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中小企業生産性革命推進事業に係る補助金等
アクタス税理士法人

  • 会社の処方箋

2022年5月30日

新型コロナウイルス感染症や働き方改革、人手不足、インボイス制度や電子取引への対応など近年企業ではさまざまな経営課題が発生し、これらへの対応のため「生産性向上」や「制度変更」への取り組みが必要とされております。中小企業等のこれらの取り組みを支援するために「中小企業生産性革命推進事業」では、令和3年度補正予算や令和4年度予算でも引き続き設備投資やIT導入、販路開拓等に取り組む中小企業等を補助金で支援しています。今回は中小企業の皆さまにぜひ検討いただきたい補助金についてご紹介します。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

中小企業等(業種別に一定の資本金や従業員数以下の法人等のことをいいます)がコロナ禍によるテレワークの普及などでデジタル化が急激に進んだ社会変化に対応するため雇用拡大・DX戦略・環境問題等に対して行う革新的な開発や生産性向上のための設備投資の経費の一部を補助する補助金です。

通常枠 回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠 グローバル展開型
補助上限 750万円~1,250万円
(従業員規模による。グリーン枠は1,000~2,000万円)
3,000万円
補助率 1/2~2/3 2/3 1/2~2/3
補助金の対象 機械装置・システム構築費(単価50万円(税抜)以上の設備投資)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 左記に海外旅費が追加
締切 (第11回)2022年8月18日17時(今後も申請受付を継続

IT導入補助金

中小企業等が業務効率化等といった経営力の向上や強化を図ることを目的としてソフトウエアなどのITツールを導入した時のその経費の一部を補助するものです。インボイス制度を来年に控えているため、企業間取引や経理DX化を推進するためのデジタル化基盤導入枠という特別枠が設けられました。

通常枠 デジタル化基盤導入枠
補助上限 A類型 B類型 デジタル化基盤導入類型 複数社連携IT 導入類型
150万円未満 450万円以下 会計、受発注、決済、EC ソフト PC・タブレット等 レジ・券売機
  • (1)
    左記の対象経費は同じ
  • (2)
    消費動向等分析経費
    50万円×参画事業者数
    ※(1)+(2)で3,000万円
  • (3)
    事務費・専門家費200万円
50万円以下部分 350万円以下部分 10万円 20万円
補助率 1/2以内 3/4以内 2/3以内 1/2 以内 左記に係るものは同じ左記以外の経費は2/3 以内
補助金の対象 ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大1年分)、導入関連費 通常枠に加えてハードウェア購入費クラウド利用費は最大2年分 左記に加えて効率的に連携するためのコーディネート費や専門家謝金も対象

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者販路開拓のために行う新商品の開発や、新規顧客獲得するためのインターネット広告の掲載や展示会への出展などの経費などにかかった経費の一部を補助する補助金です。

通常枠 特別枠(賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠、インボイス枠)
補助上限 50万円 200万円(インボイス枠については100 万円)
補助率 2/3 2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者については3/4
補助金の対象 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出店費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資材購入費、雑役務費、設備処分費、委託・外注費
締切 (第8回)2022年6月3日 ~(第11回)締切2023年2月下旬までの予定

Q&A

Q1
生産性革命推進事業の補助金以外に中小企業を支援する補助金はありますか?
A1

例えば、5月下旬から申請の受付が始まる「事業再構築補助金」があります。
この補助金は、コロナ禍の影響によって売り上げが減少している中でも、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済環境の変化に対応するために、新分野展開、業態転換、事業・業種転換等の思い切った「事業再構築」を行うことに挑戦する事業者を補助するもので、次のように5つの枠があります。

図:事業再構築補助金
Q2
補助金の申請は、主にどこで行えばいいですか?
A2

「小規模事業者持続化補助金」以外は、電子申請での対応となります。電子申請を行うためには「G ビズID プライムアカウント」の取得が必要となり、発行後でなければ補助金の申請を行えません。
G ビズID とは、1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムで、省庁だけでなく一部の地方自治体でも利用できるサービスがあります。このアカウント発行の場合は、印鑑証明書や代表者印等が必要で、審査があるため発行には通常一週間程度時間がかかります。

Q3
補助金では認定支援機関の支援が必要なのでしょうか?
A3

例えば、事業再構築補助金の申請については、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)と事業計画を策定(補助金額が3,000万を超える場合には認定支援機関および金融機関と策定)することが必要になります。アクタス税理士法人は認定支援機関でありますので、お気軽にご相談ください。

Q4
補助金の交付までに気をつけることはありますか?
A4

補助金は、要件にもとづいて計画を作成し、申請を行って審査を受けます。その後採択されると、補助金の交付申請に対して交付決定が出て、初めて事業を開始することができます。交付決定の前に、事業に着手すると補助を受けられないことが原則ですので注意が必要です。また、事業を実行後においてまず支払いを行って、実績報告後に初めて補助金は入金されるので、支払いが先行する分資金繰りにも注意が必要です。

Q5
補助金の収入に対する税制上の優遇措置は何かありますか?
A5

補助金によって資産を取得する場合には圧縮記帳が適用できるときがあります。
圧縮記帳とは、有形固定資産の取得に際して収益(補助金等)が発生した場合に、その有形固定資産の取得価額を減額(圧縮)することで圧縮損を計上し、収益と圧縮損を相殺して課税を繰り延べる制度です。
今回紹介した4つの補助金は、法人税法第42条および所得税法第42条に規定する国庫補助金等に該当するため、国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入の規定を使うことができます。

著者プロフィール

アクタス税理士法人
税理士、公認会計士、社会保険労務士など100名を超えるプロフェッショナルが中心となり、クライアントのライフステージに応じたあらゆるニーズに対応したサービスを提供しています。

また、電子インボイスの標準化や普及促進を目的として設立された団体である「電子インボイス推進協議会」に加入しています。

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