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業務改革とは?
進め方、注意すべきポイントなど一挙に解説

  • 働き方改革
業務改革の進め方  IT導入や人材活用など押さえておきたい成功ポイント

変化が激しい昨今、その変化に対応するべく注目されているのが「業務改革」です。業務改革とは具体的にはどのようなことを指し、どのように進めるものなのか、また進める上での注意点や成功ポイントはどこにあるのかを解説します。



目次

  • 業務改革と業務改善の違い
  • 業務効率化と生産性向上
  • 従業員のモチベーション向上
  • DXの推進
  • コスト削減、利益貢献
  • Step①方針の策定
  • Step②業務フローの分析
  • Step③業務プロセスの再設計
  • Step④実施
  • Step⑤モニタリングや効果測定
  • ツール選定のミス
  • 目的の共有やフォローが不十分
  • ITの活用
  • 人材の活用
  • マネジメント
  • ITO(Information Technology Outsourcing)
  • BPO(business Process Outsourcing)

業務改革(BPR)とは?

業務改革とは、企業や組織が目標達成のために行う改革のことで、業務プロセス全体を見直し仕事のやり方そのものを再構築する手法のことを指します。BPR(business Process Reengineering)とも言われます。業務改革という考え方は、1993年に発表された「リエンジニアリング革命」(マイケル・ハマー、ジェイムズ・チャンピー著)によって世界的に広まったと言われています。そのころの日本はちょうどバブル崩壊後にあたり、日本においても高い関心が示されました。しかし、この提唱は、当時多くの企業において人員削減にフォーカスされた形で利用されてしまい、結果的にほとんどが失敗したと言われています。正しく理解し活用するためにはどのように進め、どのような点に気を付けることが必要なのかをこのコラムでお伝えできればと思います。

業務改革と業務改善の違い

業務改革とよく似た言葉に、業務改善があります。混同されやすいので注意が必要です。
業務改革が業務プロセス全体を見直し仕事のやり方そのものを再構築する手法であるのに対し、業務改善は、プロセス全体はそのままに、業務の一部のムダを無くしたり減らしたり、細かい部分を見直して効率化を図る手法を指します。
業務改革は根本的な見直しを図るため時間をかけて取り組む必要があるものの、成功した場合の効果は大きくなります。一方の業務改善は、効果は限定的にはなりますが、日々少しずつ取り組むことができるという良さがあります。
違いを理解し、目的にあった手法で見直しを進めることが大切です。

業務改革(BPR)のメリット・効果

なぜ業務改革が必要なのか、業務改革がもたらすメリットや効果を見ていきましょう。

業務効率化と生産性向上

業務を根本から見直すことにより、企業や組織全体においての効率化や生産性向上が期待できます。効果が限定的な業務改善と比べ、大きな効果が期待できるのが業務改革の魅力ともいえるでしょう。業務は継続していくと、関連する作業が増えていったり部分最適が進んでいったりするものです。部門毎で似たような業務が少しずつ違う方法で処理されているということを目にされた経験はありませんか?業務を根本から見直すことで不要な部分が削除され会社全体で業務の効率化、生産性向上が図れるのが一番のメリットと言えます。

従業員のモチベーション向上

業務が効率化されることは従業員の長時間労働の改善につながるでしょう。ライフワークバランスへの関心の高まり、育児、介護との両立といった社会的課題など、働き方への考え方が見直されている昨今、長時間労働の改善は従業員にとって大きなメリットとなるでしょう。また、そもそも必要性を感じていなかった業務から解放され、より価値を感じる業務へ時間を割けるようになることは仕事へのモチベーションを向上させることにつながります。

DXの推進

業務改革の実行においてITツールは欠かせない選択肢です。既存システムがもたらす経済損失は、最大12兆円/年(2025年の崖)と言われており、早期にこの既存システムを取り巻く課題に対応していく必要性が叫ばれています。既存業務の多くはこの既存システムに沿って組み立てられていることも多く、業務改革を進めることで既存システムの見直しがなされ、その先のDX推進へと繋がっていくことが期待されます。

コスト削減、利益貢献

業務改革を進めることで結果的にコスト削減につながることも期待できます。まずは業務効率化が進み長時間労働の改善がなされることによる人件費の削減です。また既存システムをクラウドサービスに変更するなどで管理コストを削減することができます。さらに、業務効率化で必要人員を削減できた場合は、その分の人員をより利益をもたらす業務に割り当てられるようになり、さらなる利益貢献が期待できるでしょう。

業務改革の進め方

業務改革は以下の5のステップで進めます。

STEP①方針の策定

どのような状態になることを目指すのか方針を明確にします。現場の課題や問題点の改善を目指すのはもちろん、経営層が考える企業戦略に沿った目標になっているのかも確認が必要です。プロジェクトは多くの人が関わるため、進めるうちに方向性にブレが生じやすくなります。何のために行うのか、どこに向かっていくのかをいつでも確かめられるようしっかりとスコープ(対象範囲やコスト、スケジュールなど)を定めて方針を策定することが重要です。

STEP②業務フローの分析

具体的には、現状を正しく把握することからスタートします。どのような工程で作業が行われているか、各工程にかかる時間や工数はどの程度か、各工程のインプット・アウトプットはどのようなものか、各工程を実施するのは誰かを把握しましょう。現状の業務フローを可視化することでより理解が深まります。この取り組みによって目指す姿とのギャップが明確となり、課題が明らかになります。

STEP③業務プロセスの再設計

見えてきた課題をもとに、業務プロセスを再設計していきます。どうあるべきかという視点で一から組み立てていきます。おそらく課題が一つということはないので優先順位を決めて取り掛かります。解決するためのアクション(手段)には、業務変更や廃止などシンプルなものから、アウトソーシングやクラウドツールの活用など外部資源の活用、組織の見直しなどさまざま想定されます。当然ながら現状に大きな変化を必要とするものほど難易度が高くなります。予算や体制を考慮し、最適なアクションを選択しましょう。複数組み合わせることでより大きな効果を狙うことが可能となります。

STEP④実施

新しい業務プロセスを実行していきます。全く新しいプロセスを実行に移すには、事前の周知やトレーニングが必要となります。ほとんどの業務は複数の部署をまたいで処理されます。新しい業務プロセスにおいては部門間でどのように連携を図っていくのか、業務の全体像と分担、処理のタイミングなど新しいプロセスについて共通の理解をもって臨めるようにしておくことが大切です。また、万が一トラブルが発生した時はどのように解決を図るか、あらかじめトラブル対応の体制を整えておくことも必要です。このStep④の実施がスムーズに実行できたかどうかは、業務改革への期待やモチベーションに大きな影響を与えるといっても過言ではありません。問題は早期にクリアにできるように準備をしておくことをお勧めします。

STEP⑤モニタリングや効果測定

実際に実行してみた結果、方針に沿って効果が出ているかを確認します。業務量削減、長時間労働の改善など定量的に効果を測定できるものについてはあらかじめKPIを決めておくとよいでしょう。また継続してモニタリングを行うことで、当初は想定しきれなかったまだ改善余地がある部分が見えてくることがあります。一度の業務改革で終わりにせず継続して改善を続けていくことが大切です。

業務改革を進める上で注意したいポイント

業務改革の進め方を5つのステップでご紹介いたしましたが、その中でも特に注意しておきたいポイントをご紹介いたします。

ツール選定のミス

まず業務改革にありがちな失敗として、ITツールの導入ありきの検討になってしまうことが挙げられます。どういう課題があり、何を解決したいのか、どんな状態だとベストなのかといった根本的な部分が抜け落ちたままツールの検討が進んでしまうことがあります。まずはどういう状態にあることがベストなのかしっかり業務の再設計を行い、解決策の検討を行いましょう。ITツールで解決を図ると方向性が決まった際も、ツールの利点やコストなど目に見える部分だけで比較するのは危険です。新しいツールを入れたことにより他の業務が増えてしまい、結果的に業務効率化につながらないといったことにつながります。現場とのコミュニケーションを取ることで、関連業務への影響なども考慮して検討を進めましょう。

目的の共有やフォローが不十分

進め方ステップの中でも随所で触れてきましたが、業務改革を成功させるには目的や手順が明確でかつそれが関係者にしっかりと共有されていることがとても重要です。なぜやらなければいけないのか、やることでどんな効果が見込めるのかといった方針や目的の共有が不十分だと様々な場面でブレが生じ、誤解や誤認が生じやすくなります。共感してもらえる状態までメンバーの意識を醸成することがベストです。それから、いつまでにどんなことをする必要があり、関係者とはどのような調整を図っておく必要があるのかなど、実際に現場で対応するメンバーが新しい業務プロセスへの移行について具体的なイメージを持っていること、かつ問題が起きた際にはスムーズに解決に向かって話し合える状態が作れていることが大切です。大きな変化をもたらされる場合、多くの人は不安を抱きます。分からないことが多いと不安は大きくなり、やがて不満へつながっていきます。関係者が前向きに取り組んでもらえるよう、なるべく早期に不安を取り除けるようなフォロー体制を計画しましょう。

業務改革を進める上で持ちたい3つの視点

業務改革の手順は先述の通りですが、次の3つの視点を持って取り組むことが成功率を高めるポイントとなります。

ITの活用

ITの活用により、自動化、効率化、正確性を高める効果が期待されます。伴って、業務の品質改善も期待できるでしょう。一方で現在「IT人材の不足」が懸念されています。技術の多様化・高度化により安価で高機能なサービスも増えていますが、それは一方で自社にとって最適なソリューションを判断できる人材を必要とします。また、導入ツールが増えるとそれだけ運用をサポートする体制、人材の確保も必要となります。得られる成果と導入や運用にかかるコストとのバランスを正しく評価することが重要です。なお、先述の通り、IT導入ありきの検討には注意しましょう。

IT活用の例と考慮すべき課題

IT活用の例
考慮すべき課題
  • 業務プロセスの自動化、省力化
  • 計測、モニタリング、マネジメントへのIT活用
  • リモートワーク、デジタルコミュニケーションの実現
  • 業務プロセスのデジタル化、クラウドサービス化
  • デジタルを前提とした新しいビジネスモデルの構築
  • ITツールの多様化、評価・選定の難易度高い
  • 必要とする技術の高度化
  • 導入体制の検討、運用体制の検討
  • 予算確保、トップマネジメントへの説明の必要
  • 高度化するセキュリティ対策
  • 要求レベルの高度化
  • IT人材確保が困難

人材の活用

人材活用に目を向けてみます。従事する人材のスキルチェンジや、より安価な人材を活用することなどにより、業務の品質向上やコストダウンなどの効果が期待できます。また、増員によって、多くの需要に対応したり、高い業務パフォーマンスが発揮できるようになったります。

人材活用は、IT化できない複雑な業務や、柔軟な対応が求められる業務を担うことが期待されています。しかしながら、いわゆる「働き方改革」や新型コロナ禍などによる社会の変化にともない、雇用形態、勤務形態、コミュニケーションの手法も大きく変わりました。また、労働人口の減少など、以前より懸念されてきた課題も差し迫っている状況です。人材を安定して確保すること、管理することが年々難しくなっているといえるでしょう。そういった外部環境を踏まえ人材活用について検討していく必要があります。

人材活用の例と考慮すべき課題

人材活用の例 考慮すべき課題
  • 要員の増加
  • 要員教育、研修の実施
  • 社員の配置転換
  • 新規採用、経験者採用
  • 人材派遣の利用
  • 業務委託の利用
  • BPO(アウトソーシング)の活用
  • 労働人口の減少
  • 就業形態の多様化
  • 雇用形態の多様化
  • 人件費の上昇
  • 安全衛生管理の高度化
  • ビジネスのグローバル化

マネジメント

目指す水準の達成とその維持、改善には適切なマネジメントが必須です。定量的な評価軸のKPIをセットし、PDCAサイクルを回していくことで、改革を推進していくことが求められます。また、業務改善は大きな変化を伴う手法であり、場合によっては現場からの大きな反発を伴うことも予想されます。なぜ業務改革を推進しなければならないのかその目的や必要性が関係者に十分に理解され共有された上で、進めていくことも大切です。

業務プロセスを評価するKPIの一例

KPIの例
  • 業務全体のスループット(処理量と処理時間)
  • 業務全体の歩留まり率(正確性)
  • 業務全体の工数、投入作業量(コスト)
  • 各工程のスループット(処理量と処理時間)
  • 各工程の歩留まり率(正確性)
  • 各工程の工数、投入作業量(コスト)

外部リソース活用のすすめ

先に述べたように、社会の変化にともなって業務改革を支える選択肢であるIT活用、人材活用にはそれぞれ課題が存在します。多くの企業にとって、自社のリソースだけで業務改革を進めていくのは、難易度が高いと言わざるを得ません。

そのようなIT活用や人材活用にまつわる、さまざまな課題を解決する方法の1つに、アウトソーシングがあります。

ITO(Information Technology Outsourcing)

ITOとは、IT領域に関する業務を委託することを指します。近年多くの企業におけるトレンドです。キッティングや資産管理、ヘルプデスク業務など日常運用業務の委託、セキュリティ含めたシステム運用保守業務のような部分的な活用から、自社のIT業務をまるまる委託するフルアウトソーシングクラウドサービスなど活用シーンも様々選択肢があります。
今後さらに需要が高まっていくことでしょう。

BPO(business Process Outsourcing)

ITOと似た言葉にBPOがあります。BPOは、自社で行っている業務を外部へまるごと委託することを意味します。よって、ITOはBPOの一つの種類ということになります。BPOは業務の実行や管理だけでなく、その業務を実行するために必要な人材の確保や教育、ITやファシリティといった設備の調達や運営まで任せることができます。また、BPOベンダーは得意な業務領域を有していることが多く、その業務に特化したノウハウや適したITインフラを備えているケースもあることから、より高品質な業務遂行が期待できます。ITO以外では、人事給与、財務経理、調達購買、総務などの間接部門の業務、カスタマーサポート、マーケティングセールス、物流デリバリー、事務処理、データ分析、研究開発などの直接部門の業務などでの活用が見られます。

現状の業務コスト マネジメントコスト、人件費、設備費、その他経費  IT導入 マネジメントコスト、IT費用(初期)、IT費用(保守・運用)、人件費 削減後の人件費、設備費、その他経費 BPO(アウトソーシング) マネジメントコスト、業務委託費 委託業務にかかる人件費や設備費などすべてを含む、業務委託費(導入・移行)

BPOでは、ノウハウやインフラ、マネジメントなど、目に見えないコストをベンダーに振り分けることになります。それを考慮した上で、どのようにコストを評価するのか、自社の評価軸を持って検討することが重要です。目に見えるコストだけに注目していると、目標とのギャップを解決するという本来の目的から遠ざかってしまう可能性もあり注意が必要です。

まとめ

ここまでご紹介してきた、内容をまとめると以下の通りです。

  • 業務改革は5つのステップで進める。

    Step1戦略・方針の策定
    Step2業務フローの分析
    Step3ビジネスプロセスの設計
    Step4実施
    Step5モニタリングや効果測定

  • 業務改革を進める上での大事なのは3つの視点

    -IT活用
    -人材活用
    -マネジメント

  • 外部リソースの活用なども視野に入れて最適なリソース配分を検討する。
  • 目に見えるコストだけに捉われず、評価軸を持って検討を進める。

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