NPUってなんだ? 新たなPCの選択肢~Copilot+ PC

2025年7月29日
生成AIが普及し始めて3年近くになります。
それ以前のAIは、人間が事前に与えた情報の範囲内での処理が基本でした。一方生成AIは深層学習(ディープラーニング)により自ら学習を進め、新たなコンテンツを作り出すことができます。しかもその内容はテキストにとどまらず、画像や動画、音楽など多岐にわたります。
この生成AIを活用すれば、業務効率を大幅に改善することができます。
クラウドAIとデバイスAI
生成AIはこれまで、クラウド環境で利用する「クラウドAI」が主流でした。これはインターネットさえあれば利用できる便利なシステムですが、逆にいうとインターネットがなければ利用できません。速度が求められる処理には分が悪く、特に企業利用では、社内情報が外部に漏れる危険性が指摘されてきました。
そこで注目されつつあるのが「デバイスAI」です。これはその名の通り、デバイス側で処理を行う生成AIです。
処理をPC側で行うためデータの機密性を確保でき、リアルタイムでの処理に長けています。
また、クラウドAIとデバイスAIのハイブリッドで利用できる「ハイブリッドAI」も登場しており、今後はこれが主流になっていくと考えられます。
クラウドAI | デバイスAI | |
---|---|---|
演算処理 | クラウド処理 | デバイス処理 |
得意な処理 | 自然言語を利用した質疑応答など | 同時翻訳などリアルタイム性が重要な音声認識 |
インターネット | 必要 | 不要 |
Copilot+ PCとは

Microsoft Copilotはマイクロソフト社が提供する生成AIで、Microsoft EdgeやBingなどのブラウザー上で利用可能なCopilot無償版とMicrosoft 365と連携できる有償版があります。さらに有償版は個人向けのCopilot Proと法人向けのMicrosoft 365 Copilot(Microsoft 365ライセンスが必要)に分かれます。
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他にもいくつかの種類があります。
Copilot+ PC(コパイロットプラスピーシー)は生成AIの利用のために必要な要件を満たした新しいPCジャンルです。
その要件とは、
- 16GB以上のメモリーを搭載していること。
- 256GB以上のSSDを搭載していること。
- 40TOPS以上のNPUを搭載していること。(CPU、GPUに加え)
の3つです。
NPU(Neural Processing Unit)とは
メモリーとSSDは馴染みがあるものの、NPUとはなんでしょうか。
NPUはAI処理に特化したプロセッサーで、AIを処理する上でカギを握ります。
CPUが単純な演算処理、GPUが描画処理に優れているのに対して、NPUはAI処理を得意としています。単位をTOPS(トップス)で表し、1TOPSは1分間に1兆回の演算処理を実現できることを表します。
このNPUの能力がデバイスAIの処理速度に大きく貢献します。またNPUを使うことでCPUの負荷が減り、電力消費量を抑えることができるため、モバイルデバイスの利用時に効果的です。
Copilot+ PCはNPU 40TOPS以上が要件とされていますので、1秒間に40兆回の演算処理が必要というわけです。

まとめ
パソコンの使用サイクルは4~5年というケースが多いようです。
生成AIの普及速度を考えると、これから新規でPCを購入する場合やWindows 10の買い替えをご検討されている方は、はじめからCopilot+ PCを視野に入れておく方が良いかもしれません。

最近発売のWindows 11搭載PCでは、一部の機種でCopilotを直接起動できる「Copilotキー」が採用されています。Windows系のPCに新しいキーが設定されるのはおよそ30年ぶりです。それだけ大きな変革があるということでしょう。
今後PCをお買い求めの際にはCopilot+ PCも検討してみてはいかがでしょうか。
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