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【事例紹介】印刷の内製化とは?

  • 会社の処方箋

2025年9月9日

「急なキャンペーンに間に合うようにチラシを用意したいけど、外注だと時間がかかる」
「少部数の印刷なのにコストが高くついてしまう」
「店舗ごとに内容を変えたいけど、外注では柔軟に対応できない」
こんなお悩みはないでしょうか?

販売促進や情報発信のタイミングが企業の成果に直結する中で、印刷物の制作・発行においても、従来の外注依存からの脱却が進みつつあります。こうした市場環境の変化の中で、今あらためて注目されているのが「印刷の内製化」です。
印刷業界はもちろん、流通業、小売業、サービス業、教育機関などあらゆる業種で、印刷物を自社内で制作・出力する動きが広がっています。本コラムでは、実例を交えながら内製化のメリットをご紹介します。

印刷の内製化とは

チラシ、POP、マニュアル、社内報などの印刷物を外部の印刷会社に依頼するのではなく、自社内で制作から印刷までを完結させることを指します。これまで印刷業務は専門性の高さや設備投資のハードルもあり、多くの企業は外注に頼るのが一般的でした。しかし近年ではデジタル印刷技術の進化により、内製化が現実的な選択肢となってきています。従来のオフセット印刷では版の作成や大量印刷が前提となるため、少部数の印刷には不向きでしたが、デジタル印刷では版が不要となり1枚からでも高品質な印刷が可能です。さらに、色の再現性や用紙対応力、長尺印刷や可変印刷などの機能が充実し、プロレベルの仕上がりを社内で実現できるようになっています。
実際に印刷物の内製化を実践している企業の事例を通じて、その効果や活用方法を次から見ていきましょう。

例)内製前では完成まで4~5日の工程が内製後は2日に短縮。タイミングを逃さず情報を発信!

印刷内製化の具体例

クリーニング業:販促物の内製化で情報発信力を強化

曜日ごとのイベント開催やクーポン券配布に加え、告知のチラシや従業員の教育用としても機能しているフリーペーパーなど、販促物にはこだわりを持っているお客さまの事例です。必要なタイミングで必要な部数だけ印刷できる柔軟な運用を実現しています。

内製化内容

店舗イベント告知チラシ、POP、教育用フリーペーパー、新卒採用ツールなど

成果

  • 試作印刷を社内で行い、店舗でお客さまの反応を確かめるテストマーケティングが可能
  • 長尺POPの印刷が可能になり、貼り合わせ不要で見た目のクオリティーが向上
  • 必要なタイミングに必要な部数だけ印刷できる体制を構築

幼稚園・保育園:配布物の内製化で他園との差別化や保護者の信頼獲得を実現

教員自ら制作に携わったほうがより教育への思いが保護者に伝わるというこだわりで、内製化を推進されたお客さまの事例です。保護者の興味を引く印刷物やグッズを配布し、幼稚園への信頼感や親近感を醸成しています。

内製化内容

入園案内ツール一式(封筒、ファイル&パンフレット、不織布の手提げ袋)

成果

  • 学年だよりに高精細な写真を多用することで、より鮮明な表現が可能
  • 教員自身が制作に携わることで、教育への思いがよりダイレクトに伝わる
  • 多種多様な配布物を内製し、保護者と良好なコミュニケーションに成功
  • 用紙の選択肢が広がり、印刷コストを約3分の1に削減

福祉・介護:地域住民や利用者、医療機関など全方位的な情報発信を強化

業界特有の高頻度な情報更新に対応するため発信スピード、更新時の作業負荷、小ロット対応の課題を解決すべく内製化を検討いただいたお客さまの事例です。画質・色味の再現性・紙の質感など、こだわりの詰まった高品質な販促ツールにより、地域社会での存在感を高めながら事業やサービスの差別化にも成功しています。

内製化内容

パンフレットやチラシ、会報誌

成果

  • 必要部数のみの印刷でコスト削減
  • コート紙、封筒、クリアファイル、エンボス系など多様な用紙で幅広い販促ツールが制作可能
  • 印刷作業にかかる時間の短縮により、業務の効率化を図ることが可能
  • タイムリーな情報発信と社員の負荷軽減を実現

これらの事例からもわかるように、印刷物の内製化は業種を問わず、企業の情報発信力や業務効率を大きく高める手段として注目されています。では、具体的に内製化によってどのようなメリットが得られるのか整理してみましょう。

内製化のメリット

ここでは、印刷を社内で完結させることによって得られる主なメリットを、実務的な観点から整理します。

コスト削減

外注にかかる印刷費、版代、校正費、配送費などを削減できるのは、内製化の最も分かりやすいメリットです。特に少部数・多品種の印刷が頻繁に発生する業務では、1回あたりの外注コストが積み重なりやすく、社内で印刷できる体制を整えることで年間を通じた経費削減効果は非常に大きくなります。

納期短縮

印刷物の制作から出力までを社内で完結できることで、思い立ったその日に印刷・配布が可能になります。外注の場合、見積もり・入稿・校正・納品といった工程に数日~数週間かかることもありますが、内製化によって即日対応が可能となり、タイミングを逃さない情報発信が実現します。

柔軟な対応

地域性や顧客層、店舗ごとの特性に応じた内容変更やデザインカスタマイズが社内で自由に行えるようになります。本部一括制作では対応しきれない細かなニュアンスも現場主導で反映できるため、より効果的な販促やコミュニケーションが可能になります。

品質管理

外注では「仕上がりがイメージと違う」「修正に時間がかかる」といった課題がつきものですが、内製化なら試作・修正を繰り返しながら納得のいく仕上がりを追求できます。
近年のデジタル印刷機は色再現性や用紙対応力も向上しており、外注と遜色ない品質を社内で実現することが可能です。

情報の即時性

印刷物は、情報発信の「最後の一手」として重要な役割を担います。キャンペーンやイベント、季節ごとの販促など、タイミングを逃さず発信できるかどうかが成果に直結します。
内製化によって社内で即座に印刷・配布できる体制が整えば、情報の鮮度を保ったままスピーディーに顧客へ届けることができます。

組織の活性化

現場の主体性を引き出す仕組みとしても機能します。自ら企画・デザインし、印刷して配布するという一連の流れを社内で完結することで、社員の意識が「受け身」から「提案型」へと変化します。販促や採用、教育などの領域で現場発のアイデアが形になるスピードが加速し、組織全体の活性化にもつながります。

このように、印刷の内製化は「コスト削減」だけでなく、「スピード」「柔軟性」「品質」「組織力」など、企業活動の多方面にポジティブな影響をもたらします。
特に中小企業にとっては、限られたリソースの中で最大の成果を上げるための戦略的な選択肢となり得るのではないでしょうか。

まとめ

印刷の内製化は、単なるコスト削減策ではありません。現場主導で販促物や営業資料を柔軟に制作できるようになることで、顧客との接点を強化し、ブランド価値を高める機会にもつながります。企業の競争力を高める「攻め」の経営判断として、今後ますます注目されていくでしょう。

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