カメラに顔を向けなくても逆光でも認証OK!キヤノンならではの顔認証ソリューション
2022年10月7日
更新:2024年12月19日
「顔認証」は「使いやすく、セキュリティレベルが高い認証システム」として、身近なものになってきています。
しかし、カメラに顔を向けなくても使用可能なことなど詳しいしくみまでは知らない人も多いのではないでしょうか。
カメラと映像ソリューションのキヤノンだからこそ実現できた、顔認証ソリューションについてご紹介します。
コロナ禍による非接触ニーズの高まり
新型コロナウイルスの蔓延による行動制限や諸外国のロックダウンに起因する物不足など、私たちのビジネスや生活を取り巻く環境はこの数年で劇的に変化しています。
社会が不確実性を増していくVUCAの時代の中で、“本人確認”の信ぴょう性がますます求められるようになり、生体認証の市場が拡大し続けています。
そんな生体認証のなかでも、近年の「非接触」ニーズと相まって活用用途が広がっているのが「顔認証」です。
生体認証というと、指紋や静脈による認証が先行して市場に普及しました。またビジネスシーンで一般的な認証といえばIDカードが挙げられます。
これらと比較した顔認証の強みは、下記が挙げられます。
- 顔認証
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対象者をあらかじめ登録することで、「誰が」そこにいたかの記録ができます。
対象者にとっては、IDカードなどの所有物が不要であると共に、端末に自分を認証させに行く手間や時間をかけずに済むといった利便性があります。
- 指紋・静脈などの生体認証
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本人確認の精度が上がりますが、立ち止まって専用端末で認証するために作業の手を止めることになります。
また、認証する体の部位によっては、作業着等の脱着が必要になる場合があります。
- IDカード
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IDカードをかざして入退室記録を付けることができますが、カードを身に着けること自体が難しい場面や業務があります。また、カードの貸し借りができてしまうため、認証の目的そのものの精度が低くなる可能性があります。
顔認証の用途の拡大
私たちの身近でも「顔認証」が使われているシーンはたくさんあります。
1日に何十回も解除するスマートフォンのロック解除の他、ホテルのチェックインや空港での搭乗手続き、決済時の本人確認など幅広く活用されており、私たちの生活をより便利に、スマートにするツールとなっています。
また、ビジネスシーンではパソコンのロック解除、オフィスの入退出管理、特別なお客さまが来訪された際の通知、勤怠管理など、徐々にその用途は拡大しています。
この他、下記のような活用例もあります。
教育機関~不審者対策~
不審な人物が現れたら、警備室にアラートを通知。素早い対応が可能となり、事件・事故を未然に防ぐ一助となります。また、こうした体制を整えることで生徒さまや保護者さまに対する安心感にもつながります。
病院~患者誤認事故の防止~
CTなどの放射線を使った検査時に、呼称による患者確認と合わせて、顔認証による本人確認を行います。こうすることで、患者誤認事故を防止することにつながります。
製造ライン~品質保持~
作業工程において、どの作業者がどのラインにいるのかを把握。その作業者が有資格者であるかの確認・管理を行い、製造品質保持ひいてはブランドの維持に貢献します。
キヤノンならではの高精度な認証技術とその特長
「顔認証による本人確認」は非接触で衛生面が保たれる反面、認証される側の立場となった際にはその都度マスクを取ったり、顔の向きをデバイスに合わせ直したりと、便利なようで意外と手間がかかる、という経験をお持ちではないでしょうか。
キヤノン独自の顔認証エンジンは、ネットワークカメラの映像から素早く・高精度に本人確認することができます。高いところに取り付けられたネットワークカメラの見下ろし画角でも認証されますので、わざわざカメラの方を向いて認証させる、なんてことをする必要はありません。
また、マスクやサングラスの着用により顔の一部が隠れていても、キヤノンがこれまでに培ってきたデジタルカメラやネットワークカメラの映像解析技術と独自のAIディープラーニング設計技術により、高精度な判定することができます。
では、具体的な特長を見ていきましょう!
1. 動いている人物でも認証OK
対象者の顔をあらかじめ登録しておくことで、カメラの撮影エリアに入った際に顔認証ができます。
検出のためにしばらく立ち止まったり顔を向けたりする必要がないため、対象者に手間をかけさせることもありません。
これにより、廊下や部屋の出入り口といったスペースだけではなく、屋外やホールのような広い環境でも認証が可能です。目幅(目と目の間隔)が15ピクセルまで対応しているため、例えば学校などで門を出入りする人物を遠い距離からでも認証させることができます。
さらに顔向きが上下30度、左右45度まで認証できるため、対象者を正面から捉えられない状況でも認証させることができ、より広いエリアで認証させることができます。
ここにも、キヤノン独自のAIディープラーニング設計技術が生かされており、従来の技術では判定が難しい画角の画像や低画質画像に対しても、高精度な顔認証を可能にしています。
つまり、認証のために一旦立ち止まってカメラに正対する、という動作から解放されることになります。
2. 暗い場所や逆光環境でも、自動で露出補正
暗い場所や逆光となるようなところは、一般的に顔認証には不向きです。しかし、キヤノンのカメラを使用する顔認証システムはそのような厳しい環境でも、環境変化に順応して認証を行うことができます。
例えば、建物の出入り口は時間帯によっては逆光となってしまい、顔が黒く見えてしまいますよね。多くのネットワークカメラは建物の内側からエントランスに向けて設置されているので、逆光の影響を受けやすいのです。逆に、直射日光が当たって顔の輪郭がぼやけてしまったりすることもあります。
キヤノンは、そんな明るさが変わる環境下でも、顔認証システム側がカメラの露出を自動で補正してスムーズな認証を行うことができます。
以前ご導入いただいたお客さまは、電気を点けていない薄暗い部屋でもキヤノンの顔認証だと機器のディスプレーの光などで認証される!と驚かれていました。
3. マスクやサングラスをしていてもOK、さまざまなシステムとの連携も可能
このシステムはもちろんマスクやサングラスをしていても認証することができます。マスクは顔の大分部分を覆ってしまいますが、目や鼻の位置などから認証に必要な特徴を抽出しています。
キヤノンの顔認証システムは、Milestone Systems社のXProtectというビデオ管理ソフトウエア(VMS)上で動きます。Milestone XProtectは12,000機種以上のIoTデバイスと連携でき、顔認証の判定結果をデジタル入出力モジュール(I/Oモジュール)を介してパトランプに信号を送る、なんてことも実現できるようになります。
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Milestone Systems社は、ネットワークカメラで撮影した映像を保存するためのビデオ管理ソフトウエアにおいて世界トップシェアの1つであり、キヤノンのグループ会社です。
Milestone XProtectは、映像監視に必要とされるさまざまなデバイスと連携することができます。
システム構成イメージ
まとめ
顔認証の用途が広がってきていること、そしてキヤノンがこれまで培ってきた技術と最新のAIディープラーニングを駆使して開発した今回の「顔認証」システムについてご紹介してきました。
市場に浸透し、私たちの生活やビジネスの場で“顔認証”の利用が増えてきていますので、これからも活用用途はどんどん広がっていくと思います。
今回ご紹介した「スマートフォーカス顔認証 for Milestone XProtect」は、撮影環境が厳しい状況(逆光や顔向きなど)でもカメラ側の制御も同時に行うことで高い認証精度を実現しています。
独自に開発した顔認証技術に磨きをかけ、映像ソリューションでお客さまの進化を支援してまいります。
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とても便利な顔認証ですが、その個人情報の取り扱いについてはお客さまごとの取り決めとなります。ご利用される際は弊社窓口へご相談ください。
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