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コスト削減もさることながら配布までの時間短縮を図るべく、ICカードを内製化し、スピーディーな発行を実現株式会社寿々

業種:福祉・介護| 従業員規模:300〜999名 | 成果:コスト削減・業務効率の向上

2008年、訪問看護の事業所としてスタート。その後、老人ホームの運営事業メインにシフトし、今や愛知県内で15の施設を展開するまでに成長を遂げた寿々グループの中枢が株式会社寿々です。

 

同社では勤怠管理をシステム化するにあたり、キヤノンのカードプリンターを導入。必要とされる時、スピーディーにICカードを発行できる環境を整えました。なぜ、システム化が浮上したのか。どうして内製という選択に至ったのか。

自身も看護師でありながら、優れた経営手腕を発揮してグループを牽引するCEOの中村氏と総務担当として実際に導入を推進した谷山氏に詳しい導入の背景や選定理由などを伺いました。

導入背景ミスのない給与計算と働き方改革をふまえ、ICカードによる勤怠管理のシステム化が急務に

園長 白輪氏

病院で看護師として勤務していた中村氏が同僚とともに独立、訪問看護ステーションを開設したのが、寿々グループの原点です。


中村氏が語ります。
「最初は訪問看護から始めたのですが、訪問を続けるうち、病院から退院後、行き場を無くしたお年寄りたちのためにどうにか役に立ちたいという気持ちが芽生え始めました。そして2012年、念願の老人ホームをオープン。その後、仲間たちの社内起業を積極的に支援したり、給食やクリニック、資格取得支援などの周辺事業にも手を広げてきた結果、気づけば15施設、スタッフ600名を抱えるグループに成長していました。 介護の仕事は、人の命を預かり、人が人を診ていく仕事です。資格が必要不可欠な業界ではありますが、私たちはけっして資格で仕事をするのではなく、人とのつながりを大切にしたい、しっかり人と人として向き合っていくという気持ちを込めて、『想いを形に』というスローガンを掲げています」。

急成長の裏側で課題となっていたアナログの勤怠管理

わずか10年という短期間に、急成長を遂げてきた寿々グループ。順風満帆な事業展開の裏側で、しかし一つの問題に直面していました。


続けて語るのは、谷山氏です。

「株式会社寿々ではグループ内すべての人事関係を請け負っており、毎月の給与計算にあたっては、現場から出てくる出勤表のチェックが必須です。ところが、従来はすべて手書きであり、紙で管理していたために計算ミスや書き間違いが多く、さすがに600人の大所帯にもなってくるとチェックする我々にとっても大変な手間になっていたんですね。また一方、世の中的な働き方改革の流れの中、紙での勤怠管理は労基的にも問題になってくる可能性がありました。グループとして明確に管理していますよというメッセージも込めて浮上してきたのが、ICカードによる勤怠管理のシステム化でした」。

選定理由迅速なICカード発行には内製化がマストだったのに加え、名刺印刷にも利用できることが導入の後押しに

給与計算のミスを減らし、業務を効率化するとともに働き方改革への対応もふまえて着目した勤怠管理のシステム化。ICカードの発行に際し、内製化が選ばれたのにも明確な理由がありました。谷山氏が続けます。

入社後すぐの勤務となると、ICカードの即時発行がマスト

「人手ばかり入れても、時期によっては余剰人員になってしまいますから、その点、システム化は理にかなった答えでした。ではなぜICカード発行を内製化したかったかというと、コストはもとより、やはり好きな時にスピード発行できることに尽きます。人手不足なので、入社が決まったらすぐにでも出社してもらいたい。そのためには即時発行できるプリンターが不可欠であり、販売会社から紹介されたのがキヤノンのカードプリンターでした。

カードプリンター導入を決定づけたのが、名刺の発行にも使えること

最終的に導入を決めたのには、名刺を印刷できる点も大きかったです。ICカードだけのために導入するとなれば汎用性に欠けますが、ICカードと名刺の両方に使えるということならということで採用に至ったというのがリアルな話です」。

導入後の成果正確かつ効率的な給与計算と労働時間の適正把握に直結

実際に使い始めて、申し分のないスピードを実感

「最初に納品された時は、えっ、こんなに小さいの?というのが率直な感想でしたが、使ってみたら印刷の速度も申し分ありませんし、これなら大丈夫と安心した覚えがあります。付属ソフトのイメージクリエイトを利用してデザインし、すでに700枚くらいのICカードを発行して配りました。数が数だけに最初は少し大変でしたが、一度流れてしまえば毎月の出入り分だけで済むので楽ですね。システム化が円滑に進み、より正確で効率的な給与計算が可能になりました。

新しい残業規制の施行に先んじて、労働時間の適正把握を実現

また、新しい残業規制の施行までまだちょっと時間はありますが、それに先んじて労働時間の適正把握ができるようになったのも非常に意義のあることだと考えています。職員が足りない、足りないと言いつつも何がどう足りないのか、今ひとつ見えないのがこれまでの状況でしたがICカードのおかげで、リアルな数字をつかめるようになりました」。

今後の展望業界をとりまく環境が厳しさを増す中、今後も少人数で効率よく仕事ができる施策を

最後に、これからキヤノンに求めること、今後の展望について伺いました。

コストを削減し、効率をアップし、ミスをなくすために

「業界を問わず、総務部門はコストを下げること、効率を上げること、ミスを減らすこと、これに尽きる業務です。ですので、そのあたりでさらに新しい提案をいただけると私たちとしても非常にありがたいです。

施設のルーティンの仕事をどこまで自動化できるか

また、介護保険の点数の見直しなど、業界をとりまく環境が厳しさを増す一方で、人件費アップが免れない状況となっており、どう利益を確保していくかは今後の施設運営の肝となってくると思われます。少人数でいかに効率のいい仕事ができるかは今後の最重要課題であり、施設のルーティンの仕事をどこまで自動化できるかという部分でもいろいろとお知恵をお貸しいただけるとうれしいですね。例えば、ICカードの使用範囲を拡大し、各部屋に入る際にカードをかざすだけで業務の記録をつけられるしくみ。自動化できる部分を自動化し、働いている人たちが介護そのものにエネルギーを回せれば、サービス向上にもつながるのではと思っています」と谷山氏。寿々グループのさらなる取り組みに期待です。

株式会社寿々

事業内容:介護

従業員数:約600人(2019年3月現在)

※本記事は取材時(2019年3月)のものです

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