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人事労務業務の効率化とは?残業が減らない原因と改善方法を解説【チェックリスト付き】

公開日:2026年8月21日

「人事労務部門の残業がなかなか減らない」「採用や人材育成に注力したいのに、給与計算や労務手続きに追われてしまう」といった悩みを抱える企業は少なくありません。実は、その原因は人手不足だけでなく、業務プロセスにあるケースもあります。本記事では、人事労務業務の効率化が求められる背景や残業が減らない原因、改善のポイントを解説します。あわせて、自社の課題を確認できるセルフチェックリストもご紹介します。

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人事労務業務の効率化が求められる背景

人事労務部門を取り巻く環境は、この数年で大きく変化しています。

従来から行っている給与計算や勤怠管理、社会保険手続きに加え、人的資本経営への対応や働き方改革、法改正への対応、DX推進など、人事労務部門に求められる役割は年々広がっています

一方で、多くの企業では人員を大きく増やすことが難しく、限られた体制のまま従来業務と新たな役割の両立を求められています。

その結果、日々のオペレーションに追われ、本来取り組むべき採用戦略や人材育成、組織づくりといった業務に十分な時間を確保できない企業も少なくありません。

このような状況では、人事労務部門が企業の成長を支える役割を十分に果たすことは難しくなります。

そのため近年では、「業務を減らす」のではなく、「人事労務担当者が本来担うべき仕事へ時間を再配分する」という考え方のもと、業務効率化に取り組む企業が増えています。

人事労務の残業が減らない本当の理由

人事労務担当者からよく聞かれる悩みの一つが、「人手が足りない」という声です。
もちろん、人員不足が業務負荷につながっているケースもあります。

一方で、人事労務業務の改善支援の現場では、業務を整理してみると、必ずしも「仕事量そのもの」が原因ではないケースも多く見られます。

例えば、業務の進め方や役割分担、確認方法を見直すだけで負荷が大きく軽減することもあります。
ここでは、人事労務部門で特に見られる3つの要因をご紹介します。

① 定型業務だけではなく「確認作業」が増えている

給与計算や勤怠管理、社会保険手続きなど、人事労務業務には毎月・毎年必ず発生する定型業務があります。

これらは正確性が求められるため、入力作業だけでなく、確認や照合作業にも多くの時間がかかります。

例えば、

  • 勤怠データの修正確認
  • 前月との差異チェック
  • 給与計算結果の照合
  • 関係部署との確認・差し戻し

などです。

一つひとつは短時間の作業でも、積み重なることで担当者の大きな負担になります。
実際の人事労務業務でも、入力や手続きそのものより、確認や照合作業に多くの時間が費やされているケースは珍しくありません。

効率化というとシステム導入をイメージしがちですが、まずは確認プロセスを含めて業務全体を見直すことが重要です。

② 「人手不足」ではなく業務プロセスが課題になっていることもある

「担当者を増やしたい」という相談を受ける企業でも、業務を整理すると、属人化した運用や二重入力、不要な確認作業など、業務プロセスを見直すことで、大きく改善できるケースも少なくありません。

例えば、

  • 同じ情報を複数のシステムへ入力している
  • 担当者ごとに処理方法が異なる
  • 長年続けてきた運用がそのまま残っている
  • 「念のため」の確認作業が増え続けている

といったケースです。

こうした積み重ねが、人事労務担当者の残業や業務負荷につながっていることも少なくありません。業務改善は、人を増やすことだけが解決策ではありません。

まずは現状の業務を可視化し、「本当に必要な作業か」「より効率的な進め方はないか」という視点で見直すことが、効率化への第一歩となります。

③ 見落とされがちな「問い合わせ対応」が業務を圧迫している

人事労務担当者の時間を大きく占める業務の一つが、従業員からの問い合わせ対応です。

具体的には、

  • 扶養の手続き方法
  • 住所変更の届け出
  • 年末調整の提出方法
  • 各種証明書の発行依頼
  • 育児・介護休業制度に関する質問

など、日々さまざまな問い合わせが寄せられます。

こうした問い合わせは、一件あたりの対応時間は長くなくても、日々繰り返されることで大きな負荷になります。

実際に人事労務業務の改善を支援する現場でも、給与計算や社会保険手続きなどの定型業務に加え、従業員からの問い合わせ対応が業務負荷を大きくしているケースは少なくありません。

また問い合わせ内容を分析すると、毎回同じ質問が繰り返されていることも多くあります。
そのため、FAQや社内ポータル、チャットボットなどを活用し、「担当者が回答する」運用から、「従業員が自己解決できる」仕組みへ変えていくことも、人事労務部門の効率化には欠かせない視点です。

あなたの人事労務部門は大丈夫?まずはセルフチェック

人事労務業務を効率化するには、いきなりシステムやAIの導入、アウトソーシングを検討するのではなく、まずは現在の業務を客観的に把握することが重要です。
次の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。

チェック項目
人事労務の定型業務により、毎月残業が発生している
担当者しか分からない業務がある
従業員からの問い合わせ対応に多くの時間を取られている
同じデータを複数のシステムへ入力している
法改正への対応が特定の担当者に依存している
マニュアルが古い、または整備されていない
担当者が休暇を取得すると業務が止まる
確認や照合作業に多くの時間を使っている
繁忙期になると他部署から応援を受けている
採用や育成など戦略業務に十分な時間を割けていない

チェック結果の目安

0~2個
現在の運用は比較的安定しています。今後も業務量や制度改正に合わせて定期的に見直しを行いましょう。

3~5個
業務改善によって負荷を軽減できる可能性があります。特に、業務フローの可視化や標準化に取り組むことで効果が期待できます。

6個以上
属人化や業務プロセスに課題を抱えている可能性があります。システムやAIの活用、アウトソーシングも含めて、業務全体を見直すタイミングかもしれません。

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人事労務業務を効率化する4つのポイント

セルフチェックで課題が見えてきたら、次は改善に取り組みます。
効率化というと、「新しいシステムやAIを導入する」「アウトソーシングを利用する」と考える方も多いかもしれません。

しかし、実際にはそれらは手段の一つです。
大切なのは、自社の課題を整理し、優先順位を付けながら改善を進めることです。
ここでは、多くの企業で取り組みやすい4つのポイントをご紹介します。

① 業務を可視化し、「時間がかかっている仕事」を把握する

効率化の第一歩は、「どの業務にどれだけ時間を使っているか」を把握することです。
人事労務担当者は日々多くの業務を並行して進めています。
そのため、「忙しい」という感覚はあっても、本当に負荷になっている業務が見えにくいケースも少なくありません。

例えば一週間の業務を書き出してみると、

  • 勤怠データの修正・確認
  • 給与計算前の確認作業
  • 従業員からの問い合わせ対応
  • 社会保険・雇用保険の各種手続き
  • 会議資料や報告資料の作成

など、短時間の業務が積み重なっていることがあります。

さらに、業務を可視化することで、

  • 特定の担当者に依存している業務
  • 二重入力
  • 不要な確認作業
  • 繰り返し発生する問い合わせへの対応

なども見えてきます。

実際に人事労務業務を支援する現場でも、「人手不足」が課題だと思われていた企業が、業務を整理した結果、確認作業や役割分担の見直しだけで改善できたケースは少なくありません。
まずは、「何に時間がかかっているのか」を見える化することが、効率化への第一歩です。

② 業務を標準化し、属人化をなくす

課題が見えてきたら、次に取り組みたいのが業務の標準化です。
人事労務部門では、
「この業務は〇〇さんしかできない」
という状態が珍しくありません。

長年の経験で培われたノウハウは組織にとって重要な資産です。しかし、それが特定の担当者に依存した状態では、

  • 休暇を取得しにくい
  • 引き継ぎに時間がかかる
  • ミスや品質のばらつきが生じやすい

といった課題につながります。

標準化というと大掛かりな取り組みに感じられますが、まずは次の3つから始めることをおすすめします。

  • 業務フローを書き出す
  • 判断基準を文書化する
  • チェックリストを作成する

また、標準化を進める中で、
「長年続けているが、本当に必要なのか分からない」
という業務が見つかることもあります。

現場では、給与計算後の紙への出力や、前月との差異を目視で確認する作業などが、慣例として続いていたケースも見られます。
標準化は、単にマニュアルを作ることではなく、「本当に必要な業務だけを残す」ための機会でもあります。

③ システムやAIを活用して「人がやらなくてもよい仕事」を減らす

業務を整理し、標準化できたら、次はシステムやAIを活用します。
近年は、人事労務分野でもAIの活用が進んでいます。

例えば、次のようなケースです。

業務 活用例
給与計算 システム連携による入力削減
勤怠管理 自動集計・アラート
社内文書 AIによる下書き作成
問い合わせ対応 FAQ、生成AI、チャットボットによる一次回答
議事録 AIによる文字起こし・要約
マニュアル AIによる更新支援

特に効果が大きいのが、問い合わせ対応です。
「扶養手続きはどうすればよいか」
「就労証明書を発行してほしい」
「育児休業の申請方法を知りたい」

このような質問は繰り返し発生するため、FAQやAI検索を活用することで、人事労務担当者の負担を大きく軽減できます。

一方で、制度の解釈や個別判断などは、人事労務担当者による確認が欠かせません。

AIは担当者に代わるものではなく、「人がやらなくてもよい仕事」を減らすためのパートナーとして活用することが重要です。

④ 社内で担う業務と外部へ任せる業務を整理する

効率化を進める中で、
「この業務は社内で続けるべきだろうか」
という視点も重要になります。

人事労務部門には、人事制度の設計や採用方針の策定、人材育成など、企業の成長を支える重要な業務があります。
一方で、給与計算や社会保険手続き、年末調整、従業員からの問い合わせ対応など、一定のルールに基づいて行う定型業務も数多くあります。

こうした業務は、専門性を持つ外部パートナーを活用することで、担当者が本来取り組むべき業務へ時間を振り向けやすくなります。

ここで重要なのは、「何を委託するか」ではなく、「何を自社で担うべきか」を明確にすることです。

実際には、給与計算だけを委託する企業もあれば、問い合わせ対応や入退社手続きまで含めて委託する企業もあります。
また、最初からすべての業務を切り替える必要はありません。
一部業務から始め、効果を確認しながら対象範囲を広げていく方法もあります。

効率化は、「自社でやる」「外部へ任せる」の二択ではなく、それぞれの強みを生かしながら最適な役割分担を考えることが大切です。

人事アウトソーシングは「人を減らす」ためではなく、「人事の時間を取り戻す」ための選択肢

ここまでご紹介したように、人事労務業務の効率化には、業務の可視化や標準化、システム・AIの活用など、さまざまな方法があります。

一方で、これらの取り組みを進めてもなお、人事労務部門の負荷が大きい場合には、アウトソーシングも有効な選択肢の一つです。
アウトソーシングというと、「給与計算や社会保険手続き、従業員からの問い合わせ対応など、人事労務業務の一部を外部へ委託する」というイメージを持たれることがあります。

しかし近年では、単に業務を代行するだけではなく、人事労務部門全体の業務プロセスを見直しながら運用を支援するサービスも増えています。

ポイントは、「何を外部へ任せるか」ではなく、人事労務担当者が本来担うべき業務に時間を使える環境をどうつくるか、という視点です。

アウトソーシングが適している業務とは

人事労務部門には、自社で担うべき業務と、外部の専門性を活用しやすい業務があります。
代表的なものとして、次のような業務は、アウトソーシングによる効果が期待できるケースがあります。

業務 期待できる効果
給与計算 毎月発生する定型業務の負荷を軽減できる
勤怠管理 集計やチェック作業を効率化しやすい
社会保険・雇用保険手続き 制度改正への対応や期限管理の負担を軽減できる
年末調整 繁忙期に集中する業務を平準化できる
従業員からの問い合わせ対応 日常的な対応負荷を軽減し、コア業務に集中しやすくなる

一方で、

  • 人事制度の設計
  • 人材育成
  • 組織開発
  • 経営戦略に関わる人事施策

などは、自社で取り組むべき重要な業務です。

そのため、アウトソーシングは「人事業務を外へ出す」のではなく、定型業務の負荷を軽減しながら業務プロセスを見直し、人事労務部門が本来注力すべき業務に集中できる体制をつくることが本来の目的といえるでしょう。

現場で見えてきた「効果が出やすい企業」の共通点

人事労務業務の改善では、業務量そのものよりも、業務プロセスを見直す余地の大きさが改善効果につながるケースがあります。

例えば、

  • 担当者ごとに異なる運用方法になっている
  • 確認作業が紙やExcelを中心とした運用になっている
  • 従業員からの問い合わせ対応に多くの時間を割いている
  • システムを導入しているものの、十分に活用できていない

このような企業では、業務フローを整理するだけでも、担当者の負荷を大きく軽減できることがあります。

実際に人事労務業務の改善支援では、現在の業務をそのままアウトソーシングするのではなく、まず業務を棚卸しし、業務フローや役割分担を整理したうえで運用を見直すことで、より高い改善効果につながるケースも少なくありません。

アウトソーシングは、単に作業を代行するためではなく、業務そのものを改善するきっかけにもなります。

「すべて任せる」ではなく、「一部から始める」という選択もある

アウトソーシングというと、大規模な切り替えをイメージされることがあります。
しかし、実際にはすべての業務を一度に委託する必要はありません。

例えば、

  • 給与計算だけ
  • 年末調整だけ
  • 問い合わせ対応だけ

など、一部の業務から始める企業も少なくありません

まずは負荷の大きい業務から改善し、その効果を確認しながら対象範囲を広げていくことで、現場への負担を抑えながら運用を定着させやすくなります。
重要なのは、「委託すること」ではなく、自社に合った進め方を選ぶことです。

効率化で生まれた時間を、人事本来の仕事へ

人事労務業務の効率化は、残業時間を減らすことだけが目的ではありません。
本来の目的は、人事労務担当者が企業の成長につながる仕事へ時間を使えるようにすることです。

例えば、

効率化で生まれた時間を活用できる業務 期待できる効果
採用活動の改善 採用力向上・応募者体験の改善
人材育成・研修 社員の成長・組織力向上
エンゲージメント向上施策 定着率向上・離職防止
人事制度の見直し 納得感のある制度運用
人的資本に関する分析 経営判断への活用

人事労務部門に期待される役割は、これからも広がっていくでしょう。
だからこそ、日々の定型業務を効率化し、人事労務担当者が本来注力すべき業務により多くの時間を使える環境を整えることが、企業全体の競争力向上にもつながります。

まとめ|人事労務業務の効率化は、「業務を減らす」のではなく、「人事の価値を高める」取り組み

ここまで説明してきたように、人事労務業務の効率化を実現するためには、単に作業時間を短縮することではなく、

  • 業務を見える化する
  • 標準化する
  • システムやAIを活用する
  • 必要に応じてアウトソーシングを活用する

といった取り組みを組み合わせながら、人事労務担当者がより付加価値の高い業務へ時間を使える環境を整えることが重要です。

まずは、自社の現状を整理し、「どの業務に時間がかかっているのか」「社内で担うべき業務と外部の専門性を活用できる業務は何か」を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

キヤノンマーケティングジャパングループの「人事労務アウトソーシング」では、給与計算や社会保険手続き、従業員からの問い合わせ対応など、人事労務業務全体を対象に、業務の運用から改善までを一貫して支援しています。

単に定型業務を受託するだけではなく、お客さまの業務フローや運用方法を整理し、改善点を洗い出したうえで、現在お使いのシステムや業務環境をできる限り生かしながら、最適な運用をご提案できる柔軟な対応が特長です。

また、最初からすべての業務を委託する必要はありません。給与計算や問い合わせ対応など、負荷の大きい業務から段階的に始めることも可能です。

「自社ではどこまで効率化できるのか」「どの業務を外部へ任せるのが効果的なのか」といったご相談から承っています。

人事労務担当者が採用や人材育成、組織づくりなど、本来注力すべき業務により多くの時間を使えるよう、まずはお気軽にご相談ください。

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