紙文化が根強い物流業界で、業務標準化とDX推進により年間約5,000時間の業務削減を実現F-LINE株式会社
業種:貨物自動車運送事業・倉庫業等|従業員数:1,807名|成果:顧客/従業員満足度向上、業務効率の向上、電子帳簿保存法対応
深刻化する食品物流の課題に対応するため、味の素株式会社、ハウス食品グループ本社株式会社、カゴメ株式会社、株式会社日清製粉ウェルナ、日清オイリオグループ株式会社の共同出資により、2019年4月に誕生した物流会社。「競争は商品で、物流は共同で」という理念のもと、食品メーカー5社のノウハウを結集し、温度帯などの商品特性を考慮した質の高い物流ネットワークを全国で構築しています。
かねてから同社では、年間を通して膨大な数を取り扱う紙の受領書の仕分け・保管における業務負荷や、物流センターごとに異なる管理方法を問題視していました。そこでキヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)のDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスとドキュメントスキャナーを活用して課題解決を図り、確かな成果を挙げています。DXソリューション部の千葉氏、鶴見物流センターの安田氏に導入における背景やシステムの選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。
導入のポイント
- お客さまの課題
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- 年間850万枚におよぶ紙の受領書の仕分け・保管に膨大な業務負荷
- 受領印の有無・数量訂正の目視確認と手作業での顧客別仕分けが非効率
- 拠点ごとに管理方法が異なり、業務標準化ができていない
- 解決策
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- 高速スキャナーと文書管理サービスにより受領書を電子化・一元管理
- ハード~クラウドまでキヤノンMJ一社で一貫サポート、基幹システム改修不要で短期導入
- QRコードを活用し、基幹システムの情報と自動突合、大規模改修不要で短期導入を実現
- 導入効果
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- 全社で1日約20時間以上の業務削減、照会対応も大幅に短縮
- 全拠点での業務標準化の実現
解決ソリューション
01 導入の背景人の手に頼った受領書管理業務の改善が物流会社としての最優先課題に
今なお、紙の伝票を使って取引する商習慣が色濃く残る物流業界、時代の流れとともに業界全体で物流DXの必要性が叫ばれるなか、同社においては具体的にどういった課題があったのでしょうか。
書類の確認や照会対応に伴う作業の深刻な業務負荷
当社は全国に約50ヶ所の物流センターを展開しており、出資会社の5社以外の取引先も含めて年間約850万枚という膨大な数の伝票を発行・管理しています。そのうち受領書において以前の事務現場では受領印の有無や数量訂正の有無を目視で確認後、手作業で顧客別に仕分けたうえで紐で束ね、段ボールに梱包して保管するという非効率な業務を行っていました。
このような通常業務に加え、商品をお預かりするメーカー様から配送に関する照会依頼があった際には、伝票番号をもとに保管庫にある段ボールの中から1枚1枚対象の受領書を探し出す必要があり、非常に手間が掛かっていました。
受領書の管理方法や業務フローのばらつき
また、物流センターごとに受領書の管理方法が異なるなど、全社的に業務が標準化されていない点も課題でした。会社設立以来こうした運用を続けてきましたが、さまざまな技術革新が進む今こそ、先進システムによる業務改善が不可欠であるとの結論に達し、今回の導入に至りました。
当社に適したサービスを検討する中で、キヤノンM Jにご提案いただいたのがDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスとドキュメントスキャナーによるソリューションだったのです。

02 選定理由システムの利便性やハードの機能性、運用後の対応を総合的に評価
膨大な数の受領書を管理する新しい方法として、キヤノンMJのドキュメントスキャナーとDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスを選択した理由はどこにあったのでしょう。提案内容や導入の決め手となったポイントなどを伺いました。
一気通貫のソリューション提案で安心
受領書をスキャンするハードウエアとスキャンした受領書データを管理するクラウドサービス、そして、その間で動作するいくつかの作業時間削減を実現する仕掛けのすべてを一気通貫でキヤノンMJ社から提供していただける点です。また、万が一システム障害やスキャナーの不具合が生じた場合、受付窓口が分かれているとそれぞれとの調整や復旧作業の立ち合いに余計な手間が発生してしまいます。その点、キヤノンMJ一社による一貫したサポート体制はとても心強く、安定した運用をイメージできました。
ドキュメントスキャナーの高いスペック
全国拠点のなかには、1日に1,000枚近くの受領書を処理する物流センターもあるため、「スキャニング速度」と「給紙トレイの最大積載量」を重視しました。導入前にデモ機を実際に確認したところ、想定していたよりもスキャニング速度が速く、現場での使用イメージを具体的に持つことができました。大量の紙を処理する場合、受領書同士が重なってしまう「重送」のリスクがありますが、これを検知・防止する機能が備わっていることも選定における安心材料となりました。
優れたコストパフォーマンスと短納期
さらに、スキャンした受領書の保管先がクラウド型のサービスであるため、イニシャルコスト・ランニングコストの両方を当初の想定よりも低く抑えられ、高い費用対効果が見込める点も魅力でした。それに加えて、当社の基幹システムとDigitalWork Accelerator電子取引管理サービスとの連携に大規模な改修が不要で、短期間でスピーディに導入が可能である点も高評価でした。
キヤノンMJのパートナーシップ
何よりキヤノンMJとは長年にわたる信頼関係があり、当社のシステム要件や物流現場の実務フローを深く理解していただいています。私たちの要望に丁寧に寄り添いながら一緒になって運用設計を構築してくださり、営業チームの皆様の知見と提案力は、導入の大きな決め手となりました。また、実運用に向けてのマニュアル作成や社員への説明会の立ち会いのほか、日々の電話での問い合わせにも迅速に対応していただくなど、キヤノンMJの親身なパートナーシップにも大変感謝しています。
03 導入後の成果受領書の電子化・一元管理で業務効率化を実現
100枚単位の書類束を高速スキャン
実際の運用では、ドライバーが納品書と受領書が一体となった伝票を携行して配送業務を行っています。各ドライバーが拠点に持ち帰った受領書は、事務担当が取りまとめてスキャニングします。導入したドキュメントスキャナーは、100枚以上の書類束を1分間で高速処理でき、性能の高さを実感しています※。読み取り後は「CaptureOnTouch」機能で瞬時にスキャンデータが生成され、受領印の有無はPCモニター上で確認可能です。以前は紙の書類を1枚1枚手でめくっていましたが、現在は1画面に12枚分が同時に映し出されるので作業スピードが向上しました。
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DR-G2110の場合

QR読み取りで、受領書情報と配送情報を自動突合
受領書には、あらかじめ荷主コードと伝票番号の情報を付与したQRコード※が印字されており、その情報も同時にスキャンされ、DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスのクラウド上に取り込まれます。その際、ドキュメントスキャナーで読み込まれたQRコード情報を元に、基幹システムの配送データと自動で突合され、回収済みの受領書として、自動格納される仕組みです。また、受領書が未回収の配送データは、受領書未突合データとして簡単に確認ができるので、円滑な業務進行やミス、漏れの防止に役立っています。
電子化された受領書はシステム上で閲覧・ダウンロードでき、これまでの紙の書類の仕分け作業や束ねて保管する作業といった業務負荷が大幅に削減できました。またDigitalWork Accelerator電子取引管理サービスは電子帳簿保存法に対応しているので、受領書原本の破棄による保管スペースの削減も図りたいと考えています。
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QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
年間約5,000時間の受領書処理業務時間を削減
これまでの受領書処理業務は、扱う受領書の枚数が多い物流センターでは1日あたり約7時間を要するケースもあり、全社的には平均約3.5時間を費やしていました。導入後の社内調査では、約1.5時間削減された拠点もあります。各拠点の削減効果を全社で合わせると、1日あたり20時間以上の業務削減を実現し、結果として年間約5,000時間の業務削減につながっています。
また、取引先様からの受領書の照会依頼は、毎月4~5件ほどあります。以前は保管庫にある段ボール箱のなかから該当する書類を探し出すため、古い日付の場合は1件あたり30~40分掛かっていました。現在は伝票番号と納品日にて検索することで、迅速な照会対応が可能です。
業務の管理体制強化や標準化を実現
DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスの使い勝手については、システム画面などのユーザーインターフェースがわかりやすく、誰でも直感的に操作できるのが魅力です。クラウドサービスならではの短周期での機能改善も、業務効率化に向けたより良い恩恵を期待できる点も高く評価しています。
また、ドキュメントスキャナーの優れた操作性も、現場へのスムーズな導入を実現した重要な要素でした。CaptureOnTouchの設定ファイルを活用したお気に入りボタンの登録により、拠点ごとの設定展開が容易になり、担当者が変わっても同じ操作環境を素早く再現できます。この仕組みが、全拠点での業務標準化を後押ししました。
本社部門としては、各拠点の受領書処理状況をリアルタイムで確認可能になり、全社的な管理体制が向上したことも大きな成果です。拠点間で若干の違いは残るもの、目標としていた受領書管理業務の標準化も達成できたと感じています。

04 今後の展開受領書データの共有に向けた環境整備とさらなる業務効率化
DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスの導入によって、膨大な数の受領書を効率的に管理する新しい体制を構築した同社、最後に、これからの時代を見据えた取り組みや展望についてお聞きしました。
協力会社80拠点への展開を模索
中央:DXソリューション部 千葉裕介 氏
右:DXソリューション部 齋田悠聖 氏
現在、社内の物流センター38拠点において導入が完了しています。今後はDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスの大きな強みである企業間連携機能を生かし、取引先様とも受領書データを常に共有できる環境を整えたいと考えています。そのために、受領書の管理を委託している協力会社の80拠点へも当取り組みを展開していく構想を持っており、実現に向けて少しずつ計画を練り上げている段階です。
また、現状は目視で行っている「受領書の受領印や数量訂正の有無」の確認作業が、システムによる自動識別で対応できるようになれば、さらなる業務効率化を実現できます。キヤノンMJには引き続きご相談させていただき、機能改修やサービスの充実化を含めたより良いサポートを期待しています。
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本記事は取材時(2026年1月)のものです。
F-LINE株式会社
事業内容:貨物自動車運送事業・倉庫業等
従業員数:1,807名
車両台数:466台
所在地:東京都中央区晴海1-8-11
設立:2019年4月
資本金:24億80百万円
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キヤノンマーケティングジャパン株式会社 デジタルドキュメントサービス戦略推進課


