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融資稟議の電子化が職員の事務負担を軽減し、顧客サービスの向上を実現東濃信用金庫

業種:金融 | 従業員規模:300〜999名 | 成果:業務効率の向上、顧客満足度向上、商品サービスの強化

岐阜県南部の多治見市に本店を置く東濃信用金庫は、預金量1兆円を誇る東海地区の実力派の金融機関だ。美濃焼で知られる地元の窯業の振興に力を入れる一方、早くから休日に営業する店舗を設けるなど、地域に密着した金融サービスを展開している。
2018年1月に事務作業の効率化を目指し、キヤノンのネットワークスキャナーを導入。融資稟議の電子化に踏み切った。職員の事務負担の軽減に役立っただけでなく、融資の申し込みから実行までの期間が短縮するなど顧客サービスの向上にもつながったといい、今後は活用範囲の拡大も計画している。

導入背景営業店の変わらぬ事務フロー「このままでは持たない」

「私が信用金庫に入った30年以上前から融資の事務フローはほとんど変わっていない。やるべきことは増えているのに、このままでは営業店は持たないという強い危機感がありました」事務部長・事務集中部長を務める理事の佐伯肇一氏は振り返る。
かつて手書きだった融資稟議書をパソコンで作成するようにはなったが、顧客から提供される書類とともに、紙のまま信金内で回覧される。営業店は書類をコピーしたり、本部にメール便で発送したりする作業に追われる一方、本部は各営業店から届く大量の書類の整理に忙しい。できあがった稟議書もどの段階にあるのかが分かりにくく、決裁が下りるまでどうしても時間がかかっていた。佐伯氏は「多岐にわたる業務をこなしていくには、紙の文化を変えることが必要だと考えたのです」と話す。

選定理由各店1台で幅広い業務をカバー、サポートも万全

東濃信金では当時、手形・小切手の通過証明に用いていた専用機が老朽化し、更新時期を迎えていた。 用途ごとの専用機を置いても、限られたスペースが埋まってしまう。ネットワークスキャナー1台を各営業店に置くことで、融資稟議書だけでなく、預金、本人確認、相続、決算関連など様々な書類を一括して管理する道が開ける。他社からの提案もあったというが、佐伯氏は「幅広い業務が1台のスキャナーでできるのであれば、他のシステムも一部は不要になる。価格面も含めて非常に優位性があると考えました」と打ち明ける。導入に向けては、キヤノンのサポート部隊も万全の態勢を敷いた。 導入を指揮した事務部事務指導課専任役の高橋英明氏は「こちらからはネットワークで使用するアドレスやフォルダーの名前を提供するだけで、導入した全58台についてキヤノン側で設定作業もしてもらったので、何もすることがありませんでした」と話す。

内製化を選んだのは、スピードとセキュリティの両面から

導入後の成果省力化→融資先とのコミュニケーションが深化

成果は着実に上がっている。営業店の職員からは「書類をコピーしたり、整理・保存したりする手間が省けて、作業が楽になった」という声が多く寄せられているという。
高橋氏は「書類を作る時間、本部に送る時間などが省かれたことで、融資が承認されるまでの時間の短縮につながりました」と手応えを感じている。本店営業部で融資を担当している補佐役の竹野あゆみ氏はその成果を以下のように語る。
「お客様からいただいた書類をスキャナーで読み込み、融資の稟議書を作っています。今まではお客様の書類は現物をメール便で本部に送っていたのですが、営業店に集めに来るのは1日2回です。今は全てデータ化して添付しているので、大変な時間短縮になりました。

スキャナーはコンパクトで、使い方は簡単です。人に教えるのも楽です。読み取りスピードはすごく速くて、明るさやカラーと白黒なども自由に設定できるので、画像は鮮明です。お客様の書類を送るので、ミスがあってはいけません。様々なチェックに神経を使っていたのですが、これがなくなりとても楽になりました。手間のかかる書類を保管する作業がなくなったのも助かります。 融資できるかどうかの返事や、実際に融資を実行するまでの時間も短くできたので、お客様からも喜ばれています。作業に慣れてくると、現場の残業時間も短くなりそうです」。

今後の展望総合的な文書管理システムへの構築へ

まずロット数の制限がないことですね。業者に委託すると枚数の規定がつきものですが、プリンターなら1枚から作成できる。ラベルごとに名前や写真を差し替えるという細かいオーダーにもきちんと対応できますし。作成中に何度もチェックできるのも安心ですね。

佐伯氏がさらに期待を寄せているのは、職員たちの働き方の変化だ。
職員たちは融資先をどう見つけ出し、どう成長軌道に乗せていくかに常に頭を悩ませているが、それには融資先のことをまずはよく知り、対話を深めていくことが欠かせない。 佐伯氏は「信用金庫にとってはお客様とのface to faceが一番大事。省力化で空いた時間を用いて、お客様とコミュニケーションを深め、相談業務にもっと力を割けるようになってもらいたい」と語る。

東濃信金では、総合的な文書管理システムの構築に向け、2018年11月には文書管理センターを完成させる予定だ。融資稟議以外の業務についても、スキャナーを入り口にしてペーパーレス化をさらに推し進める予定だ。
人生100年時代を迎え、顧客に資産形成を促すため、金融資産の販売強化も今後の重点分野としている。顧客が入力した情報を即時にデータベース化し、顧客に適切な説明項目を示すキヤノンの「預かり資産セールスナビ」の導入に向けた研修も進んでいる。キヤノンの様々な事務支援サービスが業務の効率化を支えていく。

東濃信用金庫

所在地:岐阜県多治見市本町2丁目5番地の1

店舗数:57店舗

※2018年10月現在

※本記事は取材時(2018年10月)のものです

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