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安全運行のためのモニタリングのみならず待ち時間のストレスを無くし顧客満足を高める奥飛観光開発株式会社

業種:サービス | 従業員規模:50〜99名 | 成果:顧客満足度向上、安全・安心、商品サービスの強化

名鉄グループの一員として、アルプス山脈に囲まれた大自然を堪能できる「新穂高ロープウェイ」の運営を行う、奥飛観光開発株式会社。 同社では、主に安全運行のために使用してきたキヤノン製ネットワークカメラが老朽化したことを受け、2016年、新たなキヤノン製品を導入しました。 詳しい買い替えのいきさつについて、新穂高ロープウェイ総支配人であり、新穂高事業本部部長の大家氏にお伺いしました。

導入ポイント

  • 屋外の風雨に耐え、-40℃~55℃と寒暖の激しい環境下においても動作可能なVB-M641VE
  • 離れた場所でも明瞭な映像で捉える高性能なズームレンズを搭載したVB-M42B
  • 2ヶ所に設置されたカメラ映像を、タブレットを通じて双方向にリアルタイム配信

導入背景乗務員の感覚に頼らず安全を監視することが当初の目的

園長 白輪氏

日本唯一の2階建てゴンドラで堪能できるのは、標高2,000mを超える北アルプスの絶景。1970年の開業以来、奥飛騨温泉郷のイメージを変え、中部地方でも屈指の観光地へと発展を遂げる呼び水となった「新穂高ロープウェイ」が今回の舞台です。同施設が最初にキヤノン製のネットワークカメラを導入したのは、2007年。もともとはお客様との金銭トラブルを防止するためにということで始まった話でしたが、その後検討を続けていく中で安全運行をモニタリングすることが主目的になりました。新穂高ロープウェイ総支配人の大家氏は「ロープウエイの運行を左右するのは風なんですね。ところが、当時は風によるゴンドラの揺れ具合などをチェックするにも、乗務員の感覚だけを頼りにしていました。そんな中、ネットワークカメラの提案がありまして、じゃあ運行の状況を確認しようじゃないかと。今まで乗務員一人の感覚だけでやっていた部分を、各箇所に設置したカメラの映像をモニターで確認して、天候や視界の状況を判断するようになったのです。ちなみに、WEBで山の様子を配信しようと展望台にもカメラをつけて監視していたら、隣の西穂高岳でルートじゃない場所で遭難者を発見。すぐに警察に通報したところ、無事救助でき岐阜県警から表彰を受けたこともありました」。

選定理由信頼のレンズ力により他社比較なしでの導入が決定

そして2016年、同施設では、老朽化した既存機に代わり、新たに14台のキヤノン製ネットワークカメラを導入しました(VB-M641VE×1台、VB-M42B×13)。キヤノンの販売代理店として今回の更新を提案した株式会社メイエレックの松本氏は「今回、キヤノンさんから新しい製品が出たということで提案したのですが、キヤノン製品については従来より大家さんから高評価をいただいておりましたし、特に展望台のカメラは画質の良さ、レンズ力という部分で他社の製品とはぜんぜん違います。私たちも自信を持ってご提案して、それにご了承いただいたということです」と話します。

一方、大家氏は、次のように語ります。
「デモを見せていただきましたが、もともと高く評価していた画像の美しさがより一層進化しているのがわかりました。もはや他と比較する必要もないということで、すんなり導入が決まりました」。

導入後の成果新たなカメラの用途として顧客満足度向上にも寄与

「新機種の導入にあたり、新しいネットワークカメラの使用方法も提案させていただきました」と語るのは、株式会社メイエレック情報ネットワーク課の古澤氏です。 「ネットワークも弊社でやらせていただいており、そのインフラの上でネットワークカメラが動いています。そうした状況の中で生まれたアイデアなのですが、2台のゴンドラが同時に動くロープウェイの場合、上のゴンドラでは下のゴンドラの状況が気になる、逆もまたしかりだと思います。そこで双方がタブレットを通じて相手の状況を映像で確認できれば、よりお客様サービスの向上になるのではないかと考えたのです」。

ロープウェイは2台のゴンドラが1セットとなって、山頂駅と山麓駅を交互に往復するしくみのため、一方が乗り降りなどで時間がかかると、準備ができるまでもう一方のゴンドラを待たせてしまう形になります。

「せっかくカメラがあるので、2台のゴンドラ間のタイムラグを無くすために利用できないかという提案でしたが、これはすごくいいアイデアだと思いましたし、実際に導入して正解でした。例えば、向こうは人数が多いから、こちらは遅めに準備しようとか、中で待たせるぐらいなら、まだ乗らないでもらうとか、相手の状況がわかることでコントロールすることが可能になったんですね。ゴンドラは密閉された空間になるので、扉を閉めてからまだ片方の準備ができていないというのは苦痛ですし、特に夏なんかは温室になりますから。タブレットを導入することで、お客様に対してよりスムーズな対応が可能になったと思います」(大家氏)。

今後の展望カメラ映像を活かして乗客を楽しませるしくみを

では、同施設ではネットワークカメラを活かして、今後どのようなビジネス展開を考えているのでしょう。改めて大家氏に伺いました。

「新穂高ロープウェイは、2020年に運行開始50年の節目を迎えます。それにあたって、現在、施設の改修・増設やステーションサービスの充実など、社内でアイデアを出し合い、いろいろなことを検討しているのですが、そこでも話題の中心はネットワークカメラです。例えば、ゴンドラの中にも乗降を監視するためのカメラが付いているのですが、これを監視用途だけじゃなく他の用途にも使えないかというのが一つの懸案事項となっています。2020年には第2ロープウェイのゴンドラの更新というのも検討の中に入っているので、そのタイミングに合わせ、ネットワークカメラを活かした形で何かコンテンツを開発できればと。これからもロープウェイに乗ることがメインには変わりありませんが、これまでのように単純に乗るだけではなく、ゴンドラの中でも何か楽しみができればいいなと考えているのです」。

単なる監視用途にとどまらず、ネットワークカメラのポテンシャルを活かして顧客満足度向上にも利用し始めた同施設。アイデア次第で、まだまだ活かせる場所は多そうです。

奥飛観光開発株式会社

事業内容:索道業、飲食・物品販売、宿泊業、キャンプ場

所在地:岐阜県高山市昭和町1丁目165-1

※本記事は取材時(2016年6月)のものです

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