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高画質

ハイビジョンから4Kへ。EFシネマレンズは、シャープでクリアな解像感を実現しつつ、しなやかでリアリステックな映像を描き出します。最先端のデジタルシネマカメラにフィットした、シネマレンズの新たなスタンダードの誕生です。 

CN-E14mm T3.1 LF / ISO320 T11

レンズの高画質化へ向けたキヤノンの取り組み

レンズにおける高画質とは、一般的に解像力とコントラストの両方が、共にバランス良く高いレベルにある 状態です。しかし、解像度を上げるための収差補正はレンズ構成が増えてしまい、ぬけが悪くなりコントラストが低下してしまうという設計上の難題があります。 EFシネマレンズでは、解像力とコントラストを高い次元で両立させるために、キヤノン独自に開発した優れた光学特性を持つ、大口径高精度非球面レンズ、蛍石、UD ガラス、Hi-UDガラスなどを適材適所に採用する事で構成枚数を抑えながらも、画質劣化の要因となる色収差や諸収差を補正します。また、スーパースペクトラコーティングに代表される様々なコーティングをレンズ表面に施し、 高いコントラスト性能を実現しています。これにより、画面の中心から周辺に至るまで、シャープでヌケの良い優れた描写性能(高画質) を実現しています。

スーパー35mmに対応した4K高画質

フィルムの時代から映画撮影用カメラの標準となっている、スーパー35mmのイメージフォーマット。これまでの放送・業務用HDカメラの標準であった2/3インチに比べて大判であることで、小絞りまで回析による解像力低下が発生せず、幅広い絞りの範囲で高い解像度を維持することができます。スーパー35mmは、デジタルシネマにおいても4Kの標準フォーマットとして採用されています。EFシネマレンズでは単焦点のプライムレンズから、トップエンドズームに至るまで、高い光学性能を達成するための良好な収差補正がなされており、スーパー35mmのイメージフォーマットにおいて、およそ80本/mmという高い解像力を実現しています。またLOGやRAW収録など、ワイドダイナミックレンジが求められる動画撮影用に、逆光撮影などの厳しい条件でも、ヌケの良い描写を確保するようコントラスト性能を高め、ゴースト/フレアの低減も行っています。

スーパー35mmにおける4K解像度に必要なレンズの解像力

EFシネマレンズの高画質を支えるキヤノン独自の光学技術

[ 蛍石 ]
通常の光学ガラスでは、理論的に色収差を完全に取り除くことは出来ず、必ず僅かな残存色収差が残ります。この光学ガラスの課題を解消し、理想的な色収差補正を可能にする材料が蛍石(CaF2)です。蛍石が、光学ガラスにはない異常分散性を持ち、色収差除去に効果的であることは知られていましたが、キヤノンでは早くから蛍石の有効性に着目し、材料径が200mmを越える大口径化にも対応できる人工結晶化の研究を進め実用化に成功しました。蛍石は、ズームレンズの 前玉部などに使用され、望遠側で発生する色収差の補正に有効です。

蛍石

[ UD及びHi-UDガラス ]
蛍石と同じような光学特性を持つガラス素材の開発が進められ、誕生したのが、UDガラス(UD: Ultra Low Dispersion)です。UDガラスは、屈折率・分散とも光学ガラスとしては低い特性を持ち、異常分散性も備えているため、適切な組み合わせを選択することにより、蛍石と同様な効果を得ることができます。さらにUDガラスの性能を大幅にアップさせ、蛍石の特性とほぼ同等の効果を備えたのが、Hi-UDガラスです。Hi-UDガラスはズームレンズの前玉部や変倍部に使用され、望遠側で発生する色収差の他にフォーカシングやズーミングによる収差変動の抑制に有効に働きます。

色収差の補正状況比較図

キヤノンの非球面レンズ技術

優れた球面レンズであっても中心部と周辺部で屈折率が異なるため、理想の一点に光線を集光させることは不可能です、その為複数のレンズを組み合わせることで収差を補正することになります。非球面レンズは図のように各々の入射に対して理想的な一点に光線を集光させることが出来るので、球面レンズ数枚のレンズで得ていた性能を一枚のレンズで得ることが出来ます。それによりレンズ全体の構成枚数が減少し、小型化軽量化を実現しながらもヌケの良い高性能なレンズ設計が可能となります。キヤノンでは研削非球面加工や、ガラスモールド生産などの高度な生産技術で高性能な非球面レンズの安定生産を実現しています。

非球面による焦点の一致化 / 球面レンズの球面収差

高画質

表現力

操作性