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今年も大きく変わる!令和2年(2020年)の年末調整
~基礎控除・給与所得控除の改正内容とその影響~

  • 会社の処方箋

2020年8月5日

例年、年末調整に苦労されていないでしょうか。
今年は平成30年度税制改正大網の影響を受けて大幅に書類が変わり、令和二年(2020年)度の年末調整は例年以上の煩雑さになるといわれています。
コロナ禍の影響で書類の提出・申請が対面では難しいシーンも想定されます。
改正ポイントや変更点を押さえて業務の見直しをしてみませんか?

1.給与所得の引き下げ

給与所得者に関係する部分です。
給与所得控除額が一律10万円の引き下げされます。
また、給与所得控除の上限額が適用される給与額が850万円を超える場合、控除の上限が195万円に引き下げになります。

給与等の収入金額 給与所得控除額
改正前 改正後
162万5千円以下 65万円 55万円
162万5千円超 180万円以下 その収入金額x40% その収入金額x40%-10万円
180万円超 360万円以下 その収入金額x30%+18万円 その収入金額x30%+8万円
360万円超 660万円以下 その収入金額x20%+54万円 その収入金額x20%+44万円
660万円超 850万円以下 その収入金額x10%+120万円 その収入金額x10%+110万円
850万円超 1000万円以下 195万円
1000万円超 220万円

2.基礎控除の変更

すべての納税者に関係します。
一律10万円の引き上げになります。
ただし、2400万円を超えた場合、控除額は金額に応じて変わり、2500万円を超えると適用されなくなります。

イメージ 基礎控除の変更
合計所得金額 基礎控除額
改正前 改正後
2400万円以下 38万円 48万円
2400万円超 2450万円以下 32万円
2450万円超 2500万円以下 16万円
2500万円超 適用なし

3.所得金額調整控除の創設

イメージ 所得金額調整控除の創設

年収が850万円を超える人は給与所得控除引き下げの関係で実質増税とります。
一方で「本人が特別障がい者である場合」「23歳未満の扶養家族がいる場合」「特別障がい者である同一生計配偶者または扶養親族がいる場合」には所得金額調整控除が適用されます。

4.配偶者、扶養親族などの合計所得金額要件の見直し

配偶者控除や扶養控除、勤労学生控除などに関係してくる部分で、それぞれの合計所得金額要件が、現行のものから一律10万円ずつ引き上げられます。

合計所得金額要件 改正前 改正後
同一生計配偶者 38万円 48万円
扶養親族 38万円 48万円
源泉控除対象配偶者 85万円 95万円
配偶者特別控除の対象となる配偶者 38万円超 123万円以下 48万円超 133万円以下
勤労学生 65万円以下 75万円以下

5.必要書類の変更

年末調整に必要な書類が2種類追加されます。

「扶養控除等申告書」「配偶者控除等申告書」「保険料控除申請書」
「住宅借入金等特別控除申告書」「基礎控除申請書」「所得金額調整控除申告書」

このうち「配偶者控除等申告書」「基礎控除申請書」「所得金額調整控除申告書」は1枚の様式になるため、配偶者の有無にかかわらず提出が必要です。
また所得金額の見積額を記入するようになっているため、確定後に修正が必要になる可能性があります。

令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

6.年末調整手続きの電子化が本格始動

イメージ 年末調整手続きの電子化が本格始動

控除証明書等を電子データで提供できるようになり、原本提出が不要になるなります。
これより、これまで保険会社等からハガキなどの書面で交付されていた控除証明書等が電子データで取得できるようになり、データのまま勤務先に提出できるようになります。

7.法定調書100枚以上の事業者の電子提出が義務化

イメージ 法定調書100枚以上の事業者の電子提出が義務化

前年の法定調書の提出が100枚以上になった場合はe-TAXまたはCDやDVDなどの光ディスク等で電子申告する必要があります。(2021年1月提出分より)

キヤノンシステムアンドサポートでは年末調整システムのご相談を承っております。
令和2年の年末調整 変更ポイントを押さえて、年末調整業務を乗り切りましょう!

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