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経理業務を効率化する方法とは?
5つの方法と気を付けたいポイント、進め方を解説!

  • 働き方改革
  • ITソリューション

働き方改革の推進により、長時間労働の是正をはじめとした労働時間法制の見直しが進んでいます。企業が労働時間を短縮しつつ、従来と変わらぬパフォーマンスを維持するためには業務効率化は避けて通れません。中でも、経理業務は定型業務が多いことや業務フローの大部分が社内で完結できることから、効率化を図りやすい領域です。本コラムでは経理業務の効率化に焦点を当て、経理業務効率化の方法や気を付けたいポイント、進め方を解説します。

目次

  • スピード経営につながる
  • ヒューマンエラーを減少できる
  • コストを削減できる
  • 従業員の負担軽減につながる

(1)関連書類フォーマットの統一
(2)ペーパーレス化の推進
(3)キャッシュレス化の推進
(4)システム化の推進
(5)アウトソーシングの活用

  • システム化する場合
  • アウトソーシングを活用する場合
  • Step1:業務を可視化する
  • Step2:業務の標準化
  • Step3:解決アクションの決定

いま経理業務効率化が求められている

経理業務の効率化が求められる背景には、企業の人手不足と業務の高付加価値化が求められていることが挙げられます。

経理は利益や売上など会社の金銭に関わる業務を担っており、その処理には1円単位での正確な計算と膨大なタスクをこなすためのスピードが求められます。しかし、多くの企業ではコア業務ではない経理部門には人員が割かれにくく、慢性的な人手不足に陥っているケースも少なくありません。こうした状況は社員を疲弊させミスを誘発させます。加えて、決まった人員で業務を管理することで業務が属人化し、欠員や担当者変更が生じた際に業務が立ち行かなくなるリスクも抱えています。

また、経理に期待される業務がこれまでとは大きく変化していることも効率化が求められる理由の一つです。これまで経理部門の業務は決算や税務関係書類の作成が主なものでしたが、業務に投入できるリソースが限定される環境においては、書類作成だけでなく経営の観点から数字を読み解き経営判断やビジネスに生かすなど、業務付加価値の提供も求められます。

こうした課題や要請から、いま経理業務の効率化が必要とされているのです。

経理業務効率化のメリット

経理業務効率化によって得られるメリットや効果には、以下の4つが挙げられます。

スピード経営につながる

会社を取り巻く経営環境は日々目まぐるしく変化しています。経営陣の迅速かつ的確な意思決定には、経営状況の判断材料となる決算資料や税務分析資料は欠かせません。経理業務の効率化によりスピーディーに経営状況のデータ化が行われれば、会社の意思決定にかかる時間をさらに短縮できます。

ヒューマンエラーを減少できる

どれほど単純な作業であっても人の手で行われるものである限り、人的ミスの発生は防げません。しかし、経理業務にITツールを導入すれば入力や計算といった単純業務のミスはなくすことができます。ITツールは正確な経理処理を可能にし、業務の迅速化も図れるため経理業務全体の質向上も可能になります。

コストを削減できる

効率化によって業務にかかる時間を短縮できれば、人的コストの削減効果が期待できます。また、紙からデジタルにデータ管理の形式を移行することで、用紙の購入や印刷にかかる費用も節約できます。

従業員の負担軽減につながる

単純作業や書類の印刷・管理・受け渡しといった業務を効率化によって省くことができれば、従業員の業務負担を減らせます。業務の省力化や労働時間の短縮は、従業員の働きがい向上にもつながります。また、これまで経理業務に投入していた従業員の労働力を別のコア業務に充てることも可能となります。

経理業務は効率化に適している?

経理業務は総じて決まった期間ごとに同じ処理を行う定型業務です。標準化しやすく、ITツールやシステムによる運用に向いています。社内の人員が不足している、または社内で業務を行う必要がない場合は、アウトソーシングの活用を検討しても良いでしょう。

もとより、経理業務とは発生した取引の記録・集計の作業です。支払業務を除けばほぼすべての業務を社内で完結でき、業務フローを変更することにより生じるリスクも比較的小さく抑えられるため、効率化に適した業務といえるでしょう。

経理業務を効率化する5つの方法

経理業務の効率化を可能にする5つの方法を紹介します。

(1)関連書類フォーマットの統一

経理部門には社内のさまざまな部署から書類が提出されます。
その際、同じ内容にも関わらずフォーマットの異なる書類が混じっていると、情報が記載されている箇所が書類ごとに違うため、処理に時間がかかったりミスが起きやすくなったりします。もし、部署ごとに異なるフォーマットを使用しているのであれば、早急に統一を進めましょう。

(2)ペーパーレス化の推進

2022年1月より改正電子帳簿保存法が施行され、電子データで受領した取引情報は電子データの形式のまま保存することが義務となりました。経理業務においては大量の書類を扱うため、ペーパーレス化が進めば書類の保管や取り出し・授受の手間を大幅に削減できます。さらに、電子データをクラウド上で管理すれば書類の共有や内容の確認も容易です。

(3)キャッシュレス化の推進

小口現金は便利な仕組みですが、その運用・管理においては現金の補充・両替作業が生じ、現金出納帳の記帳、金庫の管理など新たな業務が生まれてしまいます。毎日、現金残高と現金出納帳の照合作業に経理担当者が多くの時間を費やすことも往々にあります。小口現金がなくなれば経理業務はさらに省力化・効率化でき、社員が多ければ多いほど効果は高いです。

(4)システム化の推進

経理の処理業務は増加しており、内容も複雑化していることからもはやExcelや紙帳簿では対応しきれなくなっています。ツールやシステムを導入すれば定型業務の自動化・省力化を図れ、作業時間の大幅な短縮が可能です。以下に挙げるようなさまざまな経理向けのシステムが各社からリリースされています。

クラウド会計ソフト
製品のほとんどに銀行口座・クレジットカードとの連携機能が搭載されており、手入力で記帳を行う必要がありません。また、記帳内容をもとに決算書の自動作成も可能です。
経費精算システム
経費の申請から承認までのフローがシステム上で完結します。クレジットカード・電子マネーの明細を自動取得し経費登録を簡素化します。会計ソフトとデータを連携できるタイプならさらに便利です。
請求書のWeb配信サービス
帳票データをWebを介して送付できるサービスです。リモートワーク・在宅勤務時でも時間や場所を問わず即座に請求書を発行でき、業務にかかる工数を減らせます。また、郵送費などの削減にもつながります。
請求書受取サービス
郵送で届く請求書を代わりに受取り、スキャニングしたりデータ化して届けるサービスです。受取のための出社が不要となったり、後続処理の効率化につながります。

(5)アウトソーシングの活用

外部の専門業者に業務を委託することで、業務の質を担保しつつ効率化・標準化を図れます。
決算期や年末年始など、繁忙期における人員不足への不安を解消でき、人件費の削減にもつながります。特定の業務のみをスポットで委託することも可能です。

経理業務効率化を図る際に気を付けたいポイント

導入の手法を誤ると、効率化策がかえって現場の混乱を招きます。業務効率化においては以下に挙げるポイントに注意が必要です。

システム化する場合

業務効率化のために新たなシステムを導入する場合、以下の事柄に留意し自社に最適なシステムを選定します。

既存のツールとの連携が可能か

すでに別のシステムを導入している場合は、既存ツールと新ツールの間で連携が可能かの確認が必要です。連携機能がなければ、新ツールへのデータ移行の際に膨大な手間がかかったり、自社で運用している既存ツールが使用できなくなったりする恐れがあります。

自社のニーズに合わせてカスタマイズできるか

リリースされているツールが自社の業務フローに馴染まない可能性もあります。用途に合わせて必要な機能を追加できるなど柔軟にカスタマイズできるツールを選びましょう。

ユーザビリティは高いか

担当者が使いこなせないツールでは労力が増え、かえって業務を非効率にします。
業務効率化ツールは多機能・高機能であるよりも扱いやすさを優先するべきです。

セキュリティは万全か

業務効率化システムでは個人情報や取引記録、資金の移動など、秘匿すべき情報を取り扱うことも多いでしょう。ツールへのアクセス制限やデータセンターのセキュリティ対策状況も調査しておくと安心です。一方で、セキュリティを高めると利便性は落ちる傾向にあるため、取り扱うデータの秘匿性と適したセキュリティレベルを見極めることも求められます。

自社の利用状況に合う料金体系か

業務効率化ツールの課金体系には定額制・従量制があり、前者では複数のプランが用意され、後者では利用ユーザー数や処理量によって利用料金が変動します。自社の利用に最適な料金体系を採用することで、無駄なコストをかけずに済みます。

アウトソーシングを活用する場合

アウトソーシングは、成果物に一定のクオリティが保障され、人材の採用や教育にかかるコストや人件費を抑えられるメリットがある一方で、自社で業務を把握できずノウハウを蓄積できない、情報漏洩のリスクがあるといったデメリットも想定されます。定期的に情報共有がなされる体制やセキュリティ環境が整っているベンダーを選定することで、そういったリスクを回避することが大切です。

また、自社の業務を社外の担当者に引き継ぐため、予め業務フローを整理して分かりやすく伝達するといった事前準備も必要です。類似案件の実績があり、業務理解が期待できるベンダーに相談すると負担軽減につながります。

経理業務効率化の進め方

次の3つのステップに沿って効率化を進めていきましょう。

STEP1業務を可視化する

経理部門で行うすべての業務を時系列でリストアップし、業務内容やフロー、工数を正しく把握します。このステップを経ることで、工数が多すぎる、特定の作業に時間がかかっているなど、業務課題が浮かび上がってきます。

STEP2業務の標準化

「ECRS(イクルス)の法則」に従い、すべての業務を見直します。
ECRSの法則とは以下の4つの観点から業務改善を図るフレームワークです。

排除(Eliminate) なくせる業務はないか?付加価値の低い業務を排除する
統合(Combine) 別々に行う作業を一緒にできないか?類似業務をまとめて処理する
再編成(Rearrange) 業務の処理順序や工程の入れ替え、または担当者の変更で効率化できないか?
単純化(Simplify) 業務を簡素化できないか?自動化・パターン化は可能か
スクロールできます

STEP3解決アクションの決定

業務の改善点を把握したら改善施策の実行に移ります。システムの導入、RPAの活用、アウトソーシングの導入など会社の抱える課題によって解決アクションはさまざまです。
施策を打った後は効果の検証を行います。業務効率化によってどれほどの効果が上がったか、問題が起きてないかを定期的に確認し、改善点があれば都度対応していきます。

まとめ

業務効率化の効果はリソースの有効活用や無駄のない業務処理に留まらず、経営判断の迅速化や業務の質向上にもつながります。とりわけ経理部門は業務の性質上、効率化を進めやすい分野です。効率化を進めたいがどこから手をつけたらよいか分からないと悩んでいるなら、まずは経理業務の見直しをお勧めします。
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