製造業の未来を切り拓く!
~知っておきたい最新の動向~

2025年3月27日
製造業の動向理解し、とりまく環境の変化に対応することがこれからの製造業では求められています。本コラムでは、最新のデジタル技術や持続可能性、人財(材)不足・技能伝承・省人力化など、最新の動向について深堀します。
はじめに
製造業は今、かつてない変革の時代を迎えています。この変革を成功に導くために、未来を形作る重要な要素が5つあるとされています。
- デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性の向上
- グリーントランスフォーメーション(GX)による持続可能な未来の実現
- サプライチェーンの見直しによる効率化とリスク管理の強化
- デジタル技術を活用した人手不足の対応
- コンプライアンスの取り組みによるブランド価値の向上
初回は、これら5つの重要な要素の概要を説明いたします。
次回以降は、各要素の内容について詳しく探り、製造業が直面する課題と解決策を紹介していきます。

注目すべき5つの最新動向のご紹介
1. 製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)
DXは、企業の競争力を大幅に向上させる鍵となっています。最新の動向として、IoTやAI、ロボット技術、クラウドコンピューティングの導入が進んでいます。導入された方々は、生産プロセスの効率化・最適化が実現し始めています。特に、リアルタイムのデータ分析と予測により、迅速な意思決定をすることが可能となってきています。また、デジタルツイン技術(※)を活用することで、仮想空間でのシミュレーションが行われ、生産ラインの最適化が実現されています。これらをいかに活用するかが、企業の進化と事業の継承に直結するものとなっています。
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※
デジタルツイン…「リアル空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを元にサイバー空間で再現する技術」のこと
2. 製造業に求められるGX(グリーントランスフォーメーション)
GXは、企業の持続可能性と競争力を高めるための重要な取り組みになりつつあります。GXは、二酸化炭素(CO2)排出量の削減・エネルギー効率の向上・再生可能エネルギーの活用を中心に進められています。特に、カーボンニュートラル(※)の達成は、企業のブランド価値を高め、投資家や顧客からの信頼を得ることにつながります。最新の動向として、工場での太陽光発電や風力発電の導入、設備の切り替えが進んでおり、これによりエネルギーコストの削減と環境負荷の低減が実現されています。GXは単なる環境対策にとどまらず、企業の成長戦略として位置づけるべき重要な要素になりつつあります。
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※
カーボンニュートラル…二酸化炭素の排出量を削減し、残りの排出量を森林などで吸収して、実質的にゼロにすること
3. サプライチェーンの見直し
製造業におけるサプライチェーンマネジメント(SCM)は、競争力を高めるために不可欠です。SCMは、原材料の調達から製品の製造、物流・販売に至るまでの一連のプロセスを最適化することで、効率的な企業経営を実現します。在庫の適正化やリードタイムの短縮が可能となり、コスト削減と利益の最大化も期待できます。これにより、信頼性の高い供給体制を構築でき、企業のブランド価値を高めることにもつながるでしょう。
また、サプライチェーン全体の可視化により、リスク管理が強化され、予期せぬトラブルにも迅速に対応できる体制が整います。サプライチェーンの見直しは、持続的な成長を支える重要な戦略の1つといっても過言ではありません。
4. 人手不足・人材育成への取り組み
少子高齢化や若者の製造業離れ、熟練技術者の退職が進む中、技能継承にブレーキが掛かっています。デジタル技術を活用したリスキリング(※)やOJT(職場内訓練)の強化が必要不可欠です。
また、外国人労働者の活用や、フルタイム・パートタイムなど柔軟な働き方も再注目されています。
これらの取り組みを通じて、労働力の確保と生産性の向上を目指すことが重要です。
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※
リスキリング…新しいスキルを学び直すこと。技術の進化や仕事の変化に対応するために、既存のスキルを更新したり、新しい分野の知識を習得したりすること
5. コンプライアンスへの取り組み
コンプライアンス(法令順守)への取り組みは、企業の信頼性と持続的な成長を支える重要な要素の1つです。近年は、環境規制の強化や労働法の厳格化などが挙げられます。特に、カーボンニュートラルの達成に向けた環境法令の遵守は、企業の社会的責任を果たすために不可欠です。また、労働環境の改善や安全管理の強化も求められており、労働基準法や労働安全衛生法の遵守が重要となります。さらに、サプライチェーン全体でのコンプライアンスも課題となっており、サプライヤーの監査やトレーサビリティの確保が求められます。法令違反のリスクを最小限に抑え、企業の信頼性を高めることへ繋がります。
まとめ
製造業は現在、急速に変化する環境の中で多くの課題と機会に直面しています。本コラムでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性の向上、グリーントランスフォーメーション(GX)による持続可能な未来の実現、サプライチェーンの見直しによる効率化とリスク管理の強化、デジタル技術を活用した人手不足の対応、コンプライアンスの取り組みによるブランド価値の向上という5つの重要な要素について、ご紹介しました。これらの要素は、企業の競争力を高め、持続的な成長を支えるために重要となります。
次回以降のコラムでは、これらのトピックについてさらに詳しく掘り下げ、具体的な事例や取り組みを紹介していきます。
私たちキヤノンシステムアンドサポートは、製造業の皆様に寄り添い、更なる進化を支援することをミッションに掲げています。これから発信していく情報が皆様の成長と持続可能性に寄与することを願っています。
著者プロフィール
キヤノンシステムアンドサポート株式会社
業種ソリューション推進部 製造ソリューション推進課
森 圭央
製造ソリューション推進課の業務内容
「製造業の進化を支援しよう!」を合言葉に、日本の製造業の皆さんに寄り添い、”モーションセンサーによる作業の可視化サービス”をはじめとするさまざまなソリューションをもって進化のお手伝いを致します。
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