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導入事例(株式会社テクトロン)

医療情報システムのベンダーとしての責任
より確かなセキュリティ向上を、社内に大きな負担をかけることなく短期間で実現

概要

自由民主党政務調査会が提言した「医療DX令和ビジョン2030」。医療の効率化や情報共有の改善を目指し、情報プラットフォームの創設や、電子カルテの100%普及などが盛り込まれている。一方で、病院規模の大小を問わず重大なランサムウェア被害が発生するなど、医療業界でもサイバー攻撃は身近なものと実感せざるを得ない状況だ。厚生労働省からは「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」も現在リリースされている。電子カルテを中核とする医療情報システムのSIベンダーである株式会社テクトロンでは、マネージドサービス型XDRソリューション「ESET PROTECT MDR」へと移行することで防御力にくわえ、専門知識や担当者の不足を補完して有事の対応力を大きく高めた。

右側:株式会社テクトロン 取締役副社長 大橋 康宏 さま
左側:株式会社テクトロン 事業開発部 業務改革推進担当 アシスタントマネージャー 長浜 和孝 さま

MDR事例のポイント

課題

  • 医療情報システムのSIベンダーとして、セキュリティに関し、顧客へのより高度なコンサルティング能力が重要に
  • 自社と顧客とのシステム接続があるため、自社システムのセキュリティ強化も求められた
  • セキュリティ監視や検知対応における、人員やスキルの確保が難しく、運用での外部サポートが必要

効果

  • EPPからEDR(MDR)へと社内システムを進化させ、セキュリティ能力の大幅向上を実現
  • MDRであるため運用を外に任せられ、社内担当者への大きな負担なく、有事にも確かな対応が可能に
  • 顧客への有効なセキュリティ提案として、ESET PROTECT MDR という一つの選択肢が加わった

MDR導入前の課題と背景

病院のセキュリティ強化も医療情報システムのSIベンダーの使命

当社が原因で、お客さまのシステムをマルウェアに感染させられない

近年、医療機関に対しても激しさを増しているサイバー攻撃。病院向け情報システムを扱う当社には、これに対応する責任があります。まずは、お客さまのセキュリティ対策におけるコンサルティング。そして、当社自体がサイバー攻撃を受け、それが原因でお客さまにご迷惑をかけないこと。大阪のある救急医療センターで起きた事件では、センターの情報システムとつながる給食事業者のシステムからランサムウェアが侵入しています。当社ではリモートによるサポートのため、当社のシステムとお客さまのシステムとをつなぐケースがあり、この給食事業者のように、当社が感染ルートとなる可能性があるわけです。よって、当社自体のセキュリティのレベルアップが必要だと考えていました(大橋さま)

株式会社テクトロン 富士本社ビル

侵入・感染時対策へと意識を拡大、リソースの課題からMDRに関心

当社では、インターネットのゲートウェイ対策を図るとともに、端末における対策としてアンチウイルスソフトを導入してきました。しかし、あるシンクタンクの情報セキュリティに関するレポートを拝見し、EPP(Endpoint Protection Platform)だけでは不十分であること、そしてEDRというソリューションで防御力をより高められることが分かりました。そこで「侵入・感染を防ぐだけでなく、侵入・感染したときの対策も考える」というゼロトラスト思考への意識転換が必要だと思い、新たな体制づくりに取りかかることに。ただ当社は大企業ではないので、数多くのアラートに対し24時間365日で対応できる人員配置が困難です。そのため、運用をアウトソーシングできるMDRが現実的との方針が定まり、プロジェクトチームを設けて長浜を中心に導入検討がスタートしました(大橋さま)

導入の背景について語る大橋さま
専任のセキュリティエンジニアによる24時間365日体制のセキュリティサービスを付帯

MDR導入の必然性

注目したのは誤検知率の低さ、中小企業こそ価値を実感するはず

既存システムの契約切れ間近も、慌てずコストも踏まえ製品を選定

プロジェクトでは、はじめにセキュリティにおける社内ガイドラインの再整備に取り組みました。例えば、情報の持ち出しやテレワークに関するルールの制定などです。その後、MDR導入に着手。使ってきたアンチウイルスソフトがESETでしたので、まずはESET PROTECT MDRについてキヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)へ問い合わせてみることにしました。すると、使用中のESETの契約が残り2ヶ月ほどであることがわかり、新規システムの導入を1ヶ月あまりで検討しなければならない状況に。とはいえ、焦って性能の低いシステムを選定しては意味がありません。いくつかのシステムを比較検討し、コスト面でも条件に見合う2製品に絞り込みました。ESET PROTECT MDRも、その1つです(長浜さま)

製品検討の状況について語る長浜さま

第三者も高く評価する能力、中でも誤検知率の低さが魅力

ESETは長く利用してきた経験から、心配は全くありませんでした。前回もその高い機能性を評価しESETを選んだと、当時の選定者に確認しました。また、第三機関の評価なども参考にしています。こうして、信頼性で間違いないとの判断から、今回もESETにすべきではないかという話になりました。もっとも評価したのは誤検知が少ない点です。MDRの導入で懸念していたことが、検知対応に手を取られ通常業務が止まってしまうことでした。誤検知への対応に、多くの人員を割くわけにはいきません(長浜さま)
検知精度を上げるだけでなく、脅威を評価して的確に対処できる知見が必要です。しかし多くの中小企業が、セキュリティに関する高いノウハウを持つ専門人材の採用・育成に苦労しています。当社でも同様ですが、これに経営レベルで取り組んではおり、採用活動、さらには運用管理者の能力開発を進めています。とはいえ、すぐに人材を確保・育成できるわけではありません。育成までの安全・安心に、ESET PROTECT MDRは非常に有効です。脅威に対する高度なノウハウや、インシデント対応の仕組み、24時間365日の体制といった総合的な対応力が、私の最終的な判断につながりました。その信頼に対するコストとして、ESET PROTECT MDRは納得感ある価格だと思います(大橋さま)

短期間での導入もスムーズに進行、契約に関する柔軟な対応も

こうしてESET PROTECT MDRに決めたものの、やはり短期間での導入は難しいミッションです。この点でもESETには利点があり、同じESETシリーズでの入替でしたのでMDR版への移行は比較的手間がかからずスムーズでした。とはいえ実際は、既存の契約切れまでに導入が間に合わなかったのですが、ライセンスを少し延長する柔軟な取り計らいをいただき、無防御の期間なく無事に移行することができました(長浜さま)

現行のエンドポイント保護機能にXDR機能を追加し、一元管理を維持
ESET製品で統一した場合 EPP+XDR 防御機能 対処機能 検知機能 管理機能 EPPとXDRが別製品の場合 EPP 防御機能 検知機能 管理機能 XDR 対処機能 検知機能 管理機能 連携開発が大変 不具合の多発 管理が煩雑 ※EPP=アンチウイルスを含むエンドポイントプロテクション

取り組みの成果

サービスイメージ

知る者だけが感じている“安心” それが確かなシステムの証明

エンジニアに任せてラクに運用、何より経営陣が得られた安心感

導入から2ヶ月、管理者は自分を含めて富士本社と東京本社に2名ずつおり、それぞれ別の業務があってセキュリティ専任ではないのですが、無理なく運用しています。日々レポートは上がってきますが、全てを理解できるほどの知識はありません。そのため、基本的にはESETのセキュリティエンジニアにお任せで、何かあった場合には我々もすぐに動けるようにしています(長浜さま)
導入後、社内の様子や社員の気持ちに何か変化があるかといえば、何もありません。つまり問題も起きないから、変わらず安心して業務を続けられている。ほとんどの社員は詳しいことは知りませんので、導入してよかったと強く感じているのは、きっと経営陣でしょう。セキュリティの強度がかなり上がったと思いますので、得たものはやはり安心感です。社長とは「少し枕を高くして寝られますね」と話しました(大橋さま)

運用サポートも確かだから、今後は顧客へも安心して紹介できる

病院の情報システムは、大きく「医事、電子カルテ」系システムと、通常の「業務、事務処理」系システムの2つに分類できます。先程述べた大阪の救急医療センターで起きたランサムウェア被害の原因は、医事系システムのサイバー攻撃対策が境界防御に依存しており、院内のネットワーク・セキュリティ対策が手薄であったことと報告されています。前者医事系スステムでは、そのシステムで動作保証されたセキュリティソフトの必要があり、ESETシリーズをすぐにお薦めすることはできません。しかし後者業務系システムにはこのESET PROTECT MDRをご利用いただけますので、お客さまのセキュリティ強化のために、積極的にご紹介していけたらと考えています。業務系システムのセキュリティを高めることが、間接的に医事系システムの安全性向上につながりえるからです。これからセキュリティの強化を検討されるなら、やはり自分なりに可能な範囲で調べ、自組織に適したシステムを探すことが、非常に重要だろうと思います。きっと選択肢もいろいろとあり、判断は簡単ではありません。ただ一つ言えるのは、製品自体の性能や価格だけでなく、導入時あるいは導入後のサポートも重要項目とされるのがよいということ。この点からも、私はESET PROTECT MDRをお薦めしたいと考えます(大橋さま)

そうですね、導入検討時からキヤノンMJの担当者には、いろいろな確認や相談のため何度もメールを送りましたが、すぐに返信してもらえる安心感がありました。もう1社は返信が遅めで、これもESET PROTECT MDRに決めたポイントの一つです。返答内容も的確で、こちらが1を聞けば10で返してくれるような、しっかりとした情報や資料をいただきました。そして導入後にもいろいろな問い合わせをしており、わからないことがあれば気軽に「チャットで聞いてしまえ」という感じで、安心して利用できています。運用上のトラブルも今のところありません。運用フェーズで頼れるからこそMDR導入の意味がありますので(長浜さま)

ESET PROTECT MDRの有効性について語る大橋さま、長浜さま

お客さまプロファイル

法人名 株式会社テクトロン
Webサイト
住所 静岡県富士市伝法2816番地 テクトロンビル
創立 1952年5月
従業員数 80名

システム販売会社としてスタートされ、現在では医療施設・福祉施設に、電子カルテやレセプトコンピュータなどの販売・導入・構築・アフターサポートといったサービスを一貫して提供。自社でも開発部門を有し、カスタマイズやオプションシステムの開発等に対応できる点も強みとされている。500件以上の医療機関にシステムを導入した実績で、顧客からの信頼も厚い。

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セキュリティ担当者は課題をどう乗り越えたのか。 ~企業規模問わず即効力の高いEDR/XDRの導入から運用まで~ 視聴時間:約35分
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