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FAX受注における注文書データの自動保存システムを構築し、電帳法対応と省力化を実現 株式会社文明堂東京

業種:和洋菓子の製造・販売事業|従業員数:約900名|成果:顧客/従業員満足度向上、業務効率の向上・安定稼働、電子帳簿保存法対応

「カステラ一番、電話は二番」のTVCMでお馴染み。心のこもったお菓子で人々を幸せにする株式会社文明堂東京
長崎で創業した文明堂の流れを汲み、1922年より東京にて事業を開始。老舗としての信頼に加え、時代に合わせた商品展開やサービスの柔軟性を強みに成長を続け、2022年には東京進出から100年の節目を迎えました。現在はカステラやどら焼きをはじめとする幅広い和洋菓子の製造・販売を行い、百貨店や直営店、オンラインショップなど多様なチャネルを通じて全国のファンにこだわりの美味しさを届けています。 同社では改正された電子帳簿保存法に対応するため、業務体制の見直しを検討。特に枚数が多いFAXシステムで受ける注文書の電子データ保存を最優先事項とし、その仕組みづくりを模索していました。そこでキヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)の「DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービス」を活用し、確かな成果を挙げています。情報システム部の井草氏に導入前の課題や背景、選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。​

01 導入背景紙の注文書の電子化とデータ保存の仕組みづくりが急務に

電子帳簿保存法の改正によって取引書類の電子データ保存が義務化され、多くの企業がその対応に追われている昨今、目まぐるしく変わる時代の流れの中で、同社の業務においては具体的にどういった課題があったのでしょうか。

既存のFAXシステムを含めた業務体制の見直しを検討

コーポレート本部 情報システム部 係長
井草 玲央人 氏

当社では以前より、FAXシステムを用いて受領した注文書を電子化していました。しかし、保存期間がわずか40日と短く、一定期間を過ぎると自動的に削除されてしまう仕組みでした。
さらに、ユーザーが自由にデータを削除できるうえ、削除後の履歴も一切残らないため、保存データの真正性や管理の信頼性に不安がありました。このような環境では、電子帳簿保存法の要件を十分に満たすことができず、法令対応の面で大きな課題を抱えていました。
こうした背景から、将来的なデータ活用や保管効率を見据え、より汎用性の高いPDF形式への移行を前提に、FAXシステムの改修と業務体制の見直しを検討しました。
そして、2024年1月よりスタートする取引書類の電子データ保存の義務化に備え、新しい仕組みづくりが急務となっているなかでご提案いただいたのが、DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスでした。

02 選定理由バッチ機能の利便性と圧倒的なコストパフォーマンス

キヤノンMJのDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスを選択した理由はどこにあったのでしょう。提案内容や導入の決め手となったポイントなどを伺いました。

目前の業務課題をすべて解消するオンリーワンのプラン

キヤノンMJとは、これまでにもパソコンの購入やサーバーの手配、クラウドシステム導入などで継続的な取引があり、当社の業務への深い理解と親身なサポート体制に、日頃から厚い信頼を寄せていました。
電子帳簿保存法への対応が急務となるなか、現行の業務体制における課題を相談したところ、DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスをご提案いただきました。既存のFAXシステムとの連携についても、具体的な事例を交えてご説明いただき、当社の業務に適した運用がイメージできたことが一番のポイントです。特にバッチ機能によって人手を介さず、かつ、大きなシステム改修も必要なく、FAX注文書の取り込みからクラウドへのアップロードまでを完全自動化できる点に強く惹かれました。

ユーザーフレンドリーな操作感とコスト面の納得感

「選定の3つのポイント」POINT1:自動保存できるバッチ機能 POINT2:ユーザーフレンドリーな操作性 POINT3:低コストの同時接続ライセンス

事前に実施したトライアルでは、実際の運用とほぼ同じ仕様を体験でき、自動アップロード機能を直接に体感することができました。この際、ユーザーインターフェース(UI)の分かりやすさと優れた操作性を実感できたことも、導入の大きな決め手となりました。
さらに、同時接続ライセンス形式を採用していることで、利用人数の増減を気にせずに柔軟に運用でき、コスト面においても非常に納得感のあるプランをご提案いただけたことが最後の後押しになりました。

03 導入後の成果月1万5000枚にも上る注文書の電子データ保存における全自動化に成功

既存のFAXシステムと連携した新しい業務フローを構築

FAXシステムとの自動連携イメージ図

FAXで受信した注文書は自動でPDF化され、取引日や取引先名などのインデックス情報が付与された状態でDigitalWork Acceleratorに保管されます。これにより、過去の注文書も取引先名や日付ですぐに検索でき、必要な書類を瞬時に見つけられるようになりました。
運用としては、社内のPC端末がFTP経由でFAXシステムからファイルを取得し、FAXシステム上でPDFファイル化されたデータを中継機が受け渡し、DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスのバッチツールを起動してアップロード処理を行うことで、完全に自動化されたフローを実現しています。もし不具合が生じた場合でも、すぐに通知が届くよう設定しているため、迅速な対応が可能です。
これにより、受領した注文書を正確かつ確実に保管・管理できる体制が整いました。取引履歴の透明性と追跡性が高まり、顧客との信頼関係を長期的に維持できる基盤が構築されています。また、業務プロセスの自動化により、法令対応の強化とともに、業務負荷の軽減も実現しました。

優れた検索性が業務効率を後押し

「導入で得られた効果」自動化による人的ミス防止 正確なデータ保管による信頼性担保 検索の効率化で業務負荷軽減

また、総務部では今回のソリューションで契約書データの一元管理ができるようになり、業務効率化や人的ミスの防止による業務の質向上につながっています。特に現場の評価が高いのが優れた検索性です。書類と検索項目が紐づいた形でクラウドへ保存されるので、それを検索ワードにすることで閲覧したいデータをすぐに見つけ出せ、業務を円滑に進められているとの成果報告を受けています。

04 今後の展開対象書類の幅を広げ、検索性の最適化とともにさらなるDXへ挑戦

DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスの導入によって、FAX注文書の電子データ保存における全自動化を実現した同社。最後に、これからの時代を見据えた取り組みや展望について伺いました。

菓子業界を牽引し、積極的に業務DXを推進

当社では、FAXで受領する注文書に加えて、契約書の電子化にも着手し、DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスを活用して順次データ格納を進めています。契約書を集約し始めたことで、インデックス検索による迅速な書類確認が可能になり、契約期間や更新時期の把握もしやすくなってきました。現状の運用で法令要件は満たせているものの、インデックス項目の最適化による検索性の向上など、さらなる業務効率化の余地があると考えています。そのため、今後は見積書や請求書をはじめ、さまざまな帳票類のデータ保存へと活用範囲を広げていく計画です。
菓子業界は老舗が多く、まだまだ昔ながらの商習慣が根強く残っています。そのなかで伝統と時代に合った進化の融合を目指す当社としては、積極的に業務DXに取り組むべく挑戦し続ける覚悟です。これからもパートナーとして、実務に即した効率化のご提案や制度改正に伴う柔軟な対応を期待しています。

  • 本記事は取材時(2025年9月)のものです。

株式会社文明堂東京

事業内容:和洋菓子の製造・販売事業
所在地:東京都新宿区新宿1-17-1
設立:2010年10月(創立1922年)

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キヤノンマーケティングジャパン株式会社 デジタルドキュメントサービス戦略推進課