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地域の文化財を見守るネットワークカメラシステムで防災・防犯体制を強化杭全神社

杭全神社 ネットワークカメラ 導入事例
お客さま情報
  • 業種:神社仏閣
  • 職員数:10名
  • 拠点数:1
  • 事業内容:祭祀や祈禱の奉仕、境内清掃、参拝者対応、神社の維持管理、地域との連携
導入ソリューション
AXIS製ネットワークカメラ、ビデオレコーダー「AXIS Camera Station」

課題

  • 既存の赤外線センサーとアナログカメラで誤検知が多発
  • 昼夜問わない発報への対応で身体的・精神的な負担が増大
  • システム管理は職員の知識と手作業に依存

解決策

  • AI機能を搭載したネットワークカメラで検知精度が向上
  • スマートフォンで外出先や自室からでも現地の状況を確認
  • システムの安定稼働・運用支援をキヤノンS&Sが一括サポート

導入効果

  • 2、3日に1回起きていた誤報が月1回程度に減少
  • 必要な時だけの現地確認で職員の身体的・精神的負担が軽減
  • システムの安定稼働で“あるべき神社の姿”を展望する時間を獲得

課題・導入背景

地域の人々と一緒に共同資産として神社を維持管理してきました

近代社格制度の下で諸社(府社)に位置付けられる杭全神社は、地域社会における一種の共同資産として、守られてきた長い歴史があります。地域の人々と一緒に祭事を執り行い、皆の幸せを祈るために神様を祭る社殿を維持管理してきました。
しかし日本にも西洋的な考え方が浸透していく中で、地域の共同体としての結び付きが徐々に変化しています。また、昔のように住み込みの職員が神社を守るという運営も現実的ではありません。こうした状況において神社をどのように維持し、守っていけるのか。杭全神社に限らず、全国各地の神社にとっての共通課題となっています。

防災・防犯設備の改善を図りたいが全てを自費で実施することは困難

神社の防災・防犯面に関して、以前から赤外線センサーとアナログカメラなどを導入していましたが、精度の問題から誤報も多く、悩まされていました。真夜中にアラートで起こされて社務所までモニターを確かめに行っても、実際には野良猫がセンサーの前を横切っただけ、風に揺れた木の葉を検知しただけといったケースが大半です。さらに落雷によって機能しなくなってしまった監視防犯カメラもありました。
社殿や什物などの文化財を守るためにも防災・防犯設備の刷新を図りたいと考えたのですが、その全てを自費で行うのは困難でした。そこで文化庁の重要文化財の防災施設整備に対して適用される補助金を利用して、より実効的なシステムへの刷新を目指しました。

解決策

課題の抽出から最適なシステム構成まで一貫してサポートしてくれました

既存の防犯カメラで頻発していた誤検知に悩まされていた際に、同様の課題を感じていた神社がキヤノンS&Sのソリューションで解決したことを知って相談したところ、ネットワークカメラおよびビデオレコーダー「AXIS Camera Station」を基盤とした、防災・防犯システムを提案してくれました。本殿だけではなく境内全域を見守ることが可能で、人を検知し追跡できる機能を備えたシステムです。
徹底したコスト削減を求める私の要求により、システムの基本設計も二転三転しましたが、キヤノンS&Sは最後まで粘り強く最適なソリューションを提示してくれました。
結果としてこのシステムは、文化庁の調査官や設計監理士からも防災に対する高い価値と投資対効果が認められ、スムーズな導入が実現しました。

導入効果

2、3日に1回起きていた誤報が月に1回程度にまで削減されました

「AXIS Camera Station」に搭載されている「AXIS Object Analytics」というAIアプリケーションを活用すれば、検知対象を“ヒト”という属性に絞ることが可能です。これにより特定エリアに不審な人間が侵入した場合にのみ発報する仕組みを導入し、従来のシステムで使用していた動体検知よりも精度が大きく向上しています。
具体的には、2、3日に1回起きていた誤報の件数は、システム導入後には月に1回程度にまで減少しています。また、夜中や外出時にアラートを受けた場合でもスマートフォンで現地の様子を確認できるため、対処そのものや対処の可否についても迅速な判断が可能になりました。

導入ソリューションネットワークカメラ

今後の展望

神社としての伝統を考慮しつつ可能な範囲でシステム導入を検討

毎年7月に4日間にわたって行われる夏祭りの期間中には、合計9台のだんじりの曳行(えいこう)があり、大阪でも指折りの規模を誇るだんじり祭りとして、毎年30万人を超える大勢の人出でにぎわいます。日々の防災・防犯はもとより、こうした祭事の安全を見守る仕組みとしても、今回導入したネットワークカメラシステムの活用を検討しています。
また、神社で執り行う神事という性質上、効率性や経済性とは別の指標で継承していくべき神道の儀式や職務も数多いのですが、そうした伝統とのバランスを考慮しつつ、可能な範囲でシステム化を進め、職員の負荷軽減を検討していきたいと考えています。

杭全神社

貞観(じょうがん)4年(862年)、平安時代初期の征夷大将軍として知られる坂上田村麿の孫である当道が素戔嗚尊(すさのをのみこと)を勧請(かんじょう)して第一本殿に平野郷の氏神として祭り、創建したと伝えられている古社である。第一本殿、第二本殿、第三本殿はいずれも国の重要文化財に指定されている。

  • 所在地:〒547-0046 大阪府大阪市平野区平野宮町2-1-67
  • 職員数:10名
  • 事業内容:祭祀や祈祷の奉仕、境内清掃、参拝者対応、神社の維持管理、地域との連携

2025年06月現在

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