「年次有給休暇取得義務化」への対応が急務です!
~労働基準法改正 その1~
2019年6月3日
2019年4月1日から「年次有給休暇(以下年休)の取得」が義務化されました。
この法改正により、年間10日以上の年休を付与されているすべての労働者※に対して、会社側は最低5日間の年休を取得させる必要があります。
法律に違反した場合、雇用主に対して、労働者1人当たり最大30万円の罰金が課せられます。
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※
雇用体系を問わず、所定労働時間が週30時間以上で日数が週4日か年216日を超え、かつ入社後6ヶ月以上継続して勤務し、その間の出勤率が8割以上である人には10日の年休をとる権利が発生します。
「年休取得」が義務化された背景
厚生労働省の調査結果では、2018年の年休取得率は51.1%でした。
取得率は1998年から20年間50%前後を横ばいで推移しており、世界の国別取得率を比較すると日本は最下位です。(出典:エクスペディア)
50%を取得できていれば十分ではないか!と思うかもしれませんが、正社員の16%は年休取得日数が0日という状況となっており、大きな個人差が生じています。
そのため、まずは「働く方の心身のリフレッシュを図ること」を目的とし、最低5日間の年休の確保が義務化されました。
将来的に、政府は2020年までに年休取得率を70%にすることを目標としています。
会社の経営側はどのような対応が必要でしょうか
労働者に対して、積極的に年休取得をしてもらうための取り組みはされていますか?
もし年休取得のための仕組みがない場合、以下を行うことで、目的である「すべての対象者に5日間の年休を消化させる」ことが実現できる可能性が高まります。
- 労働者の年休取得状況を把握する。
- 取得が進んでいない労働者に対して取得を促す。
- 労働者に対して年休取得日の希望をヒアリングし、取得時期を確定する。
- 取得できていない労働者に対して、組織内で調整した上で年休の時季指定を行う。
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「年次有給休暇管理簿」を作成する。※
※今回の法改正により義務化されました。
とはいえ、「複雑な年休管理を正確に行うのは大変」「社内業務をスムーズに回しながら全員に5日取得させることは難しい」などの理由で、今回の有給取得義務の達成に不安を感じるお客さまもいらっしゃるかもしれません。
「年休5日取得義務」達成のために、「勤怠管理システム」の見直しを検討されてはいかがでしょうか。
「勤怠管理システム」導入のメリット
全従業員分の年休取得予定日の収集や、取得状況をリアルタイムで把握し、本人や上長・経営層などと情報共有することは、手作業やExcel管理では困難であり、人事担当者の負荷となることが予想されます。
さらに、この「1年間」の起算日は2019年4月1日以降の年休付与日となるため、「新入社員がいつ10日付与されて5日取得義務化の対象者となるのか」、「中途入社者など従業員によって起算日が異なる」など、非常に複雑な管理が求められます。
また、今回の法改正に伴い、労働安全衛生法の条文に「客観的方法による労働時間把握の義務化」が追記されました。これにより、タイムカードやPCの使用時間による記録などが認められ、紙の出勤簿やExcelなどでの自己申告をしている企業では、客観的方法への移行が求められます。
勤怠管理システムを利用することで、以下のことが可能になります。
- 従業員の年休取得時季や取得状況をいつでも正確に把握できる。
- 年次有給休暇管理簿の作成が自動でできる。
- 労働時間を客観的方法で記録できる。
- 今後の法改正にも対応できる。
上記のような複雑な管理を行っていくうえでは、勤怠管理システムの活用が不可欠です。
【ご参考】「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」厚生労働省(PDFファイルが開きます)
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf
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