パソコン稼働ログを就業時間の証跡として建設業の「2024年問題」に対応
中村建設株式会社


- お客さま情報
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- 業種:建設業
- 社員数:214名
- 拠点数:11
- 事業内容:総合建設業(土木、建築、大工、左官、とび・土工・コンクリート、石、屋根、管、タイル・レンガ・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上げ、熱絶縁、造園、建具、水道施設、解体、電気)設計施工・宅地造成および分譲・不動産・産業廃棄物処理・発電事業
- 導入ソリューション
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IT資産管理システム「SKYSEA Client View」、まかせてIT 情報漏えい対策安心パック
課題

- 法改正に対応した時間外労働の上限規制順守が急務
- 就業時間の記録が自己申告のため不正確かつ稼働ログの内容確認が困難
- 社会や取引先からの要請に合わせたセキュリティ対策の強化が必要
解決策

- 就業時間の客観的証拠にパソコンの起動・終了時間を活用
- SKYSEA Client Viewの導入により各パソコンから稼働ログが取得可能
- セキュリティ対策の強化に向けた継続的なサポートを依頼
導入効果

- 従業員の就業時間だけでなく端末の稼働ログも正確に記録
- 蓄積した稼働ログを労働基準監督署へ客観的資料として提出
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パソコン管理やセキュリティ対策に当たるIT担当者の業務負担軽減
課題・導入背景
従業員の就業時間を客観的記録に残す

2024年4月1日より、建設業でも時間外労働の上限規制の適用が始まりました。このいわゆる「2024年問題」により、時間外労働は原則として月45時間、年360時間以内となり、特別条項付きの36協定を結んだ場合でも、単月100時間未満、複数月平均80時間以内、年720時間以内に制限されます。この規制がしっかり守られているかどうかを確認する、労働基準監督署による立ち入り調査も行われます。そうした調査に対して従業員の就業時間を正確に記録し、履歴(稼働ログ)として残し、客観的証拠とする必要がありました。
従来の就業時間管理では、客観的記録の確保に課題がある

従来は従業員や作業者の自己申告に基づく就業時間をExcelで集計・管理しており、不正確だと思われる記録も少なくありませんでした。また、出勤・退勤時刻をスマートフォンから打刻する仕組みも整備しましたが、依然として打刻漏れなどのミスを防げませんでした。
こうした状況はコンプライアンスやガバナンスの観点から改善すべきだと考え、従業員が使用するパソコンの起動・終了時間を就業時間を客観的証拠として記録していく方針を決めました。そこで無償のアプリケーションを利用して端末の利用時間の稼働ログを取得する仕組みを構築したのですが、VPN経由のデータの送受信が不安定になり稼働ログが不完全になることも多く、この仕組みの改善は不可欠だと感じていました。
そうした課題を解決してもらえるパートナーを探す中、キヤノンS&Sから「SKYSEA Client View」と「まかせてIT 情報漏えい対策安心パック」を組み合わせた仕組みの提案を受けました。
解決策
「SKYSEA Client View」の使い勝手の良さは他製品を大きく上回っていました

「SKYSEA Client View」は以前から名前を知っており、特に稼働ログの管理機能が充実している点に注目していました。従来の無償のアプリケーションを用いた仕組みでは大量の稼働ログを集めることしかできず、一人ひとりの特定日時の就業時間(パソコンの起動から終了までの時刻)を確認するにも、煩雑な手間と多大な時間を要していました。その点、「SKYSEA Client View」では稼働ログの内容が分かりやすく可視化されるため、容易に確認できます。
従来使っていたアプリケーションの商用版へのアップグレードや、他社のクライアント管理ソリューションも検討しましたが、「SKYSEA Client View」の使い勝手の良さは、それらを大きく上回っていました。加えてキヤノンS&Sの「まかせてIT 情報漏えい対策安心パック」による充実したサポート体制も大きな評価ポイントとなり、社長や人事部長からも高い評価を受けて導入を決めました。
導入効果
各地の現場で不具合を起こしたパソコンを遠隔でメンテナンス

「SKYSEA Client View」の導入により、全社に170~180台あるパソコンから安定して稼働ログが取得でき、労働基準監督署による監査に対しても客観的証拠を提出できるようになりました。また、同じ稼働ログを利用し、従業員が、情報セキュリティやコンプライアンスの観点から問題のある行動をした場合も、稼働ログから勤務状況の調査ができるようになるなど、コーポレートガバナンスの強化にも貢献しています。
当初の導入目的ではなかった端末のリモート操作機能にも重宝しています。各地の拠点や現場でパソコンが不具合を起こした場合、これまでは電話対応や現地まで行く必要がありました。「SKYSEA Client View」導入後は、本社から遠隔でのメンテナンスが可能となり、システム管理業務の負荷軽減に貢献しています。
導入ソリューションIT資産管理システム
今後の展望
ユーザーの利便性とバランスがとれたセキュリティ対策が急務

急がれるのはセキュリティ対策の強化です。これまでも各パソコンに対してUSBメモリの利用制限やメール暗号化を図るほか、会社貸与のスマートフォンに対してMDM(モバイルデバイス管理)導入などに取り組んできましたが、現場からは利便性低下への反発もあり、思うような効果を上げられないこともありました。それにより少人数で対応しているIT管理部門の負担も増していました。
今後は、「SKYSEA Client View」のまだ利用していない機能も取り入れていく予定です。「まかせてIT 情報漏えい対策安心パック」のサポートを活用しながら、BCP(事業継続計画)の強化やPマーク(プライバシーマーク)の取得を視野に入れ、セキュリティ対策と使いやすさの両立を目指した体制づくりを進めていきます。
中村建設株式会社

建築・土木・住宅の設計施工管理を手がける総合建設業。東日本大震災の復旧事業に長期間貢献するほか、地盤沈下対策にも積極的に取り組み、流動化処理土に関する特許を取得。CSRやSDGsに加えグリーントランスフォーメーション(GX)にもいち早く対応してきた。
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所在地:静岡県浜松市中央区中沢町71-23
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社員数:214名
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事業内容:総合建設業(土木、建築、大工、左官、とび・土工・コンクリート、石、屋根、管、タイル・レンガ・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上げ、熱絶縁、造園、建具、水道施設、解体、電気)設計施工・宅地造成および分譲・不動産・産業廃棄物処理・発電事業
2025年8月現在
関連情報
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キヤノンシステムアンドサポート株式会社