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教授によるデモンストレーションの様子を手元まで鮮明な高精細映像で配信して、学生の理解度向上を促進武蔵丘短期大学



業種:学校・教育 | 生徒規模:1,000〜2,999名 | 成果:組織活性化・人材育成

平成3年、高齢化社会を背景に、健康でいきいきとした暮らしを支える実践的指導者を育成する学校としてスタートした武蔵丘短期大学。身体で覚える体験学習、実践教育を重視する同校では、学生にわかりやすく説明するために導入されていた調理実習の際に先生の手元を映し出すカメラシステムを新たにネットワークカメラに入れ替えた。
どうしてネットワークカメラだったのか。その中でなぜキヤノン製が選ばれたのか。健康栄養専攻の永島伸浩教授に伺った。

導入ポイント

  • 光学20倍、60.4°の画角の広さを可能にしたコンパクトな高性能ズームレンズ
  • 優れた被写体への追従性能で、思い通りのパン・チルト・ズームを実現
  • 撮影場所、ズーム倍率などを10個までプリセットできるオプションのジョイスティック

導入背景映像品質向上と安全性確保を求めて新しいシステムの導入を検討

園長 白輪氏

高齢化が進み、いかにいきいきと過ごすかがことさら重要視されるようになってきた現代。いち早く「健康」というキーワードを冠した学科(健康生活学科)を設置し、健康づくりの基本を栄養と運動の2つの側面から考えていこうという想いの下、開校したのが武蔵丘短期大学だ。
同校では、現在、健康な心と身体を食から支えるスペシャリストを育成する「健康栄養専攻」、スポーツを通して健康づくりを指導するスペシャリストを育成する「健康スポーツ専攻」、健康生活を総合的にマネジメントするスペシャリストを育成する「健康マネジメント専攻」の3つの専攻を設置している。

健康栄養専攻では、食事づくりや栄養指導のプロフェッショナルを世に送り出すために、授業でも特に調理実習に力を注いでおり、そのお手本となるのが、教授によるデモンストレーションだ。永島教授は次のように語る。
「食材からどう献立を組み立て、料理をつくるか。こればかりは、いきなり本や言葉で教えようとしてもなかなか理解は得られません。そこで、まずは私が学生たちの目の前でデモンストレーションしてみせ、そこから実習に入ってもらうという流れが生まれました」。

デモンストレーションにあたっては、先生の手元の動きを大勢の学生たちにどう見せるかという課題があった。そこで構築されたのが、教室の天井からテレビカメラを吊るし、モニターに映し出すというシステム。

「当時使っていたのは放送用カメラですが、解像度が低い、ズーム比が小さい、パンの角度が足りない、操作性が悪いなど、かねてから不満がありました。そんな時に起きたのが、あの東日本大震災。60kgぐらいあるブラウン管のモニターを8台、2mぐらいのパイプで吊り下げていたのですが、落っこちるまではいかなかったものの、すごく揺れたんですね。もし事故でも起きたら大変だと、これが一つのきっかけとなって、新しいシステムを検討することになったのです」。

選定理由品質とコストのバランスに加えオプションとの親和性にも期待

導入にあたっては複数のメーカーのカメラを検討。最終的に選んだのが、コンパクトながら20倍の光学ズームや60.4°という画角の広さを備えたキヤノンのネットワークカメラVB-M42Bだった。
「いくつか候補を挙げ、アップした時の解像度などを比較したのですが、レンズへのこだわりとコストパフォーマンスの良さを併せ持っていたのがキヤノン製品でした」と語る永島教授。

教授によれば、今回もう一つ大きな選定理由となったのが、カメラと一緒に導入したオプションのジョイスティックの存在だ。
「キヤノン製品には、標準でジョイスティック用のアプリケーションが付いていました。つまり、メーカーのお墨付きなので、これは間違いないだろう、と。ジョイスティックはプリセットボタンにあらかじめ撮影箇所やズーム倍率を登録しておくことができ、撮影角度もスティックで簡単に微調整できるので調理実習中の操作に適しています。また、モニターについては、どの席から見ても、以前よりも大きく見えるようにということで、シミュレーションを重ねた結果、50インチの液晶モニターを4面取り付けることにしました。そして設置方法ですが、以前のように天井から吊るのはやめ、一番構造的に丈夫な梁と柱の2カ所で支えるしくみに変えたことで、結構な地震が来ても安全性を確保することが可能になりました」。

そして、今回の導入をサポートした加賀テクノサービス株式会社の小鷹氏は、「カメラのスペックは十分でしたが、実運用面で若干の懸念事項がありました。そこで、キヤノンマーケティングジャパンの皆さんの協力をいただいてショールームで実機テストを行い、その結果安心して導入を進めることができました。」と語ってくれた。

導入後の成果映像品質はもとよりフォーカスの速さにも大満足

「具体的な使用方法としては、コンロとまな板の上、それから盛り付けなどの作業を行う場所と、大きく3カ所をジョイスティックのプリセットボタンで切り替えてモニターに映し出していますが、とにかく解像度がよくなったおかげで手元まで寄っても映像がくっきり鮮明なので、大勢の学生たちに一目でわかりやすく伝えられるようになったことに喜んでいます。また、プリセットボタンを押すと、あらかじめ設定していたとおりにズーム倍率を調整しながら、瞬時に被写体を切り替えて、目的の場所を捉えてくれます。そのスピードが思っていた以上に速く、フォーカスもスパッと決まることに大きな満足感を感じていますし、学生も見やすくてわかりやすいと言ってくれています」。

解像度や操作性の向上に、安全性の確保と、今回、新システムに移行するにあたって挙げていた課題をクリアすることができ、とても気に入っていると語ってくれた永島教授。新しい映像の鮮明さに、教員や卒業生をはじめ、かつての映像を知る人たちは皆さん一様に驚きの表情を見せるそうだ。

今後の展望映像の録画・ライブ配信を近い将来実現へ

今後はどのような展開を考えていますかという質問に対し、次のように語ってくれた。
「まず、タイミングを見て、必ず実現したいと思っているのが、デモンストレーション映像の録画です。リアルな調理シーンをありのまま高解像度で撮り、録画・編集して見せれば、欠席した学生に対して補習を行うこともできるし、一度ライブで見た人も映像で繰り返し見ることで技術の習得に役立ちます。また、もう一つ、近い将来実現したいのが、私がこちらの多目的室でデモンストレーションをしている様子を実習室に生中継し、映像を見ながらその場で学生たちが調理したり、指導を受けられるようなしくみです」。

ネットワークカメラの導入によって実現することのできた先進的な学習環境を、ますます発展させていこうという武蔵丘短期大学。その飽くなき挑戦の行方に、今後も注目していきたい。

武蔵丘短期大学

所在地:〒355-0154 埼玉県比企郡吉見町大字南吉見111-1

※本記事は取材時のものです



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