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最先端の「見える化」で青果市場内の管理体制強化と業務効率化を実現東京荏原青果株式会社

業種:卸売・小売|従業員数:191名|成果:顧客/従業員満足度向上、業務効率の向上・安定稼働、セキュリティ強化、安全・安心

青果物の取り扱い日本一の大田市場で年間約18万トンもの卸売量を誇る東京荏原青果株式会社
1947年の設立より、新鮮な野菜や果物の卸売を手がけ、日本の食を支え続ける老舗企業。日本屈指の大田市場における年間取引額は550億円にも上り、全国トップクラスの事業規模を誇っています。長い歴史の中で育んできた産地や生産者との信頼関係を活かし、多種多様な青果物の仕入れと販売を行える強固なネットワークこそが大きな強み。業界のリーディングカンパニーとして、物流の2024年問題にも積極的に取り組んでいます。
同社では、かねてから業務DXによる青果市場内の安全・衛生管理強化を模索。そこで監視設備の高度化と業務効率化を図るため、キヤノンシステムアンドサポート(以下、キヤノンS&S)のネットワークカメラを活用し、確かな成果を挙げています。ソリューションを先導した管理部の木岡氏、佐藤氏、商品管理部の平松氏、氣田氏に、導入の背景や選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。

01 導入背景時代遅れとなったカメラ性能がもたらす業務における理想と現実のギャップ

野菜や果物が取引される青果市場は日々、多くの業者や関係各社が行き交う公共の場。だからこそ、業務においては安全面や防犯面をはじめとする適切な現場管理が欠かせません。そんな実状の中で、同社では具体的にどういった課題があったのでしょうか。

旧型カメラの画角と画質が業務のネックに

管理部 部長 木岡 格 氏

東京都の所有物である大田市場の一部エリアをお借りして事業を行う私たちのような卸売会社には、業務現場を管理する責任と役割があります。荷受けや荷物の保管・輸送など、効率的な業務に努めるのはもちろん、品物の取り違いや盗難の防止・解決にも注力しなければなりません。そこで重要な働きをするのが場内の各所に設置している監視用カメラと記録映像です。当然、こうした製品は目まぐるしく機能が進化しますし、ひと昔前はVHSのビデオテープに録画していた時代も。当社では世の中の水準に合わせながら定期的に設備の充実化を図ってきましたが、直近で使用していたカメラの画角や画質に段々と限界を感じるようになっていました。例えば品物の取り違いが起こった際、それを置いていた場所とカメラの角度によっては誤って運んだ人物の顔が不明瞭で特定できないケースもあったのです。

物流の2024年問題を背景にいち早く業務改善に着手

管理部 課長 佐藤 仁哉 氏

一方では、2024年4月よりトラックドライバーの時間外労働の上限規制をはじめとするルール改正が適用され、輸送能力の低下防止や新たな人材確保が業界全体の顕著な課題に。当社としても、市場に到着したトラック数の把握や的確な作業指示による荷受け時間の短縮をめざすなどの業務効率化が急務になりました。
そうした状況が重なる時期に提案を受けたのが、キヤノンS&Sのネットワークカメラだったのです。すぐさま社内検討に入り、上層部と協議の上、スムーズに承認を得て導入に至りました。

02 選定理由カメラにおけるCanonブランドの信頼性と要望を叶える優れた機能性

適切な業務進行に欠かせない青果市場内の現場管理において、重要な働きをする監視カメラ。その高度化を図る上で、キヤノンS&Sのネットワークカメラを選択した理由はどこにあったのでしょう。提案を受けた経緯や提案内容、導入の決め手となったポイントなどをお伺いしました。

4K画質の圧倒的な鮮明さとシンプルな操作性

2021年に東京で行われた世界的なスポーツ競技大会の防犯カメラをキヤノンさんが担っていたことは周知の事実ではないでしょうか。私たちも存じておりましたし、こうしたことからも「カメラといえばCanon」というブランドは揺るぎなく、当社の課題を解決する力なるという確信を当初から持っていました。そもそも数年間使ってきた既存のカメラはキヤノンS&Sさんから導入したので、パートナーシップが築かれていたほか、特に惹かれたのが提案を受けた「AXISカメラ」の鮮明な4K画質とユーザーフレンドリーな操作性です。納得できる機能の高さに、思い描く理想の現場運営がイメージできたことが決め手になりました。

既存設備の有効活用と高度化の両立が可能

さらに、前回の導入時にLAN配線や電源ケーブル等の割と大掛かりな工事を行った経緯があり、その設備を継続して利用できる点とカメラの設置エリアをキヤノンS&Sさんが熟知していることも大きな安心材料に。また、設備の導入工事には大田市場を所有する東京都の許可が必要なのですが、今回は既存設備の一部改修という扱いで簡易的な手続きで済み、申請業務の手間を大幅に省けるという点も選定理由の一つです。

スピーディかつ親身な運用フォロー

当社がお借りしている大田市場と同様に、私たちの業務も24時間365日止まることはありません。設備に不具合が起きると仕事に支障をきたしてしまいますが、これまで使ってきた中でキヤノンS&Sさんの監視用カメラに大きなトラブルはありませんでした。もし故障した場合はすぐに駆けつけてくれる体制がしっかりしていますし、長年のお付き合いから定期点検やメンテナンスが万全なのも確認済みです。そうした親身な対応を行っていただける信頼性も後押しとなりました。

03 導入後の成果99台の高性能カメラによる監視体制強化で業務改善や安全管理の充実化に成功

トラックの迅速な誘導やトラブル解決が容易に

商品管理部 監査役 平松 正道 氏

今回導入したAXISカメラは画角が広くなり、ほぼ死角ができないため、専用モニターを通して市場内の各現場を全体的に見られるようになりました。さらに、重点的に確認したい箇所の映像をズームした際は、高精細な4K画質により人の顔やトラックのナンバープレート、荷物の箱に記載している取引番号までもはっきりと認識できます。性能がアップしたおかげで荷積み待ちのトラックをスムーズに誘導できたり、場内の空きスペースがすぐにわかるので荷降ろし場所を迅速に指示できたり、業務が格段に効率化できました。
品物の取り違いやパレットの盗難といったトラブルの解決においても効果絶大。鮮明な録画映像を見直すことで、関与した人物を容易に特定できます。その中で重宝しているのが、指定したエリアに動きがあった録画映像を手早く一括検索できる標準機能の「スマートサーチ」。これにより簡単に現場の状況把握と検証ができるので、場内のセキュリティ強化が図れました。

青果市場内の交通事故防止にも貢献

商品管理部 部長 氣田 卓司 氏

業務現場の管理においては安全対策も重要です。市場内は多くの業者が出入りしているため、トラックによる事故が長年の課題となっています。もし実際に起こった場合は、録画映像が原因究明に役立てられますし、事故防止を目的とした各種研修の教材として有効活用できると考えています。
また、ネットワークカメラや録画映像は管理部だけでなく、営業部などの担当者も使用していますが、社内で評価されているのがシンプルな操作性。監視システムをグレードアップしながら、それを誰もが扱える業務環境として整備できたことも大きなメリットではないでしょうか。

専用モニターで市場内を確認

04 今後の展開昔ながらのやり方が随所に残る青果市場の業務DXに取り組む

高性能ネットワークカメラの導入で、業務効率化やセキュリティ強化を達成した同社。青果物を取り扱う卸売業界にも時代的な進化が求められている現状を踏まえ、最後に今後の取り組みや展望について伺いました。

限界を決めない柔軟な発想で、さらなる業務改革に挑戦

まだアイデアレベルですが、当社では荷降ろし場所の配置替えなどで、管制塔のような役割を担うセクションの新設を模索しています。その際にもっと全体を見渡せる天井カメラを増設したり、既に実用しているトラックの予約システムとネットワークカメラとの連携によって、発着車両の予測管理や車体ナンバー認証といった業務DXを図ったり、さまざまな可能性があると捉えています。
こうした試行錯誤を繰り返す中で、実現できたらと具体的に考えているのが、市場内における業務スペース使用率の抽出。例えば、時間ごとの使用率が何パーセントといったデータが割り出せれば、空きスペースの無駄を解消でき、さらなる業務効率化の実現も遠くはありません。そこにネットワークカメラの機能を絡められたらと期待しています。キヤノンS&Sさんは常に技術の進化に積極的に取り組まれているので、今後もパートナーとして情報共有しながらともに挑戦できたら幸いです。

会社名

事業内容:青果物・加工品の卸売事業
従業員数:191名
所在地:〒143-0001 東京都大田区東海3丁目2番1号
設立:1947年(創業1935年)
資本金:3億3000万円

  • 本記事は取材時(2024年11月)のものです。

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