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オフセット印刷からデジタル工場への大転換。最新鋭の情報技術で、学術団体をサポート
株式会社ソウブン・ドットコム

業種:印刷・出版・デザイン | 従業員数:55名 | 成果:商品サービスの強化/業務効率の向上・安定稼働/働き方改革

創業以来、最先端の情報技術により
学術団体の活動を支援するサービスを提供。

代表取締役社長 木村崇義 様

株式会社ソウブン・ドットコムは、1956(昭和31)年に創文印刷工業株式会社として創業。学会専門のサポート企業として、学会誌・学術論文の印刷をはじめ、事務局業務の代行や学術大会支援など、幅広いサービスを提供する企業です。
「日本が戦後復興を遂げるには学問が必要との思いから、印刷技術で学問を支援しようと起こした会社です。当時は、印刷技術が最先端の情報技術(IT)だったのです」(代表取締役社長・木村氏)
2021年10月、同社の代表取締役社長に就任した木村崇義氏は、ITやデジタル技術の知見を取り入れ、学会に特化したサービス・プラットフォームを構築。2022(令和4)年4月、株式会社ソウブン・ドットコムに社名を変更しました。
創業の理念を現代に受け継ぎ、祖業である印刷のほか、最先端のデジタル技術を柔軟に取り入れ、学会の活動を支援。学会などのイベント運営、会員管理、発表論文を収録する印刷物やホームページ制作まで多岐にわたり、取引先は実数で約1700団体に及びます。「資金や人的資源に余裕のある大きな学会様もあれば、小さな規模でも日本の発展に寄与する研究に従事していらっしゃる学会様も。さまざまな学会の活動をITと人的支援の両面からサポートし、本来の研究に集中していただく。それが弊社のミッションです。」(木村氏)

01 導入背景小ロット・多品種印刷へのニーズに対応
安定的な生産体制の構築を目指した。

製造本部 本部長 中嶋康晴 様

弊社では2023年、オフセットからフルデジタル工場へと生産設備を一新。活版からオフセット印刷の時代を経て、印刷業界の将来を見据えたとき、オンデマンド印刷機の導入に至るのは当然の帰結でした。その背景には、2つの大きな環境変化がありました。
1つは、お客さま側の変化です。一昔前であれば、規模の大きな学術団体様も多くいらっしゃいましたが、研究分野の細分化が進み、小規模の学術団体様が増えています。500~1000部ほどの多品種、小ロットの生産が求められるケースに、オンデマンド印刷機の相性は抜群です。
もう1つは、印刷・製本従事者の労働環境の変化です。オフセットの現場には熟練の技術が求められますが、従業員の高齢化や技術の属人化が課題でした。こうした背景から、弊社には誰でも簡単に操作ができ、安定的に高品質な生産が可能なオンデマンド印刷機が最適と判断しました。

02 選定理由デジタルへの転換に必要だった経営判断
キヤノンから得た豊富なデータが自信に。

オフセットからデジタル工場への転換。経営者として決断を下すのは容易ではありません。各メーカーに相談するなかで、キヤノンとパートナーシップを結んだのは、レスポンスの速さと、中身の濃い提案をいただいたからです。新たな取り組みにリスクは伴いますが、見落としているリスクの洗い出しは不可欠。本当に採算に見合う設備投資なのか、数字で判断したいと考えていました。キヤノンからいただいた提案には、さまざまなデータをもとにした多角的な分析やシミュレーションが豊富に含まれていました。そうした提案力が大きな安心材料となりオフセットからの脱却を決意。モノクロ印刷専用に「varioPRINT6220」と、カラー印刷用に「imagePRESS V1000」の導入を決めました。

03 導入後の効果オンデマンド印刷機により印刷工程を短縮
従業員の労働環境の改善にも寄与する。

2台のオンデマンド印刷機を導入し、現在はモノクロ機が月産80万枚、カラー機が30万枚のペースで稼働しています。学会誌や学術論文はモノクロ比率が高いため、オフセットの代替として印刷スピードは非常に重要です。varioPRINT 6220はA4両面220ページ/分の生産性で、オフセットの代替として申し分ありません。また、imagePRESS V1000はカラーの発色が鮮やかで、表紙印刷などに適しています。
フルデジタル化による最大の成果は、作業の効率化です。オフセットでは印刷・折り・製本の3工程でおこなっていましたが、オンデマンド印刷ではペラ丁合にすることで「折り」工程を短縮し、出力したものを適宜、製本部門に渡せるようになりました。また、オフセットでは技術と経験が必要なため属人性が高く、特定の従業員に負荷がかかっていましたが、オンデマンド印刷ならDTPなど他部署のスタッフでも操作ができるので、効率よく作業分担ができます。実際に、導入後初めて訪れた3月の繁忙期を柔軟に乗り切ることができました。
弊社では「全社員ノー残業」を掲げていますが、オンデマンド印刷機の導入により、労働環境の改善にも期待しています。

印刷・製本部 課長 本川仁 様

04 今後の展望情報事業の中核にオンデマンド印刷機を据え
柔軟性高くあらゆるニーズに応えていく。

弊社が考える印刷の定義は、「ペーパープリンティング」ではなく、「インフォメーションテクノロジー」です。プロダクトとしての「印刷」には、紙の印刷物を超えた柔軟性が求められます。今回取り組んだデジタル技術の導入やオンデマンド印刷機への転換により、未来のニーズにも応えていけると考えています。また現在、労働人口の減少、従業員の高齢化、女性活躍、障がい者雇用といった社会課題への柔軟な対応が、企業には求められています。その領域でオンデマンド印刷機が果たす役割には大きな可能性を感じますし、今後のキヤノン製品の進化にも期待しています。

株式会社ソウブン・ドットコム

事業内容:ジャーナル(学会誌・学術雑誌・論文誌)の編集、組版・印刷・製本・発送までの一貫生産、学会事務局支援、大会運営支援、ホームページ関連、Web関連支援
従業員数:55名
所在地:東京都荒川区西尾久7-12-16
設立:1956(昭和31)年10月1日
資本金:3,000万円
ホームページ:https://www.soubun.com/

※本記事は取材時(2024年6月)のものです

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