オフィス構築時に注意すべきこと ~自社オフィス構築の経験から~

2025年3月24日
4月は新入社員の入社、異動、定年退職などさまざまな出会いと別れがオフィスで繰り広げられる季節です。期待に胸を膨らませ、やる気に満ちた新入社員の皆さん、異動されて心機一転、新たなオフィスで働くことになる皆さんは、自社のオフィスにどのような印象を抱くのでしょうか。今回は実際に自社オフィスを構築した体験談をもとに、オフィス構築への思いから、部分的に取り入れられるポイントまでお話ししたいと思います。
はじめに
1日のうち長い時間を過ごすことになる「オフィス」に私たちは強い思い入れを持っています。
せっかく出社するなら、仕事がはかどり、きれいで、楽しく、より快適に過ごせるオフィスで働きたいですよね。イトーキ中央研究所 働く人の意識調査によると、オフィスに満足している人は通常の2倍以上出社に前向きとのデータがあります。
キヤノンシステムアンドサポートでは、お客さまへオフィスの移転やリニューアル工事の提案を行う専門のチームがいます。プロジェクトマネジメントを行う者とレイアウト設計者がチームを組み、お客さまのオフィスを提案するとともに、一部の自社拠点のオフィス構築も行っています。最近では、北海道、近畿支社や、川崎、町田、海老名、福岡、佐賀営業所などの自社拠点のPM、レイアウト設計を行いました。今回は社内のオフィス構築への思い、実際に経験したことをお話ししたいと思います。
オフィス構築への思い・構築にあたり気を付けるべきこと
オフィスを構築する際に最も気を付けているのは、現場で働く人の意見をくみ取り、自分たちが構築に参加したと、自分事として捉えてもらうことです。特に若い社員の意見を積極的に取り入れ、「会社に行きたい」と思ってもらえる、また、自分の家族に見せたくなるオフィスを目指しています。
単に見栄えが良いオフィスということではなく、働き方に合ったオフィスにすることが必要で、そのためには実際にその場で働いている社員から希望や現状の困りごと等のヒアリングが重要です。
場合によっては、移転プロジェクトを立ち上げ、現場で意見を取りまとめてもらうこともあります。
また、オフィスを変えることは、ペーパーレス、オンラインミーティング、フリーアドレスの導入(出社率の制限)など、働き方を変えることにもつながります。「どういう働き方をするか」といった経営層の思いや考え方とその場で働く社員、コスト等三位一体でバランスをとりながら検討していくことになります。しっかりと職場のみんなで考え、構築していく過程が大切です。
当社では、エリアごとに役割を持たせるようレイアウトを考えています。ただ何となくいつもの席に座るのではなく、この時間帯は集中したいので集中ブースを使う、チームでアイデアだしをするのでミーティングエリアに集まる等、目的に合わせた場所で働くことで、より仕事への意識が高まります。ほかにも直行直帰、サテライトオフィス等も取り入れているため、自分で働き方をデザインできます。
また、社員のウェルビーイングにも気を配っています。癒やしの効果があると言われているフェイクグリーン等も取り入れたり、リフレッシュエリアを設けたりなど快適に過ごせる環境を整えています。
オフィスのリニューアルにより、働く社員のモチベーションが上がり、モチベーションが上がることで生産性が上がり、業績の向上につながるという好循環を生み出すことが可能ではないでしょうか。
実際に新しいオフィスで業務を開始すると、思わぬことも…
神奈川支社構築時(2011年当時)に、初めてフリーアドレスを導入しました。社員皆がフリーアドレスに慣れおらず、結局いつも同じ場所に座ってしまうという結果に…それではフリーアドレス導入の意味がないため、慣れるまでは2日連続同じ座席に座らないというルールを設けるなど運用で工夫しました。
プチリニューアルのススメ
今は大きなオフィス改造はできないけれど、小さな変更で雰囲気を変えたい、という場合に参考になるポイントをお伝えします。
床材
海老名営業所の執務スペースの床材はカーペットですが、リフレッシュエリアは塩ビタイルという、少し固い素材に変えています。
それぞれに特徴があり、カーペットは、歩行時の衝撃を吸収し、快適さや安心感、疲労軽減効果を与え、作業効率が向上するとされています。対して塩ビタイルなど耐久性の高いビニール系床材は、防汚効果が高いため、飲み物等こぼした際の清掃も容易です。
歩く際の感触が異なり、執務エリアとは雰囲気を変えられます。また飲み物等こぼした際の清掃も容易と、一石二鳥。「エリア分け=パーテーションで区切る」と考えがちですが、工事も大変ですし、狭く感じることもあります。一部だけリニューアルする際に、部分的に床材を変えるのも効果的です。
また、床のプチリニューアルでもうひとつ。執務スペースの通路部分にあるカーペットをポイント張り替えしている営業所もあります。
カーペットを全面張り替えとなると机椅子の移動が必要になりますが、通路部分のみなら負担もそこまで大きくなく、見た目の効果も期待できます。通路と執務スペースの区分けもできるので、導線の助けになります。
照明

照明器具をペンダントライトやダウンライトに変更すと雰囲気が変わります。こちらも海老名営業所で行いました。あたたかな発色の照明器具を選ぶと、こころが和む空間の演出に役立ちます。
既存の照明を撤去して、ペンダントライト等へ変更するとかなり雰囲気が変わりますが、その分コストもかかります。既存照明はそのままで、ペンダントライトだけ追加するのも一案です。
装飾

古くなったキャビネットにシールを貼ると、雰囲気が変わります。
面積が大きいため、効果抜群です。また、長く使うことで経費削減、エコになります。こちらは、東京支社で行っています。
まとめ ~オフィスも時代に合わせて変化していくもの~
以前は必須だった大会議室が、オンラインミーティングの浸透により不要になったり、音対策として個室ブースのニーズが高まる傾向にあったりします。
また、リフレッシュルームは、以前は一部屋に区切っていましたが、最近はオープンスペースで、執務スペースと融合しているものが好まれます。リフレッシュエリアでも仕事ができ、アイデアを出したいとき、カジュアルなコミュニケーションを取りたいとき等、必要に応じて働く場所を選択しています。
オフィスは生きています。時代に合わせて変化するものです。時々見直す時間を作りつつ、長い付き合いの中で自分たちにあった形に改装していく…という関係性を構築していきましょう。
当社では、上記事例を実際に見ることができるオフィスツアーを行っています。移転・レイアウト変更に関するご相談もお待ちしております。お気軽にお問い合わせください。
オフィスツアー
常に変化を続ける経営環境や経営課題に対するさまざまな取り組みの現場を、数々のオフィスソリューションとともにご案内します。
オフィスツアー実施例(所要時間:30分)
ワークプレース改革の取り組みを紹介し、実際のオフィス見学をします。

各エリア(一例)




主なメニュー
- 電子帳簿保存法対応ソリューション(電子取引書類保存・スキャナ保存)
- ペーパーレスFAXソリューション(受信FAXのデータ共有&書き込み・転送)
- バックアップ・情報漏えい対策セキュリティ
- 映像ソリューション ネットワークカメラで実現するモニタリング
-
オフィスツアー
上記以外にもさまざまなソリューションをご紹介します。
著者プロフィール
キヤノンシステムアンドサポート株式会社
バリューアドサービス推進部 ファシリティ推進課
松丸 由紀子(二級建築士・施工管理技士)
【ファシリティ推進課の業務内容】
お客様のオフィスの構築(PM・レイアウト設計)の支援しています。
今すぐ読みたいおすすめ情報
会社の処方箋についてのご相談・見積・お問い合わせ
キヤノンシステムアンドサポート株式会社