アナログメーターの数値をカメラと映像処理技術でデータ化し検証作業に活用 三芳合金工業株式会社
- お客さま情報
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- 業種:非鉄金属製造
- 社員数:140名(2026年6月現在)
- 拠点数:2
- 導入ソリューション
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製造現場向けソリューション「Vision Edition 2」
- 圧力計の数値をデジタルデータで取得したいが製造設備の買い替えは高コスト
- 製造工程で不良品が出た場合に手書きによる日報の数値だけでは原因究明が困難
- AI(機械学習)の活用を見据えた素材の特性データを取得する仕組みが必要
- カメラで圧力計の数値を読み取ってデジタル処理する環境を構築
- 記録されたデジタルデータを用いて不良品発生時の数値の変化を検証
- 機械学習に必要な大量のデジタルデータ収集を可能にするツールの導入
- 圧力計の数値をほぼリアルタイムで自動記録。必要時に参照可能
- 不良品発生時に押出機の圧力に変化があったかどうかの振り返りが可能
- 押出機の圧力など素材の特性データを大量に集める仕組みづくりを推進
課題・導入背景
圧力計の数値を製造担当者が目視で読み取り手書きで記録するものの変化が分かりにくい
製造現場ではベテランと若手が混在して仕事をしています。押出機の担当者は操作開始時に操作盤に取り付けられているアナログの圧力計が示す数値を手書きで日報に記録しています。予期せぬ不良品が発生した場合、ベテランの従業員は長年の経験を基に圧力が変化したためではないかといった原因を推測します(萩野氏)。
しかし手書きの記録以外、圧力計の詳細なデータがないため、若手など説明を聞く人にとってはさまざまな解釈が生まれ、原因究明が難しいという課題がありました。押出機の圧力をデジタルデータで取得できる装置に買い替える方法もありますが、コストがかかるだけでなく、交換時の操業にも影響があります。そこで容易にデジタルデータを取得できる仕組みを探していました(江口氏)。
素材の歩留まりに影響しかねない押出機のアナログ圧力メーターの数値をデジタル化
三芳合金工業の特殊銅合金素材は、自動車や航空機、半導体などのほか、ロケットや核融合実験炉などの部品の材料として使われています。素材の一貫生産により自由に銅合金の機械的・物理的性質を制御できることが強みで、取引先の課題・要望に応じて素材を開発・製造しています(萩野氏)。
数年前、開発や製造工程の高度化のため、特性データを機械学習して分析する取り組みにチャレンジしましたが、デジタル化された記録が十分にそろっておらず、時期尚早という判断に至りました。例えば、押出機はデジタル化されておらず、記録は操作開始時にアナログメーターの数値を手書きで記録したものしかありませんでした。歩留まりにも影響しかねない押出機の圧力を、継続的かつ効率的にデジタルデータとして記録できるソリューションはないか検討していたのです(江口氏)。
解決策
ほぼリアルタイムのデジタル化が可能な製造現場向けソリューション「Vision Edition 2」
取引先の要望や課題に応える高品質な素材づくりで重要になるのが人です。人材育成の面ではさまざまな活動を続けており、ベテランから若手への技術継承も重要なテーマです。そんな中、複合機などで取り引きのあったキヤノンS&Sから提案を受け、モーションセンサーを活用して作業者の動作をデータ測定・分析する、技術継承支援サービステストを実施しました。そうした取り組みと並行して、工場内の異常検知のソリューションとして製造現場向けソリューション『Vision Edition 2』を紹介されました(萩野氏)。
ネットワークカメラと映像処理技術を用いるこのソリューションの機能を聞いていくうちに、検討していた製造設備のアナログメーターが示す数値を読み取り、デジタルデータとして記録する仕組みとして利用できるのではないかと考えました。キヤノンS&Sの担当者に相談したところ、すぐに社内で検討してもらった結果、対応できるとの回答を得ました。製造設備を入れ替えるのと違い、押出機の操作盤にあるアナログ圧力メーターを撮影するカメラを、やぐらを作って設置するだけです。製造設備の稼働を停止することなく導入できることも魅力でした。アナログメーターの読み取り間隔も1秒以内で、ほぼリアルタイムでデジタルデータの取得・記録ができるようになりました(江口氏)。
導入効果
押出機の圧力の変化が影響するかどうか原因究明の判断材料になるデジタルデータ
『Vision Edition 2』によるデジタルデータの記録(ログ)は膨大になるため、日々の業務で必要な数値をログから抜き出して参照するのは大変です。そこで従来通り、押出機の操作担当者による数値の記録は続けています。一方で、不良品の発生や歩留まり低下などの問題が発生した際には、記録されている製造時のログを参照しています。圧力のデータに変化があったのか、なかったのかを確認して原因究明に役立てるなど、部門内での振り返りがしやすくなりました。圧力計のログに変化がなかったとしても、温度の変化など別の原因があるのではないかとの推測も可能です(江口氏)。
導入ソリューション
今後の展望
宇宙産業などミッションクリティカルな分野で使われる素材に挑戦
当社で開発・製造する素材は、宇宙・航空産業や核融合炉の研究など失敗が許されない分野で利用される比重が高くなっています。企業としてのリスクを減らし、素材の信頼性を高めるための裏付けとして、「Vision Edition 2」を活用したログの記録が重要になります。取引先が工場見学に訪れた際、押出機の操作盤上に取り付けたカメラを見てデジタルデータの取得・記録に向けた取り組みに関心を示してくれることもあります。当社は核融合実験炉の素材の開発・製造のように、新しいことに挑戦する精神を企業文化として大切にしています。AIを活用した特性の解析などは今後のチャレンジとなりますが、「Vision Edition 2」による製造設備から得られるデータのデジタル化は、その第一歩になると期待しています(萩野氏)。
三芳合金工業株式会社

1941年の創業以来、特殊銅合金の研究開発・製造を一筋に推進。溶解、鋳造、押出、引抜、熱処理、機械加工などの設備を保有し、特殊銅合金材料を一貫生産する体制を整備するとともに技術継承、人材育成に注力している。
- 所在地:〒354-0045 埼玉県入間郡三芳町上富508
- 社員数:140名
- 事業内容:特殊銅合金の開発・製造
2026年6月現在
関連情報
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キヤノンシステムアンドサポート株式会社