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「ヘルプデスク」のアウトソーシング
メリットやデメリットを徹底解説!

  • 働き方改革
  • 生産性向上
キービジュアル:ヘルプデスクのイメージ

あなたの会社に「ヘルプデスク」はありますか。業種・業態を問わず、事業規模の拡大に伴って、ヘルプデスク業務の負担も増大します。特に、業務に直結した問い合わせが寄せられる「社内ヘルプデスク」の場合、各担当部署がヘルプデスクを兼任するケースが多いため、全社的な業務効率が低下する場合もあります。
そのため近年は、本来のコア業務に集中しやすい職場環境にするため、ヘルプデスク業務をアウトソーシングする動きが盛んになりつつあります。具体的な検討を始める前に知っておきたい、アウトソーシングに関するメリットとデメリット、費用形態などについて見てみましょう。



目次

 - 業務効率向上による収益性アップ
 - 業務の繁閑に左右されないサービスレベル
 - 専門知識・対応ノウハウの蓄積
 - 万が一の場合のヘルプデスク業務継続性

 - 情報漏洩リスクが高まる可能性
 - ユーザーニーズを把握する機会の減少
 - 誤判断発生時の対応に時間がかかる可能性
 - 委託開始までの準備に時間がかかる

 - チャットボットの活用
 - リモート操作によるユーザー環境の把握

ヘルプデスクの種類と求められるスキル

ヘルプデスクの形態は、外部ユーザーに対応する「社外ヘルプデスク」と、自社内の社員に対応する「社内ヘルプデスク」の2種類に大別されます。前者の「社外ヘルプデスク」の場合、ほとんどの問い合わせは一般ユーザーからなので、基本的な操作法から技術的な質問、場合によってはクレームまで、問い合わせ内容は多岐にわたります。そのため、担当部署には自社の製品やサービスに関する幅広い知識が求められます。クレームの場合は大きなトラブルに発展しないよう、ユーザーの訴えを十分に聞いて慎重に対応する姿勢も必要です。

後者の「社内ヘルプデスク」は、自社で導入しているシステムの使用法、トラブルなどに対して、社員の“困りごと”を解決する役割です。自社システムについて、細部に至るまでの知識が必要になります。
設備機器類や特定帳票に関する問い合わせも発生するため、情報システム部、設備管理部、経理部など、ヘルプデスクを各担当部署に振り分けることも多いようです。その分、対応内容は属人化しやすく、一定の業務品質を維持するのが難しくなるケースも少なくはありません。

なお、社外ヘルプデスクは「カスタマーサポート」「コールセンター」「インフォメーションセンター」、社内ヘルプデスクは「テクニカルサポート」「PCサポート」「サービスデスク」などと呼ばれることもありますが、本稿では呼称を「ヘルプデスク」に統一します。

ヘルプデスクをアウトソーシングする「メリット」

ヘルプデスクをアウトソーシングする企業は少なくありません。どのようなメリットを享受できるのでしょうか。主な4点をご紹介します。

業務効率向上による収益性アップ

アウトソーシングの最大のメリットは、担当部署や特定の担当者が本来の業務に注力できるようになり、企業としての収益性アップにつながることです。
また、突発的な問い合わせ対応のために業務スケジュールが管理できなくなったり、予想外のクレーム対応などで、担当者に過剰な心的ストレスがかかったりするのを防ぐ効果もあります。

業務の繁閑に左右されないサービスレベル

業務繁忙期、ヘルプデスク業務のために一定人員数を確保しておくことは、企業にとって大きな損失です。その点、アウトソーシングであれば、常に契約したサービスレベルが維持されるので、委託元の繁閑に関わらず一定の対応品質を維持することが可能。結果的に、顧客満足度の向上につながります。
問い合わせ件数の時期的な増減が明確な場合は、契約変更などで対応体制を柔軟にコントロールできるのも、アウトソーシングの大きなメリットです。

専門知識・対応ノウハウの蓄積

ヘルプデスク業務が複数部署に分散している場合、適切な対応を行うためのナレッジやノウハウも、部署ごとに分散されがちです。特定の社員だけが対応を行っている場合、人事異動や離職などで情報とスキルが散失する恐れもあります。
その点、アウトソーシングを受託する企業はヘルプデスク業務のプロが揃っており、ツールの活用などで問い合わせ内容をデータ化し、ナレッジを蓄積することで、対応スキルの分散や属人化を防げます。
頻度の高い問い合わせについては、より的確な回答ができるよう再検討を行うこともあり、結果的に対応品質や顧客満足度の向上が期待できます。

万が一の場合のヘルプデスク業務継続性

アウトソーシング受託企業の中には、クライアント企業内にスタッフを常駐させるオンサイト運営ではなく、自社内に専用フロアを設けるなどで、オフサイト運営するところもあります。
この場合、クライアントの拠点が自然災害や感染拡大などにより出社できなくなった場合でも、サービスの継続可能性や情報消失のリスク回避の可能性が高まります。

ヘルプデスクをアウトソーシングする「デメリット」

一方でアウトソースすることで懸念される事項もあります。導入を検討する際には、ご紹介するような点についてベンダーと話し合い不安を解消するようにしましょう。

情報漏洩リスクが高まる可能性

ヘルプデスクをアウトソーシングする際、自社製品(サービス)に関する一定の情報を、受託企業と共有する必要があります。受託側も、何らかの対策を講じているはずですが、情報漏洩リスクを0%にすることは困難です。
アウトソーシングを検討する際は、情報漏洩や各種インシデントへの対応策を事前にヒアリングし、委託先の信頼性を確認しておくべきです。

ユーザーニーズを把握する機会の減少

ヘルプデスクに寄せられる問い合わせの中には、サービス提供側が気づいていなかった“隠れたユーザーニーズ”が含まれていることがあります。そうした隠れニーズは、製品やサービスの品質向上につながる重要情報の1つですが、アウトソーシングすることによりユーザーの声を直接確認する機会が減少します。
ユーザーニーズの取りこぼしを防ぐには、委託元に迅速に連絡してもらいたい問い合わせ項目などについて、事前にルール作りをしておくことが肝心です。

誤判断発生時の対応に時間がかかる可能性

問い合わせに対する誤判断・誤回答は、自社運営のヘルプデスクでも発生する可能性があります。ただ、それが判明した後の対応について、アウトソーシングの場合はクライアントとの協議等が必要になるため、どうしても時間がかかりがちです。
ただし、属人化傾向が強い自社ヘルプデスクの場合、再発防止策が社内で共有されないことも少なくないため、誤判断とその後の対応を委託・受託の双方で共有することは、業務最適化の“糧”になると考えることもできるでしょう。

委託開始までの準備に時間がかかる

社外ヘルプデスク業務をアウトソーシングする場合、クライアントの製品・サービスについて、委託先に深く理解してもらわねばなりません。同様に社内ヘルプデスク業務の場合も、クライアントが導入しているシステムや設備機器類の詳細を伝えねばならないので、安心して業務委託できる体制を構築するには、相応の時間と労力を要します。
ただし、社外ヘルプデスクで対応するのは一般ユーザーがほとんどなので、対応パターンが比較的マニュアル化しやすく、土台さえ整えば安定したサービスの提供が可能となるでしょう。社内ヘルプデスクの場合も、手間ひまはかかるものの、“あの担当者でなければ回答できない”といった属人化を解消し、ナレッジの蓄積が進みやすくなります。

アウトソーシングの費用

ヘルプデスクのアウトソーシング費用には、「固定型料金方式」と「従量型課金方式」の2種類があります。
前者の固定型は、1ヵ月間の平均問い合わせ件数をベースに、ヘルプデスクの受付時間などのサービス範囲を定め、対応に必要な業務量により算出された月間固定額を支払う方法。問い合わせ件数が比較的多いヘルプデスクで、メリットを発揮する契約形態です。
後者の従量型課金は、問い合わせ対応1件あたりの単価を決め、件数に応じた月額料金を支払う方法。1件あたりの単価を固定型と比較すると、やや高めに設定されていることが多いのですが、これは体制維持のために必須の費用に加え、業務量毎に発生する工数などを押し並べて、「1件あたり」で計算しているからです。

問い合わせ件数が少ない段階では従量型課金で様子を見て、費用対効果の面で固定型の方が有利と判断できるタイミングで移行することで、計画的な体制の拡大が図れます。

  • 注:「固定型」であっても、契約形態によっては対応件数に上限がある場合があります。一方「従量型」であっても、最低料金のような固定費がかかる場合があります。

進化を続けるヘルプデスク業務

チャットボットがお問い合わせを対応するイメージ

多くの企業や事業体が、業務のデジタル化を進めています。ヘルプデスク業務においても例外ではなく、より的確で迅速な対応を実現するためにICT技術を活用する動きが盛んになってきました。特に注目されている2つの事例を紹介します。

チャットボットの活用

回答をフローチャート方式に整理することで、比較的簡単に解決できる問い合わせは少なくありません。その対応をチャットボットに任せることで、質問者自身で問題解決できるシステムの導入が進んでいます。
チャットボットでは解決できない場合や、より専門的な回答が必要な場合には有人サポートが対応することで、業務効率化や省人化が可能になります。チャットボットなら24時間・365日の対応が可能な点、利用頻度が高まることでAIが成長していく点も、注目されている要因です。

リモート操作によるユーザー環境の把握

電話やメールなどによるヘルプデスクは、不具合の状況や解決方法を明確に伝えにくい場合があるため、余計な時間がかかることも少なくなかったようです。そこで現在、質問者のPC操作をリモートで行ったり、モバイル端末のカメラ機能を活用し、視覚的に状況を把握したりする手法が拡大しつつあります。
特にICT関連の問い合わせの場合、質問者の使用環境、操作ミスなどを具体的に把握することで、早期解決につながりやすくなります。短時間での問題解決は、ヘルプデスク業務の品質や顧客満足度の向上に結びつくだけでなく、費用対効果の向上にもつながります。

「社内ヘルプデスクBPO」が業務の進化と発展を支援

ここまで、ヘルプデスク業務をアウトソーシングするメリットとデメリット、費用などについて見てきました。デメリットに対する防止策や改善策を講じ、自社の状況に応じた費用形態や委託先を選択することで、それぞれの部署が本来業務に専念できるだけでなく、顧客満足度向上や事業の継続性維持にもつながることがお判りいただけたと思います。

キヤノンマーケティングジャパンが提供する「社内ヘルプデスクBPO」サービスは、世界最大のサポートサービス業界団体である「HDI」が定めた国際基準に則り、あなたの職場の最適な業務設計を実現します。
前述の、チャットボットと有人サポートの組み合わせ、リモートPC操作等の技術による問題解決の迅速化などにより、効率的なヘルプデスクを構築。運用状況を定期的に把握・分析することで、より利用者満足度の高いヘルプデスク業務を実践しています。経験豊富なHDI国際認定資格者が参画することで、客観的・網羅的な評価基準に基づいた評価と改善策を提示しながら、より高品質なサービスをお客様とともに目指します。

オフサイトでのサービス提供を基本としているため、お客様側で業務用スペースを確保する必要がなく、万が一の有事発生時にもサービスを継続できる点も、大きなアドバンテージです。あなたの会社の、より一層の進化と発展に向け、数多くの導入実績を持つキヤノンマーケティングジャパン「社内ヘルプデスクBPO」をご検討ください。

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キヤノンマーケティングジャパン株式会社 BPO企画部