EFシネマレンズでは、動画における人物描写をより印象的にとらえるために、自然で美しいボケ味を追求してきました。この柔らかいボケ味を作り出している1つの要素が、11枚の絞り羽根です。絞りの枚数が、多ければ多いほど、絞りはきれいな円形に近くなり、開放から小絞りまで、丸く自然なボケを作り出します。さらに、11枚という奇数枚数を採用したことで、向かい合う回折光が互いに強めあうことなく拡散するため、合焦点では柔らかく美しい点光源の光芒を創り出します。
人物を印象的に描き出す柔らかく自然なボケ味、ぬけの良いコントラスト性能、暖かみのあるナチュラルトーン、EFシネマレンズが新たなドラマを生み出します。
CN-E85mm T1.3 LF / ISO400 T2.8
絞り羽根枚数により回折光の形状は影響を受ける。多数枚×奇数枚の11枚では回折光が拡散し柔らかい光芒となる。
同一条件の被写体を異なる画角で撮影した際に、統一感のある色再現を維持することはシリーズレンズとしてとても重要な要素です。EFシネマレンズの色再現は、全シリーズを通じ、映画の色味として好まれ、肌色をより美しく再現する暖色系のカラーバランスに統一、設計されています。ホワイトバランスを取る放送用の撮影に対し、色温度を固定して撮影することが一般的な映画撮影においては、同一シーンでレンズ交換を行っても、カット毎の色再現のばらつきがなく、撮影から仕上げまで安定したカラーバランスのコントロールが可能になります。この統一された色再現を可能にしているのが、優れた透過率と色再現性を実現する、スーパースペクトラコーティングをはじめとした反射防止膜技術です。フレアやゴーストを低減したヌケの良いクリアな映像を達成すると同時に、安定した分光反射率特性に各レンズ間のカラーバランスを統一し、何年経っても変化しない忠実な色再現を可能にしています。
同一撮影条件でレンズを換えて撮影された、24mm、35mm、50mmの3つのショット。色温度は固定で撮影され、ショット毎の色補正は一切行っていません。 最暗部から中域、そして最明部のそれぞれの領域でカラーバランス、コントラスト特性が整い、統一感ある印象で再現されています。