新技術をフレキシブルに取り入れ構造物検査・診断方法のさらなる進化に挑み続ける株式会社 ジャスト
業種: 建設・不動産| 従業員数:499名 | 成果:顧客/従業員満足度向上
検査・診断のエキスパート×最先端テクノロジー。あらゆる構造物の安心・安全を見極める株式会社ジャスト
1972年の創業より、建築構造物の検査・調査・診断を手がける専門会社。非破壊検査・超音波試験法のパイオニアとしてノウハウを蓄積しながら、長年にわたって業界をリードしてきました。時代のニーズに応える形で2015年には、土木分野にも進出。以降、住宅やビル、商業施設、公共施設、工場から、ダムやトンネル、橋梁などに至るまで、あらゆる建築・土木構造物の検査・調査・診断で確かな信頼と実績を重ねています。
同社では、サービス品質の向上をめざして常に新技術の発掘・導入を模索。そこで業務の効率化・省人化を図るため、キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)の「インスペクション EYE for インフラ」を活用し、大きな可能性を見出しています。建設コンサルタント事業部の金替氏、森田氏に、導入の背景や選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。
01 導入背景点検・診断業務の効率化と省人化はもはや業界全体のトレンドに
橋梁やトンネルといった社会インフラの老朽化が社会的な問題となり、2015年に土木構造物の点検・診断部門を立ち上げた株式会社ジャスト。その中で、同社では具体的にどういった課題があったのでしょうか。
社会や時代のニーズに応えるプロ集団としての使命
森田氏:2012年に起きた「笹子トンネルの天井板落下事故」をきっかけに、高度経済成長期の建設ラッシュでつくられたインフラ構造物の老朽化が社会問題になりました。それにより2014年に道路法が改正され、すべての橋梁・トンネル等においては5年に1回の頻度を基本とした近接目視による定期点検が義務化されることに。一方で、高所での近接目視は足場や建設機械等の重機による作業を必要とし、点検結果の整理には人手と時間を要するというコストの問題がありました。少子高齢化による労働人口不足という背景もあり、政府がDX活用をはじめとする新技術の導入を推奨する流れとなり、すなわち、我が社に与えられた使命になったのです。
常に情報にアンテナを張り、新技術の発掘に取り組む
森田氏:実際の点検現場では、労務集約的な作業を行っており、今日においても、それが全業務の大半を占めています。DX化は一朝一夕には進みません。ただ、業務のDX化は業界全体のトレンドであり、とくに少子高齢化による人手不足を視野に入れた業務の効率化・省人化は喫緊の課題です。インフラ点検の質を下げずに、DX化をどう実現するのかという点が我々の重視するポイント。そこで実務に活用できる新しい技術はないかと、常にアンテナを張っていました。そうした中で目に留まったのが、キヤノンMJの「インスペクションEYE for インフラ」(以下、インスペクションEYE)だったのです。まずはトライアルとして導入することにしました。
02 選定理由カメラメーカーとして培ってきた確かな技術と細やかなサポート力
各メーカーが研究・開発に注力し、次々と登場する多様な新技術。そうした中でキヤノンMJのインスペクションEYEを選択した理由はどこにあったのでしょう。提案内容や決め手などをお伺いしました。
価値ある技術を見定める目が「縁」を引き寄せる
金替氏:まずは、当社のこれまでの歩みや風土についてお話しさせていただければと思います。我が社は、鉄骨溶接部の超音波試験を行う会社として創業されました。現在、新築高層建築分野の検査業務は約7割のシェアを有しています。業務においては、超音波探傷器やRCレーダ探査機器、3Dレーザースキャナ、ドローン、1億画素カメラ、AIなどの従来技術から最先端テクノロジーを積極的に活用して付加価値の高いサービスを提供してきました。様々な調査機器、調査方法にチャレンジする意識が強く、新しい技術を取り入れる柔軟性も特徴の一つです。そんなチャレンジ・スピリットが根づき、いいモノには投資を惜しまない会社であるからこそ、キヤノンMJさんとのご縁は必然だったのかも知れませんね。
「遠方自動撮影システム」の有用性を直感
金替氏:最初の出会いは、当社が出展していた展示会でした。ちょうど来場されていたキヤノンMJさんが私たちの事業に注目してくださり、お声がけいただいたのがきっかけです。その際にインスペクションEYEの説明をしていただきました。会社として土木構造物の点検・診断業務に注力しているタイミングでもあったので、非常に興味深かったのを覚えています。特に惹かれたのは、橋梁やトンネルの高い場所の画像も精密に撮れる「遠方自動撮影システム」です。通常は、足場や高所作業車等を使用して、構造物に近接して点検する方法が主であるため、安全面に留意したり、人手や時間、コストを要するといった課題があります。それを解消する新技術として「これだ!」と直感。その後も足繁く通って、相談にのってくださったキヤノンMJさんの丁寧な対応も導入の決め手になりました。
03 導入後の成果難度の高い撮影のDX化と煩雑な検知・集計業務の省力化に成功
構造物点検に欠かせない精密な画像撮影を実現
森田氏:橋梁やトンネルの老朽化を見極める点検においては、点検対象物の画像撮影が最初の工程となります。広い画角の画像では、細かなひび割れを確認できないため、それぞれの点検箇所を複数のグリッドに分割するイメージで細かく撮影するのが基本です。そのためにカメラと三脚を少しずつ移動させながらグリッド撮影していくというやり方をしています。ある程度のシミュレーションをしてから実行するわけですが、人の手で行うので、どうしても想定より撮影角度や画角がずれてしまうことがあります。しかし、インスペクションEYEを導入し、高解像度デジタルカメラとコンピューター制御の専用雲台の機能を融合した「遠方自動撮影システム」で正確かつ精密な撮影ができたので、今回のトライアルでは大きな手応えを感じました。
AI検知システムにより、異常箇所を自動で検出・集計
森田氏:撮影した画像からひび割れなどの異常を検知する工程においても作業が一変しました。これまでは、現場ではタブレット端末を用いて図面にひび割れ箇所を記入するといったアナログのやり方をしていましたが、今回のトライアルでの作業は撮影のみ。その撮影した画像を合成と処理し、AI検知システムにかけることでひび割れが自動で検出され、その幅や長さの集計データがスピーディに得られました。業務の省力化が図れたと実感しています。このプロジェクトは、新技術活用の成功例として社内でも高く評価され、他の部署でも採用してみようという機運につながった点も成果ではないでしょうか。
04 今後の展開未知なる新技術の可能性を探り、より良いサービス向上をめざす
インスペクションEYEのトライアル導入によって、業界全体の課題となっている点検業務の効率化・省力化を図った同社。最後に、今後の取り組みや展望について伺いました。
あらゆる構造物の安心・安全を支える専門会社として
金替氏:キヤノンさんでは、最新のデジタルカメラの知識や撮影技術をレクチャーしてくれる教育プログラムを提供される計画と聞きました。昨今はスマートフォンの高機能カメラで、誰でもそれなりの写真を撮れる時代ですが、プロの業務では機械や製品だけに頼らない高度なスキルが必要です。当社でも、そうした教育の場を活用して特に若手の専門性を養っていかなければと考えています。また、AI検知システムの精密性を高めたインスペクションEYEのバージョンアップ版がリリースされるという情報も得ているので導入を検討中です。建築・土木構造物の調査・診断を手がける真のスペシャリスト集団として、より良い技術の発掘は終わりなきミッション。これからも情報にアンテナを張り、より良いサービス向上と社会への貢献に力を尽くします。
-
※
本記事は取材時(2024年10月)のものです。
株式会社 ジャスト
事業内容:建築・土木構造物の検査・調査・診断事業
従業員数:499名
所在地:神奈川県横浜市青葉区あざみ野南2-4-1
設立:1972年7月
資本金:3,200万円(株主資本48億6,900万円)
こちらの企業の導入事例をダウンロードする
関連ソリューション
こちらの記事もおすすめです
インスペクション EYE for インフラに関するお問い合わせ
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 NVS企画第一課