DX推進を加速させる
IT導入補助金2025活用の効果的な手法

2024年3月25日
更新:2025年4月21日
2018年に経済産業省がDXレポートを発表して以降、DX加速化の波はとどまることを知りません。本コラムでは、中小企業がIT導入補助金2025を活用しながらDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するための重要ポイントと効果的な手法について解説します。
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DX(デジタルトランスフォーメーション):「Digital Transformation」の略称であり、デジタル変革を指します。組織やビジネスが技術やデジタル技術を活用して、「プロセスやサービスを改善し競争力を高める」「ビジネスモデルを抜本的に変革する」ことを意味します。
IT導入補助金2025ポイント
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けたITツールの導入を支援する補助金です。小規模事業者や中小企業が抱えるニーズや課題に合ったITツールを導入する際に、かかる経費の一部を補助しています。IT導入補助金2025の変更点は以下の通りです。
- 地域別最低賃金近傍事業者である場合は、通常枠の補助率が2/3へアップ
- 通常枠における単独申請可能ツールの拡大
- IT活用の定着を促す導入後の“活用支援”も申請可能
- みなし同一法人の概念適用
- 大分類III役務に関しての要件拡大
- みらデジ実施による必須項目及び加点項目の廃止に伴い、IT戦略ナビwith実施による加点項目の追加
新たに6つの点が変更となり、より多くの企業が補助金を活用しやすくなります。
詳しくは、「IT導入補助金2025概要」をご確認ください。
DXの現状
業務効率化やDXを推進していくためには、下記4つの項目が重要です。
- ITシステムとビジネスを一体的に捉え、新たな価値創造に向けた戦略を描くこと
- デジタルの力を、効率化・省力化を目指したITによる既存ビジネスの改善にとどまらず、新たな収益につながる既存ビジネスの付加価値向上や新規デジタルビジネスの創出に振り向けること
- ビジネスの持続性確保のため、ITシステムについて技術的負債となることを防ぎ、計画的なパフォーマンス向上を図っていくこと
- 必要な変革を行うため、IT部門、DX部門、事業部門、経営企画部門など組織横断的に取り組むこと
しかし、実際にはさまざまな障壁があり、導入スピードや取り組みの深さには大きな企業間格差が生まれています。特に中小企業では、デジタルリテラシーの不足や適切なアドバイザー不足など、さまざまな理由でDXの進捗が遅れがちです。
特に二つ目の「新たな収益につながる新規デジタルビジネスの創出に振り向けること」は、日本ではまだ十分に取り組まれていない状況です。文書の電子化・ペーパーレス化、会議のオンライン化だけで終わらせないDXへの取り組みが急務と言えます。
また、2025年の崖を乗り越えるためにもデジタル環境の最適化が順調に進まないと、古いシステムに足を取られ競争力が低下するリスクがあります。これを回避するには企業全体がデジタルシフトを意識し、導入支援を活用した継続的なアップデートが求められているのです。
DXの取り組みにハードルの高さを感じ、なかなか進まない理由として次のような課題が挙げられます。
DXを推進する人材の不足
DX推進には新しいシステムの選定や運用が伴うため、IT・デジタル分野に精通した人材が必要になります。ところが、中小企業ではそうした人材の確保が難しく、社内リソースが限られるため、外部委託も十分に活用できないケースが多く見受けられます。
IT導入補助金の活用に際しては支援事業者の仕組みがあり、人材不足を補う体制が構築されています。これを活かしてDX推進計画を具体化することが可能となっており、お客さまには本業に専念頂きながら進められるのもポイントのひとつです。
予算の確保が難しい
中小企業にとって、IT化にはハードウエアやソフトウエア導入費、さらに運用保守費など多岐にわたるコストが発生するため、予算の確保が難しい問題があります。短期的な効果が見えづらい分、投資判断が後回しになりがちです。
しかし、IT導入補助金を利用すればソフトウエア購入やクラウド利用料の一部を補助してもらえるため、導入コストの軽減が可能となります。
予算面でのハードルを下げるには、補助金情報の継続的な収集が欠かせません。募集枠やスケジュールの変更などタイムリーな情報に注目して、早い段階で申請準備をしておくことが大切です。
2025年の崖を克服するための戦略
2025年にはレガシーシステムの維持が困難になり、業務効率やセキュリティ面においてリスクが高まることが予想されています。これがいわゆる“2025年の崖”と呼ばれ、対策を先送りにした企業ほど大きな痛手を被る可能性があります。
早めのDX導入とシステム刷新を行うことで、レガシー環境のリスクを抑えながら、業務プロセスの最適化や新規事業の創出につなげることができます。こうした動きは企業競争力の強化にも大きく寄与します。
IT導入補助金などの公的支援を活用し、専門家の助言を得ながら段階的にシステムを更新することで、予期せぬトラブルを回避しやすくなります。2025年以降も継続的に経営基盤を強化する姿勢が重要です。
2025年版 交付決定を受ける秘訣~成功への近道~
補助金の採択率を高めるためには、導入計画を具体的かつ戦略的に立てることが重要です。自社の課題と導入するツールの関連性を明確に示し、費用対効果や業務効率化の具体的なインパクトを根拠立てて説明しましょう。また、申請にあたっては必要な書類や導入方法をきちんと整備し、提出期限に間に合うよう余裕をもって準備することが採択率向上のカギとなります。専門家や支援機関を活用すれば、不備のない申請を行いやすくなります。特に最新枠の情報やスケジュールの変更などは頻繁にアップデートされるため、募集要項のチェックを怠らないことが大切です。予算状況によっては募集が想定より早く終了する場合もあり、早めの行動が功を奏します。
交付決定には支援事業者選びもポイントの一つです。既に取引があるからといった理由で判断するのではなく、導入目的に合ったITツールを取り扱っている・採択実績件数が多い・幅広いサポートが受けられるといった観点で見極めましょう。

ポイント1.安心のサポート
DXや補助金申請に慣れていない企業は、外部専門家のサポートを受けることで申請から導入までを円滑に進めやすくなります。
補助金の要件は年度や枠ごとに変わる可能性があり、最新情報の追従が欠かせません。そうした情報収集をサポートしてくれる機関やコンサルタントは、補助金の適切な活用に大きく寄与します。
専門家のバックアップがあることで企業側の負担が減り、DX本来の目的や業務改善に集中できる体制を整えられる点もメリットです。
IT導入補助金では、IT導入支援事業者の仕組みが構築されています。弊社は今年度も支援事業者登録を完了しておりますので、お客さまには本業に専念いただけるよう体制を整えております。

ポイント2.アドバイス体制
ITツールの導入計画や運用設計を練る段階から、専門知識をもつアドバイザーの意見を取り入れると、申請書類でもより適切な内容が盛り込めます。あやふやな計画書よりも、具体性のある導入計画が審査で有利に働きます。
導入するツールの機能・メリットを十分に理解し、それぞれがどのように課題解決につながるのかを明確にすることが重要です。戦略的な導入計画は、審査員に対してもわかりやすく説得力のある資料となります。
アドバイザーからの助言を受けて、運用開始後の成果指標やメンテナンス体制など、具体的な運用方法を詰めておくと、補助金採択後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
弊社では採択結果の分析により、採択率を上げるためのアドバイス体制も整えております。

ポイント3.ヘルプデスクの設置
申請や導入時には想定外の書類不足やシステム不具合が発生することもあります。ヘルプデスクがあることで大小のトラブルに対処しやすくなり、スケジュール遅延のリスクを抑制できます。
弊社では補助金や助成金に関する情報や事前準備等について気軽に問い合わせ可能なヘルプデスクを設けております。日頃、お客さまより「自社で利用できるもの、検討ツール導入に利用できる補助金・助成金を探すのが大変」とお聞きしております。そんなお困りごとに弊社としてお探しさせて頂き、情報を提供させて頂く取組を無償で行っております。またお客さまの疑問や要望に対して、迅速かつ丁寧なサポートを行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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補助金ヘルプデスクのご利用は、キヤノンシステムアンドサポートでの
ソリューションをご検討のお客さまが対象となります。
まとめ
DXは単なるIT化ではなく、企業の生産性や競争力を一段上に引き上げるための包括的な取り組みです。中小企業が直面する人材・予算面でのハードルも、IT導入補助金や専門家のサポートを活用することでDXへの第一歩を踏み出せる可能性が高まります。
2025年以降の市場環境を見据えて、今からレガシーシステムの刷新やデジタル化を進めることは欠かせません。補助金の申請スケジュールや要件を早めに把握し、戦略的な導入計画を策定しましょう。
最新の補助制度を十分に活用しながら、未来へつながる強い経営基盤を築いていくことが期待されます。
ぜひ申請支援、採択率向上、補助金・助成金情報提供の体制を整えている弊社にご相談ください。
Q&A
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Q1申請に関してのアドバイスを受ける際は、有償ですか?
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A1
IT導入補助金の申請支援は「無償」です。
申請~実施報告~効果報告に至るまで、無償でご支援させていただきます。
その他の補助金・助成金については、提携している専門家によるご支援となり「有償」となります。先ずは、お問い合わせください。 -
Q2申請支援の対応地区は決まっていますか?
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A2
いいえ、全国対応いたします。
各地域に補助金・助成金に関する申請支援者を配置し、お客さまの課題解決に向けたご支援をしております。 -
Q3GビズIDとは?
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A3
複数の行政サービスを1つのアカウントで利用することのできる認証システムで、経済産業省及び中小企業庁で利用を推奨されています。
IT導入補助金2025の交付申請において、「GビズIDプライム」アカウント(ID・パスワード等)が必要となります。 -
Q4SECURITY ACTIONとは?
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A4
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する中小企業・小規模事業者等自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度。
IT導入補助金2025の交付申請においては、「★一つ星」又は「★★二つ星」いずれかの宣誓を行うことが各申請類型の申請要件となっております。 -
Q5IT戦略ナビwithとは?
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A5
「自社の取り組みが同業他社と比較してどうか」という現状と、「どのようにITを活用すればビジネスが成功するか」というストーリーを、IT戦略マップとしてウェブ上で簡単に作成できるサイトとなります。
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Q6リースは補助対象ですか?
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A6
リースは補助対象外です。
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Q7ハードウェアは補助対象ですか?
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A7
インボイス対応類型において、補助対象経費となるソフトウェアの導入と併せて購入する場合に限り、一部ハードウェアの購入費用が補助対象経費となります。

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