置する際には、こうしたデメリットも踏まえ、慎重に選ぶ必要があるでしょう。
②トレイルカメラ
ワイヤレスカメラのほかに、トレイルカメラという種類のカメラも、家庭での防犯用として人気の高いカメラです。トレイルカメラは自動撮影カメラ、センサーカメラ、野生動物カメラなどと呼ばれもともとは自然環境で、野生動物を撮影するためのカメラです。
電池で稼働しSDカードなどに映像を記録するため、配線が不要でカメラさえあれば比較的容易に導入できます。ソーラー充電できるタイプもあるので、機種や設置場所によっては数ヶ月間という長期にわたって連続稼働が可能です。
(1)トレイルカメラの注意点
トレイルカメラは一般的に人感センサーが反応したときのみ撮影を行います。常時撮影ではありません。また電源はあくまで電池です。人の出入りが激しい場所など頻繁に撮影が生じる場所だと、すぐに電池が切れてしまいます。最近の機種では、電池残量をスマホでチェックできるものもありますが、電池の残量確認や交換の手間がかかります。
トレイルカメラは人の出入りが少ない場所には適していますが、それ以外の場所で防犯カメラとして使うのには不向きといえるでしょう。
防犯・監視カメラの設置レイアウト図の見本とエクセルフォーマット
防犯カメラの設置レイアウトを作成するエクセルフォーマット(介護施設・幼稚園・保育園・工場・学習塾の見本付き)をダウンロードできます。どこにどのように設置すればよいのか?を検討する際にご活用ください。
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防犯カメラを導入する際の費用
防犯カメラを導入するには当然ながら費用がかかります。個人で設置する場合も、カメラやHDDなどの機器が必要です。ここでは防犯カメラ設置にかかる費用について解説します。
①導入にかかる費用
防犯カメラを導入する際にかかる費用の内訳は、主に下記の6つです。自分で設置する場合、工事費用は不要で、機器にかかる費用のみとなります。
- 防犯カメラ本体
- NVR(ネットワークビデオレコーダー)やHDD
- 録画、監視用ソフト
- モニター、ディスプレイ
- 設置工事費用
- 保守費用
防犯カメラの設置台数によって大きく変わりますが、一般的に工事費用込みで数十万円からと考えておくとよいでしょう。また複数店舗や拠点のカメラ映像を一元管理する際には専用のソフトが必要になります。
②初期費用を抑えられるクラウドサービス
最近は初期費用を抑えられるクラウドサービスも人気です。クラウドサービスは防犯カメラの映像をHDDやNVRではなく、クラウド上に保存するサービス。録画機器を購入したり、メンテナンスしたりする必要がなく、工事費用も最小限に抑えられます。月額利用料も数千円台から提供されているため、小売店や多店舗展開をする事業所などで活用するケースが増えています。
防犯カメラの設置時に活用できる補助金や助成金
防犯カメラの設置に付随する諸費用を、自治体などが一部負担する補助金制度もあります。基本的に対象となるのはその地域にある団体(商店街など)ですが、個人を対象としている制度もあります。
東京都の「防犯設備の整備に対する区市町村補助事業」は商店街などの防犯カメラの設置に対して、最大300万円が補助される制度です。また荒川区では区に住民登録があり居住している人なら、防犯カメラを新設する際に限度額2万円まで補助されます。自治体によって制度が異なりますので、詳しくはご自身がお住まいの自治体のウェブサイトなどを参考にしてください。
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防犯カメラとプライバシー
防犯カメラを設置する際にはプライバシーに配慮する必要があります。この章では防犯カメラとプライバシーについて解説します。
①プライバシーへの配慮
防犯カメラは自治体や企業、個人も設置できますが設置にあたっては個人情報へ配慮する必要があります。防犯カメラの映像は個人情報に該当するため設置を明示する、目的以外の用途に利用しない、録画データの保存をはじめとした防犯カメラシステムの管理責任者を置く、といった対処が必要です。
また撮影場所や角度によっては周囲の民家などが撮影範囲に入り込む可能性があります。設置する場所には十分注意しましょう。多くの自治体では、防犯カメラ設置に関するガイドラインを設けていますので、設置する場合には目を通しておきましょう。
②プライバシーマスク機能を有効活用する
プライバシーへの配慮から、映像内の一部にマスクをかけられる「プライバシーマスク機能」を搭載している防犯カメラもあります。隣家の室内をマスクする、暗証番号の入力場所をマスクするなど、防犯カメラにプライバシー機能があれば、不用意なプライバシー侵害を避けられるでしょう。
近年、ネットワークカメラをはじめとした防犯カメラの映像を、サービス品質向上やマーケティングに活用するケースも増えています。そのような場合にもプライバシーマスク機能があるサービスなら安心です。
まとめ
防犯カメラを設置する際には、目的にあったカメラを効果的なポイントに設置することで、より高い防犯効果が期待できます。ワイヤレスで簡単に導入できる防犯カメラも増えていますが、適材適所で選ぶとよいでしょう。
キヤノンマーケティングジャパンは、長年培ったノウハウと最新のテクノロジーで、お客さまのニーズにあったご提案を行っております。防犯カメラの導入や活用を検討の際には、ぜひご相談ください。
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