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最低被写体照度とは?防犯カメラを夜間に使用するには

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監視・防犯カメラやネットワークカメラでよく使われる「最低被写体照度」とは、カメラが被写体を写すために最低限必要な照度(明るさの度合い)のこと。単位はlux(ルクス、略記号 lx)です。暗所や夜間に防犯カメラで撮影するためには、カメラ本体の最低被写体照度の値が大切。わかりやすく解説します。



最低被写体照度とは

イメージ:防犯カメラの最低被写体照度とは

最低被写体照度とは、カメラが被写体を写すために最低限必要な照度(明るさの度合い)のことで、単位はlux(ルクス、略記号 lx)です。この数値が小さければ小さいほど、暗い場所でも撮影できます。

そもそも「照度」とは

照度とは、光に照らされた物体表面の明るさの度合いのこと。単位はlux(ルクス)です。明るさでよくするのは「lm:ルーメン」ですが、こちらは照明器具そのものの明るさを示す単位で「光束」と呼びます。照明器具の明るさを比べる場合、ルーメンの数値で比較されます。

照度(lux:ルクス)と明るさの目安

照度(lux)に関しては、目安が公開されています。

照度(lux:ルクス)  目安
100,000 lux 屋外・快晴
30,000 lux 屋外・雲天
5~30 lux 駐車場(屋外の付属施設)
2~5 lux 映画館(上映中の観客席)
0.2 lux 満月の夜
0.02 lux 星明かりのみの夜
0.007 lux 闇夜
0 lux 暗室

  • 参考:日本工業標準調査会 JIS Z 9110-1979

照度に関する基準

照度に関する基準は、警視庁発行「安全・安心まちづくり推進要綱」でも定められています。

道路 3 lux以上
公園・公衆トイレ 公園内 3 lux以上
公衆トイレ周辺 50 lux以上
駐車・駐輪場 駐車場 (500㎡以上) 車路 10 lux以上
駐車エリア 2 lux以上
駐輪場 3 lux以上
共同住宅 共用玄関の内側
共用玄関の存する階のエレベータホール
エレベータ内
50 lux以上
共用玄関の外側
共用玄関の存する階以外のエレベータホール
共用廊下・共用階段
20 lux以上
自転車置場・オートバイ置場・駐車場
歩道・車道などの通路
3 lux以上

  • 出典:警察庁「安全・安心まちづくり推進要綱」より抜粋
  • 50 lux以上…10m先の人の顔・行動が明確に識別でき、誰であるか明確にわかること
  • 数値は平均水平面照度を表す
  • 20 lux以上…10m先の人の顔・行動が識別でき、誰であるかわかること
  • 3 lux以上…4m先の人の挙動・姿勢等がわかること

防犯カメラの最低被写体照度性能を決める3つの要素

イメージ:防犯カメラの最低被写体照度性能を決める3つの要素

防犯カメラの最低被写体照度の性能は大きく3つの要素が総合的に関わり決まります。

  • カメラレンズのF値
  • イメージセンサーの感度
  • 映像エンジンの性能

例えば、レンズのF値は値が小さければ小さいほど明るいレンズと言われます。暗所を撮影する際にイメージセンサーや映像エンジンなどの電気系で発生するノイズを抑え、よりきれいな映像で撮影できるメリットがあります。

キヤノンには、最低被写体照度0.0005lux(ルクス)(最大ゲイン75dB時、ISO感度400万相当)の超高感度多目的カメラがあります。これは、画素部や読み出し回路に独自技術を搭載した35mmフルサイズCMOSイメージセンサーにより、最低被写体照度0.0005lux(最大ゲイン75dB時、ISO感度400万相当)の超高感度と低ノイズを両立を実現。星明かりなど非常にわずかな光の環境下でもカラー撮影ができるカメラです。

屋外照度基準を満たす、防犯カメラの最低被写体照度は?

防犯カメラの商品仕様に、最低照度(最低被写体照度)という項目があります。

防犯カメラで暗所や夜間を撮影するためには、被写体の照度が防犯カメラの最低被写体照度を上回る必要があります。前述のとおり屋外照度基準は3luxですが、これは地面の照度を指しています。

一方、防犯カメラの役割は、不審人物の特定や怪しい動作の確認です。これらの確認をするためには、地面が見える照度ではなく、顔が確認できるレベルの照度である0.5lux以下の最低被写体照度性能が必要です。

ちなみに、夜間の監視などに使われる赤外線カメラの最低照度は0ルクス。完全な暗闇でも撮影できます。外部の光を使用せず、人の目には見えない「赤外線」を発して撮影する仕組みだからです。

一方、高感度カメラの最低照度は1ルクス未満(0.1~0.002ルクス)、超高感度カメラでも~0.00001ルクスと最低照度がとても低く設定されていますが、完全な暗闇での撮影はできません。

  • 出典:(公社)日本防犯設備業界 SES E 1901 防犯灯の照度基準を抜粋

防犯カメラの最低被写体照度を比較してみましょう。

VB-M50B(0.04lux)とVB-H43(0.4lux)のカラー映像比較
満月の夜の明るさ(約0.5ルクス)でもカラー撮影が可能な防犯カメラの映像
星明りの明るさ(約0.0045ルクス)で白黒撮影が可能な防犯カメラの映像

まとめ

「最低被写体照度」とは、カメラが被写体を写すために最低限必要な照度(明るさの度合い)のこと。防犯カメラでは、最低被写体照度の性能は「カメラレンズのF値」「イメージセンサーの感度」「映像エンジン」の3つの要素が総合的に関わり決まります。そして、屋外で暗所や夜間を防犯カメラで撮影するためには、顔が確認できるレベルの照度である0.5lux以下の最低被写体照度が必要です。

キヤノンマーケティングジャパンではカメラメーカーとして長年培った確かな技術と実績で、お客様にあった最適な防犯・監視・抑止・マーケティング目的のネットワークカメラソリューションをご提案しています。ネットワークカメラの導入をご検討の際には、ぜひご相談ください。



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