2024年度から労災保険料率が改定されます
アクタス社会保険労務士法人
2024年3月26日
2024年4月1日より労災保険料率が改定されます。
労災保険制度は、業種別に労災保険率を設定する制度を採用していますが、全54業種のうち、保険料率が引き下げられたのが17業種、引き上げ3業種、34業種が据え置きとなりました。業種平均では0.1/1000引き下げとなり、20年前から継続して引き下げ傾向にあります。
労災保険率は、それぞれの業種の過去3年間の災害発生状況などを考慮して原則3年ごとに改定されています。3年前の見直しでは、労災保険率の改定は行われませんでしたので、6年ぶりの改定内容をご紹介いたします。
労災保険料率の算定方法
今回、6年ぶりに労災保険料率が改定されますが、労災保険料率は3年ごとに審議されており、将来にわたって労災保険事業の財政の均衡を保つことができるよう、事業の種類ごとに過去3年間の保険給付実績等を加味して決定されます。なお、令和6年度分は、業種別に2.5~88/1000の範囲で定められています。
労働保険に係る手続き
労働者が業務上の事由で負傷した際、労災保険料を財源とした労災保険制度から必要な給付を受けることができますが、給付を受けるためには、正しい手続きと保険料の納付が不可欠です。
労働保険関係成立届
一部の個人経営の事業所を除き、労働者を1人でも雇用する事業所は、労災保険へ加入しなければなりません。なお、これは法人単位ではなく、事業所単位で手続きを行う必要があるため、本社以外に支店や営業所等を新たに設立した場合も、原則、手続きが必要です。
なお、事務手続きの簡素化を図るため、同一事業主であることや事業の種類が同じであること等を要件に、複数の事業所の保険関係を1つにまとめることができます。(継続事業の一括)
労働保険料の納付
労働保険料は、年度の当初に1年分の保険料を概算で申告・納付し、翌年度の当初に、実際に労働者へ支払った賃金額をもとに保険料を確定・申告して、精算するしくみになっています。一般的に、この手続きを「労働保険年度更新」といい、毎年6月1日から7月10日までの間に行います。
なお、会社が適切に保険加入手続きを行わず、その間に労災事故が発生した場合、会社が保険給付額を負担しなければならないケースもあります。労働保険の手続き状況につきまして、ぜひこの機会に一度確認してみましょう。
著者プロフィール
アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。
アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング(株)、アクタスITコンサルティング(株)と連携し、中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム構築支援の各サービスを提供しています。
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