建築業ではどう使う?
ドキュメントスキャナー体験リポート
業界あるある紙事情 「建築会社の事務担当編」膨大な量の図面や申請書……デジタル化して迅速な書類検索を可能に
読者モニターに、キヤノンのドキュメントスキャナー「imageFORMULA」シリーズの感想や活用法を伺うこの企画。今回は、建築会社で事務を担当するOさんに、据え置きタイプのドキュメントスキャナー「DR-C225II」を使っていただいたので、その感想を紹介しよう。
スキャンが早く、たまった資料を手早くデジタル化できる
Oさんが勤務する会社では、年間100棟の戸建て住宅を手がけているという。1棟の住宅を建てるだけでも図面や申請書など大量の書類が必要となる上に、取引業者や職人さんとのやり取りで使う見積書や請求書、顧客との打ち合わせに利用するパンフレット類などもあり、職場は紙資料であふれかえっているそうだ。すでに引き渡しが終了した物件の資料については、段ボール箱に入れて保管しているとのこと。
「昔は資料が整理すらされていなかったんですよ。でもそれじゃいけないってことで、保管方法のルールを作ったんですね。それで過去の図面や資料などを見つけられるようになりました」とOさん。現在は、資料の入った段ボール箱を時系列にまとめ、どの箱にどの物件の資料が入っているのかをパソコンで確認できるようにしているのだ。
だが、紙の資料はかさばるもの。昔に比べて作業効率は改善されたものの、年を追うごとに資料の量も増えて、いまでは倉庫がいっぱいになっているらしい。その状況をなんとか改善したいと考えていたところで、ドキュメントスキャナーを利用した紙資料のデジタル化について知ったという。
会社で使っているコピー機にもスキャナ機能は搭載されているが、これまで使ったことがないというOさん。スキャナー専用機についても、紙の上をこするように動かして取り込むハンディタイプというイメージを抱いていたとのこと。そこでDR-C225IIを使ってみたところ、何枚もの資料をまとめて素早くスキャンできることに驚いたそうだ。
「書類の取り込みって、すごく時間がかかるものだと思っていたんですよ。プリンターのカラー印刷だってそこそこ時間がかかるじゃないですか。だからなぜか、カラーのスキャンはもっと遅いに違いないと(笑)。試してみたら予想とは全然違っていて、アッと言う間に終わった感じです」
Oさんがまずデジタル化してみたのは、建築現場の写真や請求書類。1分間で25枚の原稿をスキャンできる(解像度200dpi時)DR-C225IIなら作業が早く、たまりにたまった資料がどんどんデジタル化されていく。OさんはDR-C225IIに、高い可能性を感じているという。
「できるところ」から紙のデジタル化を進める
だが、すべての紙資料をデジタル化できるというわけではないらしい。例えば、実際の作業で職人さんが確認する”施工図”だ。職人さんはいずれもベテランぞろいなのだが、パソコンやタブレットには詳しくない人が多い。そのためデジタル化された図面ではなく、A3用紙に印刷した図面を折ったりのり付けしたりして、A4サイズに製本して使っているそうだ。
また、作業が終わって使わなくなった施工図については、メモがダイナミックに書き込まれていたり別の紙が貼られていたりすることもある。そのため、「そのままデジタル化するのは難しいかもしれない」とOさんは言うのだ。
会社の紙資料をすべてデジタル化するのは難しいが、できるところから始めるつもりだとOさんは語る。紙として残しておかなければならない資料は従来の方法で保管しつつ、請求書や見積書など日常的な書類については、積極的にデジタル化を進めているそうだ。図面については、デジタル化できそうなものから徐々に取り組んでいくとのこと。A3用紙に印刷されたものが中心だが、DR-C225IIでは半分に折りたたむことでA3サイズをスキャンできるので対応可能だ。重要な書類は会社の方針として紙を残しておきつつ、過去の資料をちょっと確認したいときに、キーワード検索できるデジタル資料を使う。そんな運用方法を、Oさんは考えているらしい。
また新たな試みとして、住宅瑕疵(かし)担保責任保険のオンライン申請を考えているという。これは住宅に欠陥などの問題があり補修が必要となった場合、補修費用をまかなうことができる業者向けの保険。新築物件は必ず加入する必要があり、その手続きや保険料の支払いについては、住宅業者が行わなければならないのだ。
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同制度の詳細については、国土交通省のウェブページをご参照いただきたい。
通常では保険会社の窓口に書類を提出する必要があるのだが、Oさんの会社が加入している保険にはオンライン申請のサービスが用意されている。これは、サイトからダウンロードした申請用紙に必要事項を書き込み、スキャンした文書をアップロードすることで手続きを大幅に簡略化できるというもの。さらに保険料が割り引きされることもあって、Oさんはとても興味があるという。確かにDR-C225IIを使えば、申請用紙の取り込みはスピーディーかつ簡単だ。節約できる保険料を考えれば、新たなスキャナーを導入したとしてもまだお釣りが返ってくる。
「いまはデジタル化できそうなところだけですが、いずれは現場でも普通にデジタルの資料を扱えるようになればと思っています」とOさんは語る。
すべてを一度に変えると現場が混乱する可能性もあるが、対応できる部分から紙のデジタル化を徐々に進めていくことで、自然に移行できるだろう。職場におけるOさんのこれからの活躍に期待したい。
imageFORMULA ドキュメントスキャナー ラインアップ
DR-C225 II
毎分25枚※、積載量30枚(A4、80g/m2)、読取り目安:~5,000枚/月 ※白黒・A4タテ片面・200dpi時(DR-P215II USB3.0×1本、DR-P208II USB2.0×1本接続時)
DR-P215II
毎分15枚※、積載量20枚(64g/m2)、読取り目安:~1,000枚/月 ※白黒・A4タテ片面・200dpi時(DR-P215II USB3.0×1本、DR-P208II USB2.0×1本接続時)
DR-P208II
毎分8枚※、積載量10枚(64g/m2)、読取り目安:~500枚/月 ※白黒・A4タテ片面・200dpi時(DR-P215II USB3.0×1本、DR-P208II USB2.0×1本接続時)
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白黒・A4タテ片面・200dpi時(DR-P215II:USB2.0×2本/USB3.0×1本/USB2.0×1本+ACアダプター接続時、DR-P208II:USB2.0×1本接続時)。
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ADF(Auto Document Feeder):複数枚の原稿を自動的に給紙する装置。記載の枚数は最大トレー積載量です (※用紙の種類によっては積載量が増減します)。