一次救命処置の手順(ガイドライン2020準拠)AED 自動体外式除細動器
予防
- 小児の予防
- 子どもにおける心停止の主な原因には、怪我(外傷)、溺水、窒息などがあります。チャイルドシートの使用、保護者がいない時の水遊びの禁止など、予防が可能な場合も多いので、未然に防ぐ事が重要です。
- 成人の予防
- 成人における突然死の原因には、急性心筋梗塞や脳卒中があります。胸痛や突然の激しい頭痛などの、心停止を引き起こす可能性がある病気の初期症状に早く気づき、119番通報する事も重要です。
早期認識と通報
- 状況と意識の確認
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倒れている人を発見したら、まず周りの状況を確認します。(交通事故などの二次災害を防ぐため)
次に近くによって反応(意識)の確認を行います。「大丈夫ですか?」などと大きな声で呼びかけ、反応が無ければすぐに助けを呼びます。
- 応援を呼ぶ
- 周囲の人に「AEDを持ってきてください」と声をかけると同時に119番通報を依頼します。
一次救命処置
- 呼吸の確認
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倒れている人の呼吸を観察し、呼吸が止まっている(胸とお腹が動いていない)、または、普段通りの呼吸でない場合には、心停止とみなし、すぐに胸骨圧迫を行ないます。
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心停止の直後には、ゆっくりと喘ぐような普段と違う呼吸をしていることがあります。
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普段どおり呼吸しているかどうか判断に迷う場合でも、直ちに心肺蘇生とAEDの使用を開始します。
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- 心臓マッサージ(胸骨圧迫)
- 倒れている方の胸のまん中にある胸骨(縦長の骨)の下の部分に手を組み合せて置き、胸が少なくとも5cm沈むくらいに、1分間に100~120回の早さで押します。
- 人工呼吸
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片方の手で額をおさえ、もう一方の手で顎を持ちあげます。倒れている人の鼻をつまみ、息をゆっくり2回吹き込みます(難しいと感じたら省略して心臓マッサージ(胸骨圧迫)を続けてください。)
人工呼吸2回と心臓マッサージ(胸骨圧迫)30回を1セットにして、繰り返し行います。
- AEDによる電気ショック(AEDの準備が整って、機器から指示が出るまで心臓マッサージ(胸骨圧迫)は中断しない)
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AEDが到着したら電源を入れ、電極パッドを胸部に貼りつけます。(パッドの貼付位置が図で示されています。)
AEDが心電図を自動的に解析し、電気ショックが必要であれば指示が出るので、倒れている人に触れている人がいないことを確認した後に通電ボタンを押して通電します。ショック後も、パッドは貼り付けたままにしておきます。
電気ショックを行なった直後、または電気ショックの指示がない場合も引き続き心臓マッサージ(胸骨圧迫)を行います(電気ショックの必要がない=蘇生の必要がない訳ではありません)。以後の蘇生もAEDの指示に従い行いましょう。
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解析結果から電気ショックが必要な場合に、ショックボタンを押さなくても自動的に電気が流れる機種(オートショックAED)もございます。
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- 繰り返す
- 救急隊が到着するまでAEDによる解析(電気ショック)と人工呼吸・心臓マッサージ(胸骨圧迫)を続けます。倒れている人が払いのけるような動作など明らかな回復を示したり、救急隊の指示があるまでは継続して行い、途中で中断しないでください。
二次救命処置と心拍再開後の集中治療
- 救急隊へ引き渡す
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救急隊が到着したら、状況説明やショック回数を説明し、速やかに倒れている人を引き渡します。
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ショックの有無に関わらず、AEDのパッドは剥がさず電源も入れたまま引渡をします。
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- 心拍再開後の集中治療
- 市民による一次救命処置、救急隊などによる二次救命処置から継ぎ目なく行なわれることが重要です。