働き方改革BPO(アウトソーシング)と人材派遣の違いとは?メリット・デメリットから選び方まで解説します

我が国では、「国内労働人口の減少にともなうリソースの確保」という中期的課題を抱えており、生産性の改善、働き方改革などが求められてきました。そして近年、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響による、リモートワーク環境の整備やペーパレス化の需要拡大などへの対応が加わり、企業にはより複雑な課題解決が求められています。
これらの解決手段として、いま改めて外部リソースの活用が注目を集めています。
本コラムでは、BPO(アウトソーシング)や人材派遣についてその違いやメリット・デメリット、選び方を解説します。



BPO(アウトソーシング)と人材派遣の違い

外部リソースの活用における選択肢は、大きく分けて「BPO(アウトソーシング)」と「人材派遣」の2種類です。
混同されることが多いですが、契約形態が異なり、とりわけ指示命令の系統が異なる点が特徴です。

  BPO 業務委託 人材派遣
基本定義 業務の一部(もしくはすべて)を外部に任せる手法
  • BPOベンダーが委託された業務を遂行する
  • 業務の遂行や成果物により対価が発生する
派遣スタッフを活用して、人手不足を問題を解消する手法
  • 派遣会社が派遣スタッフを提供する
  • 派遣スタッフの労働により対価が発生する
契約形態
  • 業務委託契約(請負契約または準委任契約)
  • 労働者派遣契約
期間
  • 契約期間が終了するまで
  • 3ヶ月~半年程度で契約更新、延長するのが一般的
指揮命令
  • 業務従事者への直接の業務指示は不可
    (BPOベンダーが業務従事者へ指示を行う)
  • 派遣スタッフへの直接の業務指示は可能
機材、設備などの調達
  • BPOベンダーによる調達(委託者からの賃借含む)
  • 派遣先企業による提供
注意点
  • 偽装請負とならない配慮
    (業務委託契約であるが、実態は労働者派遣に該当するとみなされる場合、違法行為にあたる)
  • 「同一労働、同一賃金」制度の考慮
    (正社員と非正規労働者との待遇差を是正する規定)

BPO(アウトソーシング) 

業務の遂行や成果物によって対価が発生する業務委託契約(請負契約または準委任契約)。
BPOベンダーが業務従事者へ指示命令を行い、発注元企業から業務従事者へ直接の指示命令はできません。
発注元企業が直接指揮命令を行っているなど、実態が労働者派遣とみなされる場合は偽装請負いといって違法行為にあたるので注意が必要です。

人材派遣

派遣スタッフの労働により対価が発生する労働者派遣契約。
発注元企業が派遣スタッフへ直接の指示命令を行うことができます。
労働者派遣法の改正により、「同一労働同一賃金」と呼ばれる規定が導入されている点に注意が必要です。

BPO(アウトソーシング)と人材派遣のメリット・デメリット

続いて、BPO(アウトソーシング)と人材派遣のメリット・デメリットについて整理します。

  BPO 業務委託 人材派遣
基本定義 業務の一部(もしくはすべて)を外部に任せる経営手法
  • BPOベンダーが委託された業務を遂行する
  • 業務の遂行や成果物により対価が発生する
派遣スタッフを活用して、人手不足を問題を解消する手法
  • 派遣会社が派遣スタッフを提供する
  • 派遣スタッフの労働により対価が発生する
メリット
  • 業務の継続性と品質向上が期待できる
  • コスト削減・利益向上が期待できる
  • 指揮命令の必要がなく、業務ごと任せられる
  • 人材への教育や育成が不要
  • ファシリティや機材などの調達が不要(委託者からの賃借含む)
  • 短期利用が可能
  • 多様なスキル・経験を持つ人材を活用できる
  • 直接業務の指示ができるため、業務管理がしやすい
  • 業務の変更等に柔軟に対応できる
デメリット
  • 業務がブラックボックス化する可能性がある
  • 業務移管に一定の手間と時間がかかる
  • ノウハウ蓄積しないことへの懸念がある
  • セキュリティリスクが高まる
  • 急な欠員に対する代替が利き辛い
  • 派遣期間に上限がある(3年)
  • 教育や業務指導が必要
  • 業務の指示や管理などのマネジメントが必要
  • 業務を行う場所や設備、機材などの提供が必要

BPO(アウトソーシング)のメリット・デメリット

BPOは「業務遂行」を目的としているため、人への依存度は少ないのが特徴です。BPOベンダーが蓄積してきたノウハウが適用されるので、品質向上やコスト削減が期待できます。また、直接の業務管理が不要なので、業務ごと任せられる、採用や教育が不要、継続的な依頼が可能というメリットがあります。
一方で、業務を移管することになるので、業務を把握しにくくなり、ノウハウが自社に蓄積しない懸念があります。

人材派遣のメリット・デメリット

人材派遣では、スキルや経験がある人を活用できる、短期間の契約が可能という特徴があります。また、直接業務管理ができるので、状況を把握しやすい、柔軟に対応してもらえるというメリットがあります。
一方で、「人」に依存してしまうケースが多く、他の人では代替できない、急な欠員に対する代替が難しいなどの問題も発生しやすい点に注意が必要です。

BPO(アウトソーシング)と人材派遣のコスト範囲

直接雇用、人材派遣、BPOが対象とするコスト範囲比較

上の図は、コスト範囲について直接雇用した場合と外部リソース(人材派遣/BPO)活用の場合とを比較したものです。マネジメントや諸経費など社員の関与が必要となる人材派遣と、それらを含めて業務遂行そのものを請負うBPOでは、対象となるコストが異なります。これらのコスト構造を把握した上で、アウトソーシングの目的にあった手段を選びましょう。

外部リソースの選び方

では、外部リソースはどのように選び分けるといいのでしょうか?

まず、外部リソースの活用にあたっては、企業側が「何を、どうしたいか」を検討し、選択することが必要です。
コア業務といわれる自社のノウハウが発揮される業務や、高度な判断が要求されるような業務は自社の強みとなる部分でもありますので社員が担当するのがよいでしょう。
一方で、外部リソース活用の目的が、「社員が「本来業務(コア業務に専念できるようにしたい」のであれば、ノンコア業務の遂行に外部リソースを活用することをおすすめします。

BPOと人材派遣はどう違うか?それぞれの違いと適した仕事について、企業活動からノンコア業務を派遣と業務委託

また、上述した通り業務を遂行するにあたって様々なコストが必要とされますので、関連業務へ費やせる人・時間・コストのバランスを考えて検討することをおすすめします。

では、外部リソースの活用が適切と判断した場合は、BPO(アウトソーシング)と人材派遣、どちらを選ぶのがベストなのでしょうか?状況によって判断はさまざまとは思いますが、判断基準の一例をご紹介します。

BPOが適している場合

業務そのものの一連の作業を任せて、コア業務に専念し企業の強化をする場合

  • 部門内において特定の業務ごとを任せたい場合

    特にマニュアル化できるような定型・反復業務が適しています。BPOベンダーが過去同様の業務を経験する中で培ってきたノウハウが適用されやすく、早期にメリットを享受できる可能性があります。

  • マネジメント含め任せたい場合

    業務を安定的に継続させたい場合、採用、教育などの心配がありません。

  • オフサイトで実施できる業務

    BPOセンターのような業務集中型のセンターでの処理が依頼できるとスピード、コストの観点でメリットが期待できます。

    以下、BPOを活用することが多い業務の一例です。

    1. 高度な判断を必要としない電話応対や事務処理(営業事務・総務事務支援)
    2. 紙文書の電子化(PDF化)や、文字への変換作業(スキャン電子化・データエントリ)
    3. 受注受付~発注・出荷指示業務(受発注業務)
    4. カスタマーセンターやコールセンターの運営(アウトバウンド・インバウンド)
    5. 社内のPCやネットワークの管理運営や保守(ヘルプデスク運営)
    6. 顧客へのアプローチ(インサイドセールス・営業代行)

    人材派遣が適している場合

    部門の人員の不足分を補充もしくは拡充して、現業務を効果的・効率的に行いたい場合

    • 非定型で柔軟性が求められる業務の場合

      高度な判断は伴わないとしても、特定のスキルが求められたりするような業務などがこれにあたります。

    • すぐにリソースを補充したい場合

      直接指示命令ができる人材派遣であれば、比較的早く人員の補充が可能です。

    • 集約化が難しい業務の場合

      集約化が難しい業務はBPOのメリットを享受しにくい傾向にあります。柔軟な対応が可能な人材派遣のほうが適しているでしょう。

    以下、人材派遣を活用することが多い業務の一例です。

    1. 事務(柔軟性が必要な業務、短期間業務)
    2. 販売・接客
    3. 研究開発
    4. エンジニア
    5. クリエイティブ

    BPOに適した業務のチェックリストをご用意しています。
    こちらからお申し込みください。

まとめ

ここまで「BPO(アウトソーシング)」と「人材派遣」の違いや特徴について述べてきましたが、ご理解いただけましたか?

一概に外部リソースの活用といっても、業務やその目的によってしっかりと選択をしなければ、期待する効果を得られません。上手に活用するには利用目的に合っているのか、対象業務は適切なのかをはっきりさせることが重要です。

上記の点に注意しながら、自社の課題解決の手段として外部リソースに目を向けてみてはいかがでしょうか?

私たちキヤノンマーケティングジャパングループは、お客さまのビジネス変革を、ITとBPOでご支援します。ご相談、お問い合わせをお待ちしております。

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