RA-532H|4つの指標とBRDFの説明表面反射アナライザー
表面反射アナライザー RA-532Hで同時測定可能な4つの指標とBRDFの説明
グロス(鏡面光沢度)について
準拠規格
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以下に示す各規格に準拠しています。
- JIS Z8741
- ISO 2813
- ASTM D523
- DIN 67530
特長
- 光の写り込みの明るさを示す指標です。
- 対象物の反射率と光源像の明瞭性によって数値が変化します。
- 本測定装置では、20°/60°/85°の測定が可能です。
-
可視波長全域にわたって屈折率が1.567であるガラス表面における鏡面光沢度が100と規定されています。
実際には鏡面光沢度90前後の基準板を実用的な基準として使用します。 - 一般的にグロス60°での測定値が70以上であればグロス20°が測定に適しており、10以下であればグロス85°が測定に適しています。
概念図
- 結像光学系を介して、光源側スリットの像を受光側スリット上に結像させます。
- 光源からの正反射光量を受光器で測定します。
- 標準面での測定値を基準とし、測定対象物での測定値との比率を算出します。
- 照射角度θは20°、60°、85°が規定されスリット構成も異なります。
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ヘーズ(くもり)について
準拠規格
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以下に示す各規格に準拠しています。
- ISO 13803
- ASTM E430
特長
- 光源の写り込み像周辺の拡散を示す指標です。
- 拡散が小さいほどヘーズの値が小さくなりゼロに近い値になります。
- 拡散光強度と光源像のボケによって数値が変化します。
- 細かいキズなどによるハレーションを表すのに適しています。
概念図
- 結像光学系を介して、光源側スリットの像を結像させます。
- 光源像の正反射光と周辺光の光量からヘーズ値を算出します。
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写像性について
規格
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以下JIS規格に定める装置構成ではありませんが、独自の処理で規格相当の測定値を出力しています。
- JIS K7374
特長
-
表面で反射して見える物体の像がどれほど鮮明に歪みなく見えるかを示す値です。
例えば、表面に大きな凸凹がある場合は、反射光が分散し、不鮮明で歪んだ像となります。 - 像が鮮明で歪みがないほど値は高くなり、100に近い値になります。
-
一般的に、像が映るような高光沢表面では、グロス(鏡面光沢度)での差異の判別が困難になり、人の視感との相関が悪くなることがあります。
そういった高光沢表面の試料を定量的に測定するのに適しています。 - 本測定装置では受光角60°で測定しています。
概念図
- 結像光学系を介して、光源側スリットの像を結像させます。
- 光学くしを移動させた時の明暗の光量の差と和の比率により写像性値を算出します。
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-
※
本装置では櫛場スリットを使った写像性測定はしておりません。
拡散度について
特長
-
BRDF(反射光)の広がり具合を示すキヤノン独自の指標です。
BRDFについては「BRDFについて」を参照してください。 - 反射光の正反射が強く広がりが小さいほど値が小さくなり、正反射が少なく広がりが大きいほど値が大きくなります。
- 本測定装置では、20°/60°の測定が可能です。
- 20°/60°それぞれ1つの指標で高光沢面から低光沢面まで幅広いサンプルの評価が可能です。
- 既存の指標では差が出にくかったサンプルの差を判別することが可能です。
新しい考え方の像鮮明性指標
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- スペキュラー成分におけるBRDFの広がり具合を数値化
- 像の明るさが変化してもBRDFが相似形の場合は同一値
概念図
- 出力された2次元BRDFの値の幅から算出します。
-
BRDFとその時の値のおおよその関係は以下です。
図はアプリケーションソフトウエアの2次元表示です。
BRDFについて
BRDFとは、光が入射したときに、どの方向にどれだけの光が反射したかを表す、反射光強度の角度分布です。
BRDFは、一般的に下に示す模式図のような装置で測定されます。ある角度ωiで試料面上の位置xに微小光束が入射し、角度ωrの方向に微小光束が反射したときの、入射光束と反射光束の比で表されます。
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本測定装置では受光角20°あるいは60°に対して、正反射およびその近傍で測定された反射光強度の角度分布を取得することができます。
エリアセンサーを配置することで2次元のBRDFを短時間に取得することを実現しています。
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BRDFの表示例(アプリ画面)
1次元 BRDF
2次元 BRDF
3次元 BRDF
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