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防犯カメラの映像を見る方法とは? 開示請求時の対応や保存期間、録画方法も解説

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イメージ:防犯カメラの映像を見る方法とは? 開示請求時の対応や保存期間、録画方法も解説

犯罪の抑制やトラブル時のスムーズな原因究明など、施設や店舗の運営に役立つ防犯カメラ。そんな防犯カメラを導入したあとに悩むのが、録画した映像の取り扱いではないでしょうか?そこで本記事では、防犯カメラの映像を見る方法や録画データの保存期間、開示請求時の対応などについてくわしく解説します。



防犯カメラの映像を見る方法

イメージ:防犯カメラの映像を見る方法

防犯カメラの映像を見る方法はいくつかあります。最近ではインターネットを使い、スマートフォン(以下、スマホ)で防犯カメラの映像をリアルタイムに見られるようになりました。では防犯カメラの映像を見るために、具体的にどのような機器が必要で、何をすればいいのでしょうか?3つの方法を解説します。

ネットワークカメラは配線や録画、電源の取り方にも特徴があります。それぞれご紹介します。

①記録装置とパソコンを接続して見る

まず「NAS(ネットワークアタッチトストレージ)」や「HDD(ハードディスクドライブ)」など、防犯カメラ映像の記録装置にパソコンを接続して見る方法です。記録装置とパソコンを直接接続するため、インターネット回線の影響を受けませんが、映像を見るためには、記録装置のある場所に足を運ぶ必要があります。

②SDカードなどの記録メディアを接続して見る

防犯カメラには、SDカードなどの記録メディアへ映像を保存できるものもあります。この場合、パソコンなどを記録メディアに接続し映像を確認するため、ネットワークなどの配線は必要ありません。映像を見るために、防犯カメラから記録メディアを出し入れする手間はかかります。

③インターネット経由でスマホ・パソコンからリアルタイムで見る

最近増えてきたのが、インターネットに接続できる防犯カメラ「ネットワークカメラ」を使い、オンラインで映像を見る方法です。インターネットなどを経由しNVR(ネットワークビデオレコーダー)などに接続することで、カメラの映像を確認できます。

遠隔地からでもリアルタイムに防犯カメラの映像を確認できますが、インターネットの回線速度が遅いと視聴できないこともあります。専用のアプリを使うと、登録している複数の防犯カメラの映像を一度に確認できたり、映像の一部を画像として切り出せたり、さらに利便性が高まります。

スマホそのものを防犯カメラにする方法も

防犯カメラを購入するのではなく、スマホそのものを防犯カメラにする方法もあります。専用のアプリを導入することで、古くなったスマホを防犯カメラとして再利用できるのです。防犯カメラとして使うスマホをインターネットに接続することで、アプリを経由して手持ちのスマホやパソコンなどで映像をチェックできます。

ただし、録画機能がついていないアプリも多く、バッテリーの消耗も激しいため、365日24時間の稼働を前提とした業務用には向いていません。防犯用に映像を記録しておきたいなら、ネットワークカメラのほうが適しているでしょう。

防犯カメラのサンプル映像

スマホやパソコンからリアルタイムに映像を確認できるネットワークカメラは、映像品質が高いものや機能が豊富なものなど、多種多様な商品が提供されています。では、実際にどのような映像が見られるのでしょうか?キヤノンのネットワークカメラ「VB-S30VE」のサンプル映像をご紹介します。

最近の防犯カメラには、マイクが内蔵されているものもあります。マイクが内蔵されていることで会話まで記録でき、接客時などにトラブルがあったときの原因究明をスムーズに行うことが可能です。

キヤノンのネットワークカメラ「VB-S30VE」は、スマホなどの小型機器などに使われる「エレクトレットコンデンサマイク」が内蔵されているのが特徴です。

サンプル映像には「ちょっとすみません。さっきラテひとつ買ったんだけど、クリームとミルクが全然入っていないんですけど、何か間違っているんじゃないんですか?」という来店者の声が鮮明に入っています。

また、来店者の購入した商品や受け取った金銭など、細かいところまで映像に残しておきたいなら、ズームレンズが搭載された防犯カメラを選んでおくと安心です。

「VB-S30VE」には、キヤノン純正の高性能ズームレンズが搭載されています。夜間などの低照度環境下にも対応しており、撮影場所の明るさを問わず、さまざまな場面で利用できるのが特徴です。

ズームしたときのフォーカスのズレも少なく、画像も荒くならないため、「バッグのなかを指先で漁る不審な動き」などの細かな異変にも気付きやすいネットワークカメラです。

サンプルの防犯カメラ映像には、来店者がレジで差し出した商品と金銭が、ひと目見て判断できるほどくっきりと映っています。

防犯カメラ映像の開示請求について

防犯カメラ映像の開示請求について

店舗などで防犯カメラを設置していると、「カメラに映った映像を確認したい」と映像の開示を求められることがあります。そういった場合、防犯カメラの設置側は映像を提供するべきなのでしょうか?

防犯カメラ映像の開示請求について、設置者が知っておくべきことを解説します。

①防犯カメラと個人情報保護法

防犯カメラを設置する際は、「個人情報保護法」を押さえておかなければなりません。なぜなら、防犯カメラの記録映像は個人を特定しうるものであり、映像は個人情報に該当するからです。

法律に準ずる形で防犯カメラを設置するために、「防犯カメラ設置の明示」や「目的以外での利用をしない」といった対応を検討する必要があります。

たとえば、防犯を目的として設置される「街頭防犯カメラシステム」において、警視庁では以下のように運用方針を定めています。

以下、引用

厳格な運用

街頭防犯カメラシステムは、東京都公安委員会規程及び街頭防犯カメラシステム運用要綱に基づき、次のような厳格な運用をしています。

  • 運用責任者の管理の下、国民の権利を不当に侵害しないよう慎重を期しています。
  • 街頭防犯カメラの設置区域であることを表示板により明示しています。
  • 映像データの活用状況を東京都公安委員会に報告しています。

防犯カメラの映像をどう扱うべきか悩んでいるなら、各自治体の運用方針などを参考にしてみるのもよいでしょう。

②開示請求があった場合の対応方法

防犯カメラの映像の開示請求があったときの対応については、誰から請求を受けているかで異なります。

(1)防犯カメラに映っている本人からの開示請求

前述のとおり、防犯カメラの映像は個人情報に該当します。そのため、防犯カメラに映り込んでいる本人から情報の開示請求があった際は、適切に対応しなければなりません。個人情報保護委員会のQ&A集によると、下記のように記載されています。

以下、引用

Q9-13
顔識別機能付きカメラシステム等に顔特徴データ等を登録して保有個人データとした場合には、個人情報保護法に基づきどのように開示請求、内容の訂正、利用停止の請求等に対応する必要がありますか。
A9-13

顔識別機能付きカメラシステム等に登録された顔特徴データ等が保有個人データに該当する場合、法令に基づき開示請求等に適切に対応しなければなりません。すなわち、開示請求がなされた場合には、保有個人データの開示義務の例外事由に該当しない限り、開示請求に適切に対応しなければなりません。また、訂正等請求や利用停止等の請求が行われた際にも、法令に基づき適切に対応しなければなりません。
(平成30年12月追加・令和5年5月更新)

映像に映っている本人からの開示請求に対しては、きちんと対応しなければなりませんが、求められる映像を片っ端から開示するのは避けたほうがいいでしょう。防犯カメラの映像には該当する本人以外も映り込んでいる場合が多く、他者のプライバシーを侵害する恐れがあるからです。

防犯カメラに映っている本人からの開示請求があった場合、シーンを特定するなど他者のプライバシーに配慮し、録画データは提供しないようにしましょう。

(2)警察関係者など第三者からの開示請求

映像に映っている本人以外の、第三者からの開示請求については、原則的に応じる義務はありません。ただし、警察・消防や、災害時などの人命に関わる開示請求は、協力に応じることが望ましいでしょう。

防犯カメラの映像の開示については、各自治体でガイドラインを定めているケースもあります。栃木県下野市では「防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」として、下記のように定めています。

以下、引用

県民のプライバシー保護のため、画像を第三者へ閲覧させ、または提供することを禁止します。ただし、次の場合は提供できるものとします。

  • 法令に基づく場合
    裁判所が発する令状に基づく場合や、捜査機関からの照会(刑事訴訟法第)
    弁護士会からの照会(弁護士法第)
  • 人の生命、身体または財産に対する差し迫った危険があり、緊急の必要性がある場合
    行方不明者の安否確認や、災害発生時に被害状況を情報提供する場合など
  • 捜査機関等から犯罪・事故の捜査等のため情報提供を求められた場合
    警察の任意捜査への協力や消防署の火災原因調査など
    画像を第三者へ閲覧、または提供する場合は、提供の必要性を十分検討する必要があります。その際、要請者から身分証明書等の提出を求めるなど、身元確認を行います。
    また、画像を提供した時は、提供日時、提供先、提供理由、画像の内容等を記録しておきます。

防犯カメラの映像はどの程度の期間保存できる?保管は?

防犯カメラのデータは、無限に保存しておけるわけではありません。カメラの設定や用途などによっても保存できる期間や保存すべき期間は変わります。

①フレームレートと画素数

防犯カメラの録画データを保存できる期間は、HDDの容量や映像の品質、データ量によって変わります。防犯カメラの映像のデータ量を決める要素は、大きく分けて「フレームレート」と「画素数」のふたつ。

(1)フレームレート

フレームレートとは1秒間の映像のコマ数で、「fps」や「ips」と表記されます。フレームレート(コマ数)が大きくなるほど、データ量も大きくなり、録画データを保存できる期間が短くなります。

(2)画素数

画素数とは、ディスプレイに映る画像や映像のなかにある、点の数のことです。画像や映像は、拡大してみると小さな点が規則正しく並んで構成されています。縦と横に並ぶ点の数が増えるほど、画素数が多くなってデータ量も大きくなり、録画データを保存できる期間が短くなるのです。

ちなみに、スマホやパソコンのディスプレイに多いのは、「HD」や「FHD」と呼ばれる高画質なもの。HDは1280×768の約100万画素で、FHDは1920×1080の約200万画素です。保存期間は短くなりますが、画素数が多い防犯カメラを選べば、鮮明な映像を記録できます。

②HDDなどで記録できる時間

HDDの容量と映像の品質によって、録画データを記録できる時間が変わります。HDDの容量別、映像品質別の記録可能時間は、およそ下記のとおりです。

  • カメラ1台、音声有り

映像品質 保存期間 HDD容量
200万画素(HD)/30ips 約14日間 1TB
200万画素(HD)/30ips 約45日間 2TB
200万画素(HD)/30ips 約90日間 3TB
100万画素(HD)/30ips 約14日間 1TB
100万画素(HD)/30ips 約45日間 1TB
100万画素(HD)/30ips 約90日間 2TB
200万画素(HD)/15ips 約14日間 1TB
200万画素(HD)/15ips 約45日間 1TB
200万画素(HD)/15ips 約90日間 2TB
100万画素(HD)/15ips 約14日間 1TB
100万画素(HD)/15ips 約45日間 1TB
100万画素(HD)/15ips 約90日間 1TB

③防犯カメラ映像の保管期間

防犯カメラの主な役割は、犯罪の抑制と記録です。犯罪が起こったときに証拠として利用するため、録画データを一定期間保存しておくことが望ましいでしょう。

映像を保管する期間について、公的機関が定める明確な規則はありません。個人の判断によって異なりますが、業務形態別の保存期間の目安は以下のとおりです。

自宅
1週間程度
コンビニ
1週間~1カ月程度
銀行ATM
1カ月~3カ月
金融機関
1カ月~1年間

金融機関などは金銭を扱うという業務の特性上さまざまなリスクを考慮して長く設定されています。

また、防犯カメラは犯罪の抑制や記録だけではなく、工場の生産性アップや作業現場のモニタリングなどで利用されるケースもあります。あとで振り返って改善点を洗い出すなど、業務上映像を長期間保管する必要がある場合は、SDカードなどの別の記録メディアにバックアップやアーカイブを残しておきましょう。

④自治体でガイドラインがある場合も

前述のとおり、防犯カメラの映像を保存する期間について、国が定める明確な規則はありません。ただ、独自にガイドラインを定めている自治体があります。たとえば、先ほども例に挙げた栃木県下野市の場合、「防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」で下記のように定めています。

以下、引用

(3)画像の保存期間は、設置目的を達成する範囲で、必要最小限度の期間(目安として概ね1ヶ月)とすること。ただし、犯罪・事故の捜査等のため特に必要と認められるときは、保存期間を延長することができるものとする。

個人情報でもある防犯カメラの映像は、プライバシーに配慮して慎重に取り扱わなければなりません。関係者以外の人の手が届かないところで保管するなど、保管場所にも注意しましょう。

⑤映像のバックアップ方法

防犯カメラ映像のバックアップについて、SDカードやNASの場合とクラウドに保存している場合、それぞれ解説します。

(1)SDカードやNASの場合

防犯カメラの映像をSDカードやNASに保存している場合は、録画データを直接バックアップできます。SDカードの場合は、カードリーダーを使ってパソコンとつなぐことで、データのバックアップが可能です。

NASの場合は、ネットワークに接続した端末からバックアップを取れます。また、専用のソフトを使うことで、手動で操作しなくても、定期的にバックアップできます。

(2)クラウドに保存している場合

防犯カメラの映像をクラウドに保存している場合、専用のソフトやアプリを使うことで、データをダウンロードできます。やり方は、録画映像の必要なシーンだけを切り取ってダウンロードする方法や、一定期間の録画映像を一括でダウンロードする方法などです。

録画データをダウンロードできる期間はクラウドサービスによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

防犯カメラの映像が流出?セキュリティ対策が重要

イメージ:防犯カメラの映像が流出? セキュリティ対策が重要

防犯カメラの映像が流出すること=個人情報が流出すること。大きな問題に発展する可能性もあります。日頃から対策しておくことが重要です。

①店員やスタッフからの情報漏えい

防犯カメラの映像を、店員やスタッフ、従業員が持ち出してしまうケースはゼロではありません。録画データを流出させたのは別の人だとしても、責任が追求されるのは、設置者側の企業です。万が一のことを考え、管理者以外は録画データにアクセスできない設定にしておきましょう。

②開示請求に応えることによる情報漏えい

第三者からの開示請求に安易に応えてしまうことで、個人情報が漏えいすることもあります。開示請求による情報漏えいを防ぐためには、録画データを開示する条件などを、あらかじめガイドラインに定めておきましょう。

本人あるいは警察関係者かつ身分証明できる場合を除いて、安易に開示するべきではありません。

③安価なネットワークカメラのパスワード設定にまつわる情報漏えい

インターネット経由で映像が漏えいすることも考えられます。近年安価なネットワークカメラなどで、不正アクセスの被害が報告されています。不正アクセスの原因は、パスワードの設定漏れや、パスワードの使い回しなどです。

何かが起こって後悔する前に、パスワード設定やアクセス権の設定など、セキュリティ対策をしっかりと見直しておきましょう。

まとめ

犯罪抑止や記録、トラブルの原因究明やマーケティングなど、防犯カメラを設置することはさまざまなメリットがあります。一方、セキュリティや認識の甘さが原因で個人情報が流出し、大きな問題に発展する可能性もゼロではありません。用途や目的に合わせた適切な防犯カメラの導入と運用が重要となります。

キヤノンマーケティングジャパンは、長年培った確かな技術とノウハウで、多種多様なお客様のニーズにお応えします。防犯カメラの導入をご検討の際には、お気軽にご相談ください。



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