【2025年最新】中小企業省力化投資補助金とは?-国が大型予算を投資-

2025年7月1日
人手不足が深刻化する中、限られた人員で業務を回すことに悩む中小企業は少なくありません。今求められているのは、単なる人材確保ではなく、業務そのものの省力化・自動化です。そこで注目されているのが「中小企業省力化投資補助金」です。
本コラムでは、制度概要や対象設備、失敗を防ぐためのポイントについて解説します。
中小企業省力化投資補助金とは?2025年の制度概要
「中小企業省力化投資補助金」は、人手不足の解消や生産性の向上を目的に、設備投資を行う中小企業・小規模事業者を支援する制度です。2025年度からは、従来の「カタログ注文型」に加えて、自由に設備を選べる「一般型」が設けられ、より柔軟な投資が可能になりました。
「一般型」は補助上限額も最大1億円で、大規模な導入にも対応しています。さらに、賃上げに取り組む企業には加点や補助上限の引き上げもあり、制度全体がより使いやすく、支援の幅が広がっています。
カタログ注文型と一般型の違い
中小企業省力化投資補助金には、「カタログ注文型」と「一般型」の2つの申請方式があります。それぞれに特長があり、企業の規模や導入したい設備の内容によって適した方式が異なります。以下の表で、両者の違いをわかりやすく整理しました。
カタログ注文型 | 項目 | 一般型 |
---|---|---|
カタログに登録済みの製品から選んで導入する簡易型 | 概要 | 自社の課題に応じて自由に設備を選定できる柔軟型 |
最大1,500万円 | 補助 | 最大1億円 |
1/2 ※従業員数により上限額の変動あり |
補助率 | 1/2~2/3
※補助金額1500万円を超える部分は1/3 ※従業員数により上限額の変動あり |
事前に登録された省力化製品 | 対象設備 | 自社の業務に合わせたオーダーメード設備・システム |
販売事業者と共同申請 | 申請方法 | 補助事業者が申請 |
販売事業者のサポートがあり、比較的簡単 タイミングを選ばず、いつでも申請可能 |
申請のしやすさ | 計画書作成や要件整理が必要で、やや複雑 申請は、公募のタイミングを待つ必要あり |
製品選定がスムーズで、早い 申請から交付決定まで最短1か月 |
導入スピード | 個別審査のため、時間がかかる可能性あり |
初めて補助金を活用する企業、少額投資を検討している企業 | おすすめの企業 | 大規模な設備投資を検討している企業、独自性の高い業務を持つ企業 |
随時公募 明確な締切日なし |
スケジュール | 年3~4回公募 スケジュールは公式サイトで随時更新 |
\カタログ型の詳細情報と、キヤノンS&Sでの取扱商品はこちら/
対象となる設備
業種ごとに、導入すべき設備や省力化のアプローチは異なります。自社の業務フローを見直し、「どこに人手がかかっているか」「どこを自動化すれば効果が大きいか」を洗い出すことが、導入の第一歩です。
以下は、「カタログ注文型」の代表的な対象設備と効果です。
該当する業種や購入したい製品が現時点でカタログに登録されていない場合でも、製品は継続して募集されているので、今後カタログに追加される可能性があります。
飲食業で配膳ロボット・調理道具を導入
配膳ロボット、セルフオーダーシステムを導入することで、ホールの人員削減が可能となります。また、スチームコンベクションオーブンを始めとした調理器具の導入で、厨房の負担を軽減することができます。
宿泊業でのチェックインの非対面化
自動チェックイン機、スマートロックの導入により、フロント業務の省力化が進んでいます。非対面でのチェックインや鍵の管理が可能となることで、宿泊者にとっても快適で安心な滞在環境が整います。 また清掃ロボットの導入により、客室清掃の効率化も期待できます。
製造業での工場内作業の自動化
無人搬送車(AGV)や検品システム、協働ロボットの導入により、工場内作業の自動化が進んでいます。これらの設備は、搬送・検品・組立などの工程を効率化し、人的負担の軽減と生産性の向上に貢献します。省力化によって安定した品質管理が可能となり、競争力の強化にもつながります。
小売業で店舗設備を導入
無人レジや在庫管理システム、電子棚札の導入により、店舗運営の効率化が図られています。これらの設備は、レジ対応や在庫確認、価格表示の自動化を可能にし、スタッフの業務負担を軽減します。業務の省力化により、サービスの質向上とコスト削減が期待され、より快適な購買体験の提供につながります。
印刷業で産業用枚葉デジタル印刷機を導入
性能の良い印刷機を導入することで、短納期・多品種少部数など顧客からのさまざまなニーズに応えることが可能になり、競争力の強化が見込めます。また、印刷準備自動化など製版工程の削減により、作業時間を短縮し業務の効率化が期待できます。
一方、「一般型」におけるオーダーメード設備とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータとの連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステムのことを指します。同じ補助対象に対して併用することは不可ですが、別の補助対象に対してであればカタログ注文型と一般型の併用は可能です。
キヤノンシステムアンドサポート(以下キヤノンS&S)は、中小企業省力化投資補助金「カタログ注文型」の「販売事業者」として登録されており、補助金申請のサポートをしています。
カタログ注文型での「産業用枚葉デジタル印刷機」の取り扱いをはじめとし、一般型についてのご案内、専門家のご紹介も可能です。
中小企業省力化補助金を使う4つのメリット
上記でご紹介したように、中小企業省力化投資補助金は業種ごとにさまざまな形で活用することが可能です。 設備導入に補助金を活用すれば、業務の効率化や人手不足の解消につながります。また、制度自体が使いやすい点も大きなメリットです。
以下に、4つのメリットをまとめました。
生産性向上と業務効率化
最新の設備やシステムを導入することで、業務の自動化・効率化が可能になります。
単純作業の自動化により、従業員がより創造的な業務に集中できるようになり、モチベーションアップにもつながります。
人手不足への対応
設備の導入によって人材リソースの最適化が図れます。
労働時間の削減にもつながり、従業員の負担軽減や働きやすい環境づくりが可能です。環境の改善は、人材の定着にも貢献します。
導入コストの大幅削減
補助率は最大で導入費用の1/2です。従業員数に応じて最大1,500万円まで補助されるため、費用面のハードルが下がります。
申請のしやすさとサポート体制
「カタログ注文型」は、指定された販売事業者と共同で申請するため、手続きが比較的簡単です。専門知識を持つ事業者のサポートを受けながら導入が進められます。また、令和5年度から令和8年度までの3年間で12万件の採択を目標としており、比較的採択されやすい補助金です。
「中小企業省力化投資補助金」の失敗を防ぐには
補助金は非常に魅力的な制度ですが、申請から導入、報告までには多くの注意点があります。せっかくの制度を生かしきれなかったり、思わぬトラブルに発展したりするケースも少なくありません。
ここでは、補助金活用で失敗しないために、導入前に検討すべきポイントや、よくある落とし穴、返還リスクを避けるための対策を解説します。
導入前に検討すべきポイント
補助金を活用して設備を導入する際は、以下の点を事前にしっかり検討しておくことが重要です。
検討すべきポイント | 詳細 |
---|---|
本当に省力化につながるか? | 現場の課題と導入設備の効果が一致しているかを確認しましょう。 |
運用体制は整っているか? | 導入後の操作やメンテナンスを誰が担うか、社内での教育体制も含めて検討が必要です。 |
費用対効果は見合っているか? | 補助金を活用しても自己負担は発生します。投資回収の見込みを試算しておきましょう。 |
補助金の対象要件を満たしているか? | 設備や導入時期が補助対象に該当するか、事前に確認することが大切です。 |
また補助金は「導入して終わり」ではなく、導入後に実際に省力化や生産性向上が実現されたかどうかを報告する必要があります。
これらの報告が不十分だと、次回以降の補助金申請に影響が出る可能性もあります。導入前から「どのように効果を測定するか」を考えておくことが大切です。
よくある「採択されない理由」
補助金申請をしても、必ず採択されるとは限りません。よくある不採択の理由には以下のようなものがあります。
不採択の理由 | 詳細 |
---|---|
事業計画の内容が不明確 | 省力化の効果や導入の必要性が伝わらないことが原因として挙げられます。 |
賃上げや生産性向上の見込みが弱い | 制度の目的に合致していないことが原因として挙げられます。 |
書類の不備や記載漏れ | 基本的なミスでも減点対象になります。 |
採択率を高めるには、現場の課題と導入設備の関係を明確にし、定量的な効果を示すことが重要です。必要に応じて、補助金申請に詳しい専門家のサポートを受けるのも有効です。
補助金返還リスクを避けるには
補助金には「返還義務」が発生するケースもあります。以下のような場合は特に注意が必要です。
- 交付決定前に契約・発注・支払いを行った場合
- 導入設備が補助対象外だった場合
- 報告義務を怠った場合(実績報告・効果報告など)
- 虚偽の申請や不正使用が発覚した場合
これらを防ぐためには、制度のルールを正しく理解し、スケジュールを厳守することが重要です。
まとめ
中小企業省力化投資補助金は、業務の省力化・自動化に役に立つ設備を導入でき、人手不足に悩む中小企業にとって魅力的な補助金です。
補助金額も高くメリットが大きい一方、申請から導入、報告までには多くの注意点があり、対策を行った上で申請を行うことが大切です。
キヤノンS&Sでは中小企業省力化投資補助金の「販売事業者」として、補助金の活用を無償でお手伝いしています。リモートによる説明会なども実施可能です!
カタログ注文型の申請はもちろんのこと、一般型についてのご案内も行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
今すぐ読みたいおすすめ情報
会社の処方箋についてのご相談・見積・お問い合わせ
キヤノンシステムアンドサポート株式会社