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事業継続計画を持つ企業と持たない企業の違い

事業継続計画(BCP)を持つ企業と持たない企業とでは災害発生後に何が異なってくるのか。
ある企業のシミュレーションです。(ストーリーはフィクションです)

事の起こり

金曜日の朝8:30、職場でPCの電源を入れたその時でした。
どこからともなくカタカタという音がしました。
あっ地震だと思った次の瞬間には事務所は大きく激しく揺れだしました。ロッカーや棚がバタンバタンと大きな音と共に倒れ、机、イス、PC、什器など、ありとあらゆるものが、ひとつのかたまりになって、地震という悪魔によって引っかき回されている、その様な状態でした。
窓ガラスが割れ、天井も落ちてきました。かべにはヒビが走ります。
大きな音、先も見えないようなホコリ・・・・・・。
今回の地震はいままでに経験のない、長く、激しいものでした。

どのくらいの時間が経ったのでしょうか? 「おーい、大丈夫か?」 との問いかけで、やっと我に返りました。
周りを見ると事務所は崩壊し、かつて見たことのない参たんたる光景でした。
今日は娘の誕生日。早く帰る約束をしていました。家族は大丈夫か? 隣町にある我が社の工場は、今どうなっているのだろうか? 3日後に我が社の売上の80%を締める海外のM社への部品納入はできるだろうか? 一般電話も携帯電話も使えない。
窓の外を見ると、つぶれて2階が1階になったマンション、原形をとどめないほどの被害を受けた民家、遠くでは火の手が上がっている所も。
これから一体どうなるのか?何から手をつけたら良いのだろうか? 私は呆然とするだけでした。

あれから6ヶ月が経ちました。
工場は予想通り壊滅的な被害を受けました。この半年間の状況を報告します。

2社の報告

A社の報告
B社の報告

企業存続の境目

上記は例にすぎません。しかし、その一方で「2001年9月11日の米国同時多発テロでは、発生後1ヶ月以内に事業を再開できなかった企業は、1年以内に100%の確率で倒産・廃業した。これに対し、24時間以内に1%でも事業を再開した企業は、1年後100%存続している」(出典: CSOフォーラム)という調査結果があります。
万一に備えた準備がその後に大きく影響すると言えそうです。
また企業責任として、取引先との関係や社会経済に与える影響(サプライチェーン)からも、重要な業務が中断しても短期間での再開が望まれています。

自社だけでなく、社会的な企業責任(CSR)も考えないとな。