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裁量労働制に係る新しい手続きについて
アクタス社会保険労務士法人

  • 会社の処方箋

2023年10月5日

裁量労働制に係る省令・告示が改正され、2024年4月1日から施行されます。この改正に伴い、裁量労働制の導入および継続にあたり、実務にも大きな影響を与えることが見込まれます。今回は、比較的導入が進んでいる専門業務型裁量労働制(以下、専門型)の改正に焦点を当て概要および会社に求められる対応について解説いたします。

専門業務型裁量労働制の改正について

1.労使協定に下記事項の追加が必要となります

  • 制度の適用に当たって労働者本人の同意を得ること
  • 制度の適用に同意をしなかった場合に不利益取り扱いをしないこと
  • 同意の撤回の手続きを定めること
  • 同意及び同意の撤回について労働者ごとの記録を保存すること

2.対象業務に、いわゆる企業の合併・買収(M&A)アドバイザリー業務が追加され、現行の19業務から20業務に拡大されます

この改正により、これまで労使協定と就業規則のみで適用できた専門型も、労働者ごとに同意を得るプロセスが必要となります。同意者と非同意者が混在するような場合には、それぞれ賃金計算方法が異なるなど、管理も複雑化することが予想されます。

なお、施行日以降に新たにまたは継続して裁量労働制を導入するためには、次の時期までに労働基準監督署に協定届の届け出を行う必要があります。

  • 新たに導入する事業場:裁量労働制を導入、適用するまで
  • 継続して導入する事業場:2024年3月末まで

このほか、企画業務型裁量労働制についても改正があります。裁量労働制を導入している、又は導入を考えている方は、早めに今後の措置を検討することをお勧めします。

著者プロフィール

アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。
アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング(株)、アクタスITコンサルティング(株)と連携し、中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム構築支援の各サービスを提供しています。

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