年末調整代行サービスとは?メリットや注意点を徹底解説!

年末調整作業は多くの企業で繁忙期にあたるにもかかわらず、人手を必要とし、さらには法令改正への対応など専門性の高さも求められる担当者泣かせの業務と言えます。年末調整において課題を抱える企業は多いのではないでしょうか。その解決策として注目されるのが、年末調整代行サービスです。本コラムでは、年末調整業務における企業が抱える課題から、その解決策としての代行サービスがもたらすメリット、注意点までを徹底解説します。
目次
- 時間や人手の不足
- データ処理への正確性の担保
- 法令改正への対応
- 多様な雇用形態への対応
- 残業や社員のモチベーション低下
メリット(1)時間と労力の節約
メリット(2)正確で迅速な処理とリスク低減
メリット(3)法令改正への対応
メリット(4)コスト削減
信頼性の高いアウトソーシング先の選定
1)スキルや経験のレベル
2)対応可能な規模、範囲
3)セキュリティ対策
4)契約内容
5)業務プロセスへの影響
6)従業員向けサービスの充実度
7)費用対効果
アウトソーシングが円滑に機能するためのコミュニケーション
1)余裕を持ったスケジュールですすめる
2)マネジメントを徹底する
3)アウトソーシング先とのコミュニケーションを密にする
年末調整における企業の課題
年末調整とは、一年間の源泉徴収に基づいて行われる税金の調整作業です。企業にとって多数の社員に対して年末調整を行うことは、負担が大きく、時間がかかる作業となります。さらに、誤ったデータ処理や法律違反などの問題が生じる可能性があるため、専門的な知識が必要とされます。企業が年末調整において抱えることが多い課題について、改めてまとめていきましょう。
時間や人手の不足
年末調整は、膨大なデータの処理や書類の作成が必要なため、多大な時間と人手を必要とします。そのため、担当者への負担は大きく、業務効率の低下やミスの発生などが懸念されます。特に、社員数が多い企業では、年末調整は年に一度の一大イベントと言えるでしょう。
データ処理への正確性の担保
年末調整において、データ処理の正確性は非常に重要です。誤ったデータ処理によって、社員の給与明細や源泉徴収票が誤って作成されれば、追加の負担が生じることになります。
ツールを導入しヒューマンエラーを極力減らすなど、誤りが起こることを回避する工夫が求められます。
法令改正への対応
税制や社会保険制度の改正は毎年のように発生し、伴って年末調整業務にも影響が及びます。そのため、企業は最新の法律や制度改正について把握し、業務に反映させる必要があります。しかし、このような情報のキャッチアップには、膨大な時間と労力、専門性が必要です。
多様な雇用形態への対応
近年、企業における雇用形態は多様化しています。フルタイム社員だけでなく、パートタイム社員やアルバイト、派遣社員など、多様な立場の方が働いていることでしょう。年末調整においても、これらの雇用形態に応じた処理が必要です。しかし、これらの処理には専門知識が必要であり、当然のことながら正確であることが求められます。
残業や社員のモチベーション低下
年末調整業務のために、時間外労働が発生してしまうことも往々にしてあります。その結果、社員のモチベーションが低下し、業務効率が低下することがあります。また、年末調整業務は精度を求められるため、作業そのものにストレスを感じやすいと言えます。
いかがでしたが、多くが当てはまるのではないでしょうか?
年末調整をアウトソーシングするメリットとは

前章でご紹介したような企業が抱える年末調整にまつわる課題を解決するには、どのような手段があるのでしょうか?
近年需要が高まっている手段の一つが、アウトソーシングです。業務の負担軽減はもちろんのこと、専門的な知識を持つプロによる正確な年末調整作業の提供を受けられ、企業の効率的な業務遂行につながります。
年末調整アウトソーシングには大きく4つのメリットがあります。
メリット(1)時間と労力の節約
年末調整は、繁忙期といえる年末に発生する業務であり、人事部門にとって大きな負担となります。特に、従業員数が多い企業では、多くの時間と人手を必要とします。年末調整をアウトソーシングすることで、企業の人材を他の業務に集中させることができることが最大のメリットと言えます。
メリット(2)正確で迅速な処理とリスク低減
これまでも述べてきた通り、年末調整は、正確性が求められる業務です。しかしながら、人手不足や業務量の増加により、処理ミスが起こりやすい状況に置かれているケースが多いと言えます。専門的な知識を持つスタッフが担当し、正確かつ迅速な処理を行うことができるアウトソーシングを活用することで誤った申告や処理ミスといったリスクを低減させることができます。
メリット(3)法令改正への対応
年末調整アウトソーシング会社は、最新の法令改正について常に情報を収集し、調整作業に反映させています。そのため、企業側は法令改正に対応するために必要な知識や手続きを自社で把握する必要がなくなります。
メリット(4)コスト削減
年末調整アウトソーシングを導入することで、人件費や業務時間の削減による費用対効果の改善が期待できます。特に、社員が本来の業務に専念できるようになるため、生産性の向上につながり、コスト削減につながることが期待されます。また、アウトソーシング会社が導入する最新の技術を活用することで、より効率的な年末調整作業が可能になり、よりコストを抑えた業務が行うことができます。
年末調整のアウトソーシングにおける注意点
前章でご紹介の通り、年末調整のアウトソーシングを活用することで多くのメリットを享受できると言えます。しかし、アウトソーシングする際には、いくつかのポイントに留意する必要があります。1つ目が、信頼性の高いアウトソーシング先の選定、2つ目がアウトソーシングが円滑に機能するためのコミュニケーションです。ではそれぞれ具体的に見ていきましょう。
信頼性の高いアウトソーシング先の選定
重要で間違えることができないデータを扱う年末調整ですので、信頼のおけるアウトソーシング先を選びたいですね。選定の際には次のような点をチェックしてみましょう。
1)スキルや経験のレベル
アウトソーシング先が年末調整に必要なスキルや経験を有しているかどうかを確認することも重要です。専門知識や豊富な経験を持っている企業を選ぶことで、より高品質な年末調整サービスを受けることができます。
2)対応可能な規模、範囲
アウトソーシング先が対応可能な規模についても確認する必要があります。企業の規模や従業員数に応じたサービス提供の実績がある、もしくはその規模のサービスを提供できるだけの体制が整えられるアウトソーシング先かを確認しましょう。また、対応できる範囲もアウトソーシング先により異なります。希望する業務が対象業務に含まれるかをよく確認しましょう。
3)セキュリティ対策
年末調整には、従業員の個人情報が含まれるため、情報漏洩やプライバシー侵害のリスクがあります。アウトソーシング先が適切な情報管理体制を有しているか、データの取り扱い方などセキュリティに対する姿勢を確認することが必要です。
4)契約内容
契約内容は、アウトソーシングを行う上で重要です。契約内容には、業務内容や納期、料金、違約金、秘密保持契約などが含まれます。契約内容を十分に確認し、納得のいくものであるかを慎重に検討することが必要です。
5)業務プロセスへの影響
アウトソーシング先によっては利用システムが指定されており、それに合わせて業務プロセスを見直す必要が生じることもあります。現在の業務プロセスへの影響が大きいと混乱を招きかねません。自社のプロセスを変えることなく、自社保有のシステムなども活用できるアウトソーシング先を選べると負担が少ないでしょう。
6)従業員向けサービスの充実度
申請物が伴う年末調整業務では、申請方法が分からない、システムの入力方法が分からないなど従業員からの問い合わせも発生しやすいと言えます。コールセンターなど、従業員などのお困りごとがスムーズに解決できるサービスの用意があるかなどもアウトソーシング先の選定基準に入れるとよいでしょう。
7)費用対効果
導入検討の際は、もちろんアウトソーシングと自社対応の場合の作業時間および費用を比較することでしょう。その際気を付けたいのが、アウトソーシングによる業務の量や品質の向上、また従業員が本来業務に集中できることによる効果なども考慮するという点です。目に見えにくい効果についても評価を行い、総合的に比較しましょう。
また、アウトソーシングの料金は、アウトソーシング先によって異なるため、比較検討することもおすすめします。
アウトソーシングが円滑に機能するためのコミュニケーション
年末調整のアウトソーシングを円滑に機能させるためには、アウトソーシング先が依頼元企業と足並みを揃えて取り組める環境が必要です。そのためには次のようなコミュニケーションを心掛けるとよいでしょう。
1)余裕を持ったスケジュールですすめる
年末調整は多くの企業で同時に作業が実施されるため、アウトソーシング先は対応時期になるとフル稼働状態となります。アウトソーシング先とのやりとりは余裕を持ったスケジュールであることが重要です。タイトなスケジュールは、アウトソーシング先への負担を強いることとなり、業務の遅延や品質の低下をまねく場合があります。事前に準備を充分にし、エラーやミスが発生した場合でも対応できるようにすることが重要です。
2)マネジメントを徹底する
アウトソーシング先に作業を委託する場合でも、マネジメントを怠ってはいけません。作業の進捗状況やクオリティの確認を徹底することで、ミスや誤りを未然に防ぐことができます。誤った申告や処理が発生しないように、アウトソーシング先に委託した作業でも、最終的な確認作業は怠らずに行うことが大切です。
3)アウトソーシング先とのコミュニケーションを密にする
アウトソーシング先とのコミュニケーションは、業務の進捗状況や細かい調整に必要不可欠です。アウトソーシング先とのコミュニケーションを密にし、適宜調整することで、スムーズな業務進行を実現することができます。
まとめ
年末調整アウトソーシングサービスの活用は、負担軽減や業務効率の向上、最新情報の提供、正確な年末調整作業、法令改正への対応など、企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
一方で、アウトソーシング先の選定や契約内容の確認、確認作業の重要性など、導入を検討する際には留意すべき点があります。今回ご紹介した注意点を踏まえながら、アウトソーシングを上手に活用して年末調整業務の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか?
キヤノンマーケティングジャパンでは、年末調整をはじめとした人事労務業務を専門に長年アウトソーシングサービスを提供してきたキュービーファイブをグループに迎え、人事労務業務のアウトソーシングサービスを強化しています。年末調整業務でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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