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BCP策定例 地震発生時

緊急時には混乱が予想されるため、BCPを細部まで決めていても実際には機能しないことが考えられます。
詳細よりも最低限で事業を継続する方策を決めておくことが大切です。
下記は地震を想定したBCPの策定例です。

BCP発動の基準(例)

この例では分類を3つに分け、救急と法定業務の2つを最重要継続業務と位置付けています。
営業活動や生産活動は基本的に停止しますが、企業としての活動は継続する施策になっています。

分類 業務選定基準 停止の目安
通常業務 影響が自社に留まる 停止
停止による影響が限定的な業務
中断が可能な業務
責任者協議により停止
重要継続業務 経営上重要な業務
上記業務上必要な基盤業務
経営者判断により適宜停止
最重要継続業務 医療関係、法定業務、経営上不可欠な業務 基本的に無停止

指揮系統の決定(例)

対策本部の指揮系統を事前に決めておきます。
何らかの事情で責任者が指揮をとれないことを考慮して、複数の責任者を想定し、状況に応じて速やかに対応できる体制を整えます。

指揮系統の決定(例)

重要業務の復旧目標(例)

特に急がれる重要業務は復旧目標を決めておきます。
下記の例では本社と拠点の業務機能とITインフラの復旧を優先的に着手する手順です。
また顧客からの問い合わせに対応するためにコールセンターの復旧も優先させています。

重要業務 復旧目標
対象 目標復旧時間
本社機能 意思決定・指揮命令体制の整備 12時間以内
コールセンター業務 電話による顧客対応 24時間以内
各拠点の業務 顧客対応・社内対応 24時間以内
ITインフラ 基幹システムの復旧 1週間以内

備蓄品(例)

食料や防寒具、簡易トイレなどの備蓄品の備えを検討します。

備蓄品(例)

その他(例)

社員やその家族との連絡手段を決めておきます。
日ごろの社内訓練も大切です。
自社内だけでなく、地域社会との協調も検討します。

上記は地震発生時の最低のBCP要件です。詳細項目は別途策定する必要があります。
代替仕入れ先や生産の代行などは事前に検討しておきます。
また現代の企業経営はITインフラに大きく依存しています。売上や財務、顧客データなどのバックアップを確実に行い、BCP発動時には速やかに復旧させる体制作りも必要です。